3日目は、平成20年1月1日(火)の元日です。 前夜は、紅白を見ている途中で、いつのまにか寝てしまいましたので、 気がついたら年が明けていました。
どうも、初日のホテルも、この2日目の(3日目の朝に目覚めた)ホテルも、 かなりのグレードが高いホテルだとは思うのですが、 部屋がうすら寒いです。 部屋のエアコンに暖房機能はありそうに見えるのですが、 初日の新幹線 でも書きましたが、 ひょっとしたら台湾は暖かくて暖房を必要とすることが滅多にないので、 暖房機能が弱いのかもしれません。
風邪は、ずっと風邪薬を飲んで、 徐々に良くなっているように思いますが、 喉の痛みは増してきているようです。 朝食で、食べ物を飲み込むときが、けっこうつらかったです。
と、風邪の具合がちょっと気になりますが、 3日目の観光に出発です。 3日目は、日月潭(にちげつたん)という湖に行きます。 以下のようなスケジュールです。
さて、新春最初の観光地は、八田ダムです。 正式名称は別にちゃんとあるのですが、 日本人の八田さんが作ったので八田ダムと呼ばれているそうです。
ダムが出来たのは、戦前の日本が台湾を植民地支配している時代のことです。 建設には1920〜1930年の10年かかったそうです。 このダムおよび農水路のおかげで、 周辺の平野での農業の水準が大幅に向上したそうです。 間接的に、このダムに命を救われた農民も少なくないでしょう。 植民地支配者で、台湾の方々からすれば嫌われて当たり前の日本人が、 少なくても大陸の方々からほどは嫌われていないのは、 このようなインフラ造りに貢献した業績を 評価されているという要素もあるようです。
車でダムの敷地内に入ると、最初に八田さんのお墓と銅像があります。 40人くらいの先客(別の団体観光客)が、 お墓の前で熱心に説明を聞いていました。 言葉がわからなかったので、台湾の方々でしょうか。 お墓の近くには、SLが展示してあります。
ダムというと、コンクリートの高い壁を思い浮かべがちですが、 そんなものはありません。 土を盛り上げて水をせき止めているらしく、 知らずに見ると自然の湖のように見えます。
敷地内の別の場所には、八田さんの功績を紹介する記念館があり、 その裏手には放水口があります。 放水口と記念館を見学したら、次の目的地に向けて出発です。
ダムを出て少し言ったとこで、 運転手さんとガイドさんがなにやら話しをして、 道路わきの露店の前で車を止めました。 露店でなにやら買っています。 日本人には珍しいだろうということで、 わざわざ買ってくれたようです。
ということで、菱の実を食べながら、 日月潭(湖)に向かいます。 今回の旅行の中で、 車での移動距離が最も長い区間ですので、 途中、高速道路のサービスエリア的なところで一度休憩します。 集合・再出発時間になっても、 ガイドさんがなかなか戻ってこない(本人曰く「方向音痴なので車を探していた」) というトラブルはありましたが、まぁ気にせずに再出発です。
日月潭は、台湾で非常に人気がある観光地のひとつです。 祝日でお休みの人が多いためか、 高速道路を降りたあとの日月潭に向かう一般道路は、かなり渋滞しています。 迂回路なのかどうか知りませんが、 途中での交差点で混んでいないほうの道を選んでからは、渋滞はなくなりました。 ただし、カーブのきつい山道です。 車内の温度はどのくらいなのかよくわかりませんが、 長時間、動かずに座り続けているせいで、ものすごく寒く感じます。 足元に冷蔵庫があるような気がします。
日月潭では、玄奘寺(げんそうじ)と文武廟(ぶんぶびょう)を見学します。 玄奘寺と文武廟は、両方とも日月潭を周回する道路沿いにあります。 遅刻や渋滞があったとは言え、 スケジュール的な遅れは、あんまりなさそうです。 抜け道を通って、うまいこと走ってくれたのかもしれません。 とりあえず、玄奘寺を見学するために、車を降ります。
やはり、車の中にじっと座っているより外を歩いた方がマシです。 と私が生気を取り戻す一方で、ガイドさんが多少元気がないです。 聞いてみたら、山道を走っているうちに、車に酔ったそうです。 私は、このガイドさんは、人間としては非常に良い人だと思うのですが、 方向音痴と乗り物酔いの二重苦を抱えているのは、 観光ガイドとしてどうなんでしょうか?
玄奘寺は、日月潭を周回する道路沿いにあると書きましたが、 玄奘寺付近の道路は、湖面よりかなり標高が高い場所にあります。 そして玄奘寺は、その道路からさらに階段で上った場所にあります。 他の寺は、赤や金色が多くて派手だと書きましたが、 ここは壁が白くて清楚な感じがします。 けっこうきれいだった印象が強いのですが、 あまり写真が残っていません。風邪で写真まで頭が回らなかったようです。
逆に、玄奘寺から見える景色の写真はありました。 高台なので、湖が見渡せます。
車に戻って、次は文武廟に移動です。 文武廟は、いかにも台湾のお寺らしい、 大きくて、派手な建物です。色としては、やはり赤や金が目立ちます。 ぱっと見た感じ、左右に大きく広がっているのですが、 奥行きも深くて、さらに前後にいくつかの建物が並んでいるようです。
文武廟を見終わったら、他の場所を観光するため、 いったん日月潭から離れます。 しばらく走ったところで、昼食のためレストランに停車します。 ガイドさんによると、 このレストランは、地元の家庭料理っぽいところがお勧めなようです。 たしかに、普通の中華料理屋さんで出てくるような料理とは かなり雰囲気が違いましたが、どれもおいしかったです。 ただし、風邪のため、喉の痛みが悪化しています。 お正月だし、昼からビールや紹興酒を飲みながらだったのですが、 固形の食べ物はもちろん、ビールの泡ですら喉に刺さるように痛かったです。 かなり先行きが不安になってきました。
不安を抱えながらも、観光は続きます。 次に向かったのは、紙すき工場です。 昔ながらの「手漉き(てすき)」で紙を作っています。 もちろん、台湾でも近代的な製紙工場で大量生産されているとは思いますが、 伝統的な手法を守っている工場ということで、 子どもたちが社会勉強をしに集まる場所になっているようです。 日本で言えば、手漉き和紙で年賀はがきを作る体験教室って 感じだと思います。
この日も祝日(1月1日)ということで、 けっこう多くの子どもたちがいました。 正月早々社会勉強しに来んな! と言いたいところですが、台湾では普通の祝日です。
紙すき工場の見学の次は、 個人的に今回のツアーのメインイベント、 紹興酒工場の見学です。
紹興酒工場は、けっこう大きな駐車場が満車に近い大混雑です。 車から降りると、老若男女問わずたくさんの人がいます。 家族旅行の途中なのか、子どももけっこういます。 てゆーか、うちらも連れて行っているので、言う資格はありません。
行く前の個人的な思い込みでは、 小さな工場で、少数の職人さんが実際に醸造しているところを 見学できるのだろうと予想していました。 しかし、実態は、ぜんぜん違っています。 雰囲気としては、紹興酒主体の巨大な観光土産屋、 あるいは紹興酒のテーマパークという感じです。
我々が立ち寄ったのは、敷地の中央にある大きな建物で、 1階がお土産物売場、2階がちょっとした紹興酒の博物館的な 感じになっています。最初に2階を見て、あとで1階を見ました。 1階は、ラッシュ時の駅のような混雑で、歩くのもきつい感じです。 試飲してみたのですが、イマイチだったので買いませんでした。 高級品だったらしいですが、昼のレストランのほうが 遥かに美味しかった気がします。
さて、次に向かったのは、中台禅寺というお寺です。 この寺は、台湾で一番大きい寺だそうです。
建物を遠くから見て、 これからアレに登るのかと思うだけで、 風邪が悪化していくような気がします。 が、観光に来たので逃げるわけにもいきません。 とりあえず、最初の斜面を登って、建物内に入ります。
体力的には、このへんが限界という感じです。 もっと、もっと、もっと上まで「登山」している 「点のように見える」人たちもいましたが、 普通の観光客としては、そこまで行く必要はないでしょう。 ちゃっちゃと下山します。 とにかく大きい中台禅寺の見学を終えると、 車は日月潭に戻ります。
この日のホテルは、日月潭湖畔の某高級ホテルです。 有名高級ホテルということで、 事前の期待は大きかったです。 しかし、期待が大きい分だけ評価が厳しくなるという要素を 差し引いても、十分に酷いホテルでした。 具体的には書きませんが、 今回のツアーで泊まった4つのホテルのうち、 文句なしに最低でした。
日月潭のあたりは、内陸で寒くなることもあるはずなので、 もう少し部屋の暖房が効いても良いんじゃないかなぁ…と 思いながら、体内暖房(酒)で寝ました。
以上で3日目の「内陸の日月潭へ」を終わります。