初日前編にも書きましたが、 平成19年12月30日(日)は、以下のようなスケジュールです。
初日後編は、成田空港を飛び立ったところからの続きのお話です。
成田から台北までの所要時間ですが、 偏西風などの影響で、行きが約4時間、帰りが約3時間とかなり違います。 時差ですが、日本より台湾の方が1時間遅いです。 ですから、日本時間の朝10時に成田を出発して、 機内で昼食を食べて、台湾に到着したのが台湾時間のだいたい午後1時です。
到着しても、すぐには観光気分にはなれません。 飛行機を降りると、入国審査に大行列が出来ています。 この入国審査をパスするのに、40分くらいかかりました。 これだけでも、二度と台湾には来たくないと決意するには、 十分なほどの長い時間に感じました。 とにかく、なかなか短くならない行列に並び続けるのは、 非常につらいものがありました。
それでも我慢して待ち続けて無事に入国審査をパスし、 手荷物を受け取って到着ロビーに出ると、 こちらから探すまでもなく、現地係員から名前を呼ばれます。 子どもを含む3人連れというのは目立つのでしょう。 すでに10数名〜20名くらいのツアー参加者が集まっていて、 我々3名が最後だったようです。
このメンバーでこれからの5日間を一緒に旅をするのかと思ったら、 みんな行き先がバラバラのようなことを言っています。 どうやらこの現地係員は、様々な小規模ツアー客を集めて、 桃園駅経由で台北までバスで送る係と、我々以外の別の 小規模ツアーの現地係員を兼ねているようです。
結局、これからの5日間を一緒に旅するのは、 我々より一回りくらい先輩という感じの上品そうなご夫婦2名と、 我々3名の合計5名だけのようです。 日本語の上手な現地ガイド1名が、この5名に付ききりで 案内をしてくれるようです。 もっと大きなツアーかと思い込んでいたので、びっくりです。 年末年始にも関わらず、こんなに参加者が少ないのでは、 ツアーパンフレットの印刷代も出ないんじゃないかと、 余計なことが心配になります。
何はともあれ、旅行開始です。 桃園国際空港から、桃園駅に向かうバス車窓の景色は、 普通に日本の田舎にありそうな景色で、 あまり外国に来た実感がわきません。 田舎のあまり建物が多くないところに、 突然近代的な建物が現れます。 台湾新幹線の桃園駅です。 バスに乗ったまま台北を目指す他のツアー客と別れ、 バスを降りて、桃園駅に向かいます。
入国審査でずいぶん時間がかかったので、 旅行スケジュールもずいぶん遅れているのかと思いきや、 駅に着いてから出発まで、30分くらい余裕がありました。 このくらい入国審査に手間取るのは、想定の範囲内のようです。 せっかくなので、駅構内をいろいろ見て回ります。
駅構内にはコンビニもあり、新幹線グッズのお土産を売っているあたりも、 日本にそっくりです。 新幹線のおもちゃも売っていましたが、 明らかに台湾新幹線のオレンジ色をしているにもかかわらず、 パッケージに大きく日本語で 「700系のぞみ」 と書くのはいかがなものでしょうか。 技術協力をしていて、色以外の見た目が似ているのは確かですが…
そうこうするうちに、発車時間が近づいてきたので、 自動改札を通って新幹線のホームに行きます。 ある意味で、台湾新幹線に乗りに来たようなものですから、 いきなり今回のツアーの最大の山場が迫ってきたと言っても 過言ではありません。
新幹線の内装も、日本の新幹線にそっくりです。 電光ニュースなども同じようにあります。 ニュースだけではなくて、ときどきそのときの時速なども表示します。
ひとつだけ、日本の新幹線と大きく違うことがあります。 それは、車内が寒いことです。 台湾はもともとは暖かい国です。 我々が滞在中の台湾は、 「東京の真冬だと思えばちょっと暖かいかな」と いうくらいの気温が続いており、 朝が7〜8℃くらい、日中の最高が12〜14℃くらいでした。 2年前に、ほぼ同じ緯度の 石垣島の正月を半袖ですごした という事実から考えても、これはかなりの異常寒波のようです。 年中車内が24℃くらいに保たれている日本の新幹線とは違い、 台湾新幹線は暖房能力が弱いのか、ものすごく寒かったです。 最初は平気だったのですが、だまって座っているうちに、 徐々に身体の芯まで冷え切ってきました。 順調に回復しつつあったと思い込んでいた風邪が、 一気に悪化した気がします。 とにかく寒いので、早く降りたいです。
桃園駅構内でゲットした時刻表(日本語表記)によると、 桃園駅発14:52、終点の左営駅着が16:30なので、 1時間半ちょっとかかるようです。 駅名の「左営」という地名は、私が書いた 台湾の大雑把な地図 には出てきませんが、高雄のことだと考えて良いようです。 よくわかりませんが、日本で言えば、 上野駅に到着して「東京に着いた」と言い切るような感じだと思います。 (憶測)
新幹線内が寒いと最初に気づいてから左営駅までの数十分は、 風邪の影響が大きいとはいえ、ここ数年間で私が感じた最も強力な寒さでした。 左営駅で、めでたく極寒の新幹線を 降りてからは、バスで案内してもらいます。 バスは、運転手を入れて7名がちょうど乗れる大きさ.... って、 それはバスじゃなくて、ワゴン車というんでは? と突っ込みかけましたが、いろいろと大人の事情があるのだと思い、 何も言わずに素直に乗り込みました。
このままホテルに直行して、食事の予定だったのですが、 ガイドさんが 「翌日に予定している観光の一部を今日のうちに前倒しでやっておけば、 翌日のスケジュールが楽になる」 というので、素直に観光に行くことになりました。 寒気以外の風邪の自覚症状は特にないので、 観光すること自体はつらくない気がします。 素直に前倒し観光に合意しました。
最初に向かったのは、左営駅からも近い、 蓮池潭(れんちたん)という場所です。 言葉で表すのは難しいのですが、 寺とか像とかがあります。
台湾の寺については、翌日以降もたくさん行くので、 ここでは説明を割愛します。 寺の階段の上から見下ろすと、こんな景色が見えます。
上の写真の中央に写っている龍ですが、 龍の口から入って通り抜けられるようになっていて、 あとで実際に歩いて通り抜けてみました。 通り抜けるとご利益があるようなことを聞きましたが、 どんなご利益だったか、すっかり忘れました。
次は、山の上から高雄の街を見るとか行って、 バスで坂を上っていきました。 単なる展望台ではなくて、それなりの意味がある場所です。 いろいろとガイドさんの説明をしてくれていたのですが、 ぜんぜん覚えていません。きっと風邪(風邪薬)のせいでしょう。
いよいよホテルに向かいます。 ホテルは、 「はんしん百貨店」 に隣接するとガイドさんが言っています。 てっきり「阪神百貨店」かと思っていたのですが、 「漢神百貨店」という字を書くようです。
その「漢神百貨店」に隣接するホテルの部屋に荷物を置き、 夕食は別のホテルのレストランに「バス」で向かいます。 なかなか豪華な広東料理で美味しかったです。
食後は、愛河という川のリバークルーズです。 しかし、この日は日曜日ということもあり、 一般客が大行列になっています。 乗るまでに1時間待ち、乗ってからは20分程度らしいですが、 窓や壁のない吹きさらしの船です。 夜になって気温も下がり、風もそこそこの強さで吹いています。 正直、風邪が激しく悪化するので帰りたいと思ったそのとき、 同じツアーに参加しているご夫婦が 「タクシーでホテルに…」という話をガイドさんとはじめました。 どうやら、あちらも帰りたいと思ったらしいです。 だったら、リバークルーズをキャンセルしてみんなで帰ろうと いうことになりました。こういうとき、ツアー客が少ないと、 意見が一致しやすくて良いですね。
ホテルに帰ってからは、リバークルーズの代わりに、 「漢神百貨店クルーズ」がはじまりました。
「漢神百貨店」は、日本の大都市にある大型デパートと似たような雰囲気で、 全く違和感がありません。おもちゃ売場では、 日本でも売っている商品が、普通に日本語表示のままで、 たくさん並んでいます。 台湾新幹線のプラレールは、日本では売っていないはずですが、 なぜかしっかり日本語で表示されています。(買わされました) トミカの商品紹介ビデオも、一部は吹き替えなしで、 日本語のままで流れています。 とにかく日本語があふれていて、 普通に 「日本国内の始めて行く大都市のデパート」 という感じがしますが、 油断して店員さんに日本語で話しかけても、 驚くほど全く通じません。
「漢神百貨店クルーズ」を終えて、ホテルの部屋に戻りました。 平気で元気に歩いていたつもりですが、 熱を測ったらそこそこ高いです。 たぶん極寒新幹線のせいです。 明日こそはきっと治ると信じて、 日本から持ってきた風邪薬を飲んで寝ることにしました。
以上で初日後編の「とりあえず高雄」を終わります。