前編 「西表島観光」


前編は、平成17年12月30日(金)から、 平成17年12月31日(土)の昼過ぎまでです。

初日は、昼過ぎに羽田空港を出発して、 石垣島の石垣空港に着いたら、特に観光をすることもなく、 市街地のホテルに直行して泊まるだけという単純なスケジュールです。

昼前に実家(盛岡)からの上京組と羽田空港で集合します。 チェックインを済ませ、 機内に持ち込めない大きな荷物を預けてから、 昼食をとります。 どこに行こうか悩んでいる暇もないため、 手ごろなところでライオンに行きました。

ここまで、前回の沖縄旅行と ほとんど同じです。 前回と違うのは、2日前(12月28日の仕事納め)の飲み過ぎの影響で、 せっかくライオンに行ったのに、 酒を飲む気にならなかったことくらいでしょうか。

搭乗ゲートに向かう手荷物検査場がかなり混んでいて、長い列に なっていたため、早めに昼食を切り上げて、 手荷物検査場に向かいました。すると、我々が昼食を していた30〜40分ほどの間に、出発のピークは過ぎたのか、 すっかり行列もなくなっています。

これも、前回の沖縄旅行と ほとんど同じです。 多数派の人たちは、いったいどこに行くんでしょうか???

羽田から石垣島までは、3時間半くらいだそうです。 国内線で、3時間以上かかる場所があるとは、初めて知りました。 実際、改めて地図で見ると、那覇よりもさらに南西の方向に かなり離れていることがわかります。 てゆーか、那覇よりは、台湾のすぐ近くに見えます。

3時間半というのは、せっかく昼寝した子どもが、 途中で目を覚ますくらいの長い時間です。 けっこう、暇を持て余しました。

この日は、石垣空港付近だけ悪天候で視界が悪く、 最悪の場合には、宮古島か那覇に行き先を変更するかもしれないという 条件付でのフライトになりました。

実際に石垣島が近づくと、雲が多くなり天気が悪そうに見えます。 石垣空港に着陸するため、徐々に高度を落としていくと、 ときどき雲の合間にサンゴ礁の海が見えますが、 霧に覆われているところが多いです。

機内では、石垣空港への到着予想時刻や現地の天候に関する アナウンスがありました。 確かに天気はあまり良くありませんが、 予定を変更することなく石垣空港に着陸するつもりのようです。 石垣島の陸地の上空で、水平方向に建物が見える辺りに来たとき、 誰もがまもなく着陸だと確信したのではないかというときに、 飛行機は急上昇を始めました。

しばらく、何のアナウンスもなかったので、 機内では「いったいどうしたんだろう」という不安なムードが漂いました。 私は、「悪天候のため石垣空港への着陸を諦めて、 宮古島か那覇に向かっているのだと」思っていました。 「これで翌日の観光の予定もキャンセルだ」と覚悟を決めたとき、 「天候回復待ちで石垣島上空を旋回していたので、 再び石垣空港に着陸を試みる」というアナウンスがありました。

今度は、風で気体を揺らしながらも、なんとか無事に着陸しました。 後で聞いたのですが、石垣空港は滑走路が短いそうで、 逆噴射の急ブレーキはけっこうきついです。 だいたい30分遅れで到着でしょうか。羽田を出てから、 4時間ということになります。

石垣島は、小雨が降っています。 初乗り390円という、嘘のように安いタクシーに乗り、 空港から市街地のホテルを目指します。 あとは、ホテルに行って、夕食をとって寝るだけです。

ホテルのロビーでは、振る舞い酒(泡盛)がありました。 なかなか美味しかったです。 夕食は、ホテルに紹介してもらった、 近所の居酒屋風の地元料理の店にしました。 非常に美味しかったです。

何とか無事に飛行機が着陸してくれたおかげで、 無事に当初の予定通りのホテルに到着し、 落ち着いてゆっくり美味しいものを食べることが出来ました。 一時はどうなるかとおもいましたが、まぁまぁ良い旅になりそうです。


翌日の大晦日ですが、唯一、観光の予定が決まっています。 石垣港から高速艇で行く離島ツアーというのが人気があるようで、 いくつか種類があるようです。 今回はそのなかのひとつ、西表島と由布島を巡るツアーに 行くことにしました。 (地図参照)

昨日、飛行機が石垣空港に着陸できなければ、 このツアーへの参加も出来なかったと思うと、 「無事にツアーに参加できて良かった」 としみじみ思います。

てなことを考えながら、小雨が降る石垣港を高速艇で出発します。

石垣港から、西表島の大原港までは、片道40分くらいです。 距離は30kmちょっとくらいあるようですから、 最高時速は50kmくらい出ているっていう計算になりそうです。 かなり速いです。 (地図参照)

西表島の大原港では、高速艇で到着した観光客を それぞれの観光コースに案内するための 大型観光バスが何台も並んで待っています。 それぞれのバスの正面には、観光コースを表すアルファベットが 掲示されています。 各自、このアルファベットを見ながら、 自分の参加する観光コースに対応するバスに乗り込むことになります。 バスの運転手さんが、各観光コースのガイドも兼ねるようです。

我々のコースでは、まず最初に、 仲間川という川沿いのマングローブの林を見に行くことになっています。 仲間川の河口付近からボートに乗って、川を上っていくとのことで、 バスはボート乗り場を目指して移動します。 (地図参照)

ボート乗り場には、ボートが何隻もあります。 乗ってきた観光バス1台毎に、1隻ずつボートが割り当てられているようで、 バスを降りるときに「xx番のボートに乗ってください」と言われます。 バスは、運転手1名で観光ガイドを兼ねていましたが、 ボートも、船頭1名で観光ガイドを兼ねています。 ところどころで停まって、いろいろな説明をしながら、 徐々に上流に向かっていきます。

ボートで少し上流に行くと、すぐにマングローブの林が見えます。

ガイドさんの説明を聞くまで知らなかったんですが、 マングローブというのは、「こういうところ」に生える木の総称であり、 「マングローブという種類の木」が存在するわけではないそうです。 確かに、マングローブの林の中には、いろいろな種類の木があります。 ちなみに、「こういうところ」というのは、熱帯とか亜熱帯の河口付近など、 淡水と海水が交じり合うような場所のことです。

淡々とガイドを続けていた船頭さんですが、 1回だけ、ちょっと興奮したように大きめな声を 出したことがあります。 カンムリワシを見つけたようです。

さて、そんなこんなでマングローブ林などの 西表島の自然を見ながら、このボートツアーは、 折り返し地点に到着します。 折り返し地点の船着場でいったんボートから降り、 「サキシマスオウノキ」を見に行きます。

写真では伝わらないかもしれませんが、 わざわざ見に来るだけあって、なかなか迫力がある木です。

「サキシマスオウノキ」を見終わり、ボートに戻ると、 来たときとは逆に川を下り、もとのボート乗り場を目指します。 帰りは、途中の観光ガイドもほとんどなく、 まっすぐにボート乗り場を目指します。

すると、途中でとつぜん、晴れ間が出てきました。

さすがに晴れると、かなり暖かいです。 ボートの上を吹く風も、爽やかで心地よいです。 まったく寒くはありません。

てな感じに、仲間川ボート遊覧は終わりました。 なかなか良かったです。

次は、由布島(ゆぶじま)を目指します。 「ゆふ」じゃなくて、「ゆぶ」と濁点が付くそうです。

大原港や仲間川河口は、西表島の東南側にあります。 仲間川河口付近のボート乗り場からバスに乗り、 西表島の東側の道路を20〜30分程度北上すると、 由布島が見えてきます。 (地図参照)

由布島は、テレビなどでも良く紹介されるので、 ご存知の方も多いと思いますが、西表島から近くて海も浅いので、 歩いて渡ることが出来ます。 が、我々のツアーでは、水牛が引っ張る「水牛車」に乗って行きます。

水牛車では、水牛に指示を出すおじさんが一人乗ります。 ところで、西表島のバスやボートでは、 運転する人が観光ガイドを兼ねていました。 が、この水牛車を操るおじさんは、カーステレオを兼ねています。 三線(さんしん)を弾きながら、歌を歌ってくれます。 前日まで、確かに真冬の本州で凍えていたはずなのですが、 暖かい日差しに包まれて、のんびりと進む水牛車に揺られながら、 独特の三線の音と歌を聴いていると、 天国に迷い込んでしまったような錯覚をおぼえます。

由布島は、南北に細長い、周囲2kmちょっとの小さな島です。 中心部は亜熱帯植物園になっていて、 この地域ならではの植物や動物がいます。 島内観光をする前に、島内のレストランで、 ツアーに含まれている昼食を食べます。 地元の食材と料理が中心のようで、何だかよくわからないんだけど 美味しいです

島内散策ですが、お勧めの順路を示す矢印標識がありますので、 素直にそれにしたがって歩くことにしました。 東側の海岸は、砂浜になっており、西表島とは反対側の隣の島が見えます。 (地図参照)

島内は、亜熱帯植物園らしく見せるために、 無理をして植物を植えたり、 動物を飼ったりしているという感じは受けません。 リス猿が飼われてたり、蝶のための温室があったりしますが、 基本的には、自然のままを見せているような印象を受けました。

さて、西表島に戻る時間が迫ってきましたので、 由布島の西海岸の水牛車乗降場に戻ります。 来たときは、気づかずにレストランに直行してしまったのですが、 水牛車乗降場の近くに池があります。

帰りの水牛は、一番の力持ちということです。 一番大きな水牛車(確か20人乗りくらい)でしたが、 それでも他の水牛車よりも速かったです。 父親はサンデーサイレンスかもしれません。(嘘)

西表島に戻り水牛車を降りると、あとはバスに乗り大原港に戻り、 そして高速艇で石垣島に戻るだけです。 高速艇から見る景色は、来たときの小雨まじりの曇り空とは違い、 きれいに晴れてすばらしいのです。 が、疲れて寝てたので、あんまり見ていません。

以上で前編の「西表島観光」を終わります。


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