4日目 「予想外の冬山登山?」


さて、旅行も4日目になりました。 平成17年1月3日(月)です。

この日のスケジュールは、ホーエンシュバンガウというところに行って、 それからネルトリンゲンという町に立ち寄ってから、 最終的にローテンブルクという町のホテルに泊まるというものです。

「ホーエンシュバンガウ」と言われても、 なんのこっちゃぜんぜんわかりません。 しかし、 「ノイシュバンシュタイン城 がある場所」 と言ってもらえれば、 いくら事前予習ゼロで、かつ観光ガイド本を日本に忘れてきた私でも、 わかります。 ディズニーランドのシンデレラ城のモデルになった、 ノイシュバンシュタイン城を見に行くのです。

日本なら1月3日までは正月休みなのが普通ですが、 ドイツでは、そんなことはなくて、 そろそろ普通に仕事が始まるらしいです。 バスは、渋滞しそうなミュンヘン中心部を避けて、 オリンピック村のあたりを走っていきます。 (と言われても、どこがどうなんだか、さっぱりわかりませんが)

日本に戻ってから地図を見て確認したのですが、 ノイシュバンシュタイン城があるホーエンシュバンガウは、 ミュンヘンの南西、 スイスとの国境まであとちょっとというところにあります。 おそらく、標高が高いのだと思いますが、 高速道路に乗って近づくにつれて、 周囲は徐々に雪景色になっていきます。 バスの窓から外を見ると、とにかく寒そうに見えます。

ノイシュバンシュタイン城ですが、 実は山の上に建っています。 言われてみれば、確かに、 写真などで山の上に建っている画像を見たような気がします。 そして、山のふもとから、遠く山の上に建っている城を眺めるだけではなく、 実際に城の中を見学するのです。 しかし、我々が乗る観光バスは、山のふもとまでしか行けません。 要するに、城内を見学できるということは、 山を登らなければならない ということになります。 そして、あたりは一面の雪景色ですので、 まさに冬山登山ということになります。

バスは、山のふもとにある、こぎれいな御土産物屋さんに到着します。 その御土産物屋さんは、スタッフも日本人ばかりで、 日本のスキー場に到着したという雰囲気です。 なにはともあれ、この御土産物屋をベースキャンプ(?)として、 冬山登山を開始することになります。

ところで、この日の服装については、それなりに考えて厚着をしてきました。 前日までの市街観光は、ずいぶん寒い思いをしました。 ダラダラ歩きながら長時間屋外にいたせいだと思いますが、 石畳の水たまりの水が凍っていないくらいですから、 摂氏でプラスの気温だったと思います。 それでも、身体の芯まで冷えるような感じがしました。 そして、ここホーエンシュバンガウは、 雪が積もっているくらいですから、摂氏でマイナスの気温かもしれません。 覚悟して、前日までより、かなり厚着をしています。

ところが、天気も良いせいか、あるいは 一生懸命に歩いているせいか、そんなに寒くありません。 というより、足元の雪も半分溶けています。 やっぱり、気温自体が高めのようです。

後で聞いた(あるいは最初から説明があったが聞いちゃいねぇ)のですが、 ベースキャンプから城までは、片道1.7kmほどあるそうです。 1.7kmのうちのかなりの距離(たぶん1.4kmくらい)は、 馬車で行くことが出来るそうです。 しかし、待ち時間があったり、スピードが遅かったりで、 歩いたほうが早い(速い?)と言われ、素直に歩いてみました。 まぁ、子どもですら泣き言をいわずに登ったので、 歩いても大したことはありません。 ただし、途中で、何台もの馬車に追い抜かれたことは、 書き添えておきます。

まぁ、そんなこんなで山を登っていると、 徐々に城が近くに見えてきます。

城の中に入るには、事前予約が必要です。 事前予約の時間になると、入場券の番号が電光表示され、 自動改札を通って中に入ることが出来ます。 かなりシステマティックになっています。

城の中の順路は決まっています。 最初に、狭い螺旋階段をひたすら登ってから、 色々な部屋を見ながら、徐々に降りてくるという感じになっています。 ちょっとした運動になります。

とりあえず、日本語のレシーバー(音声ガイド)を借ります。 これで説明を聞きながら城内鑑賞をします。 城内は、写真撮影禁止なので映像はありませんが、 城の外観だけの「見掛け倒し」ではなく、 中身もかなり豪華な内装になっています。

さて、寒い中を長時間歩いてきたので、 まぁそろそろと言えば、そろそろなんですが、 ここでもまた、子どもが「おしっこ」に行くと言い出しました。 レジデンスのときは、入口近くにトイレがあったので、 そこまで戻れば良いとすぐにわかりました。しかし、ここでは、 トイレの場所すらわかりません。 そのうちに、順路の先にトイレはあると思うのですが、 そこまでどのくらいかかるのかわかりません。 また、ひとつの部屋で説明を十分に聞いてから次の部屋に進める (係の人がタイミングを計って、順路のドアを開く) というシステムになっているので、 前の人を追い越してガンガン先に進めるような感じでもありません。

しょうがないので、係の人に泣きついてみたところ、 「こっちに来い」と案内してくれます。 どうやら、普通の観光客は通さない、 特別室(?)のトイレに通されたようです。 そのトイレは、けっこう豪華だったらしいのですが、 なにしろ外で待っていたので、よくわかりません。

なんやかんやで、無事におしっこも終わりました。 気を取り直して、落ち着いて城内鑑賞します。 そして、順路をさらに進むと、 城内にも御土産物屋があります。 大混雑の御土産物屋を通り過ぎて、台所跡地の横を通り過ぎ、 さらに階段を下りると出口です。

城を出たら、下山して、ベースキャンプの御土産物屋に戻ります。 登りは、歩いてきましたが、下りは馬車に乗ることにしました。 地面の雪がシャーベット状に溶けていて滑りやすそうなことと、 それに馬の排泄物が混ざって茶色になっていることから、 万一転倒した場合に、大きな被害(観光続行不可能)となることが 予想されるからです。 料金(払ってから知ったけど、下りは登りの半額)を支払い、 馬車に乗ります。

馬車からは、ホーエンシュバンガウ城(ノイシュバンシュタイン城の ご近所(?)に建っている城)が見えます。

ふもとに到着して、馬車を降りると、 登りの馬車に乗ろうと人々が大行列になっています。 我々が登山を開始した頃は、 まだ朝早くて人が少なかったので馬車のほうが、 早く到着できたようです。 しかし、それはどちらかと言えば例外的で、 一般には、最初の説明どおり、 歩いたほうが早く着くというのが正しいようです。

さて、無事に冬山登山も終了し、 お腹も空いてきました。 この日の昼食は、 フュッセンという街でいただきます。 この街は、ロマンティック街道の終着点の街として、 あるいは、ノイシュバンシュタイン城の観光拠点として、 多くの観光客が訪れる街だそうです。 (と、日本に帰ってから、観光ガイド本で見ました。)

昼食を終えたら、次の目的地であるネルトリンゲンまで、 バスの中でお昼寝タイムです。

ネルトリンゲンという街は、 巨大隕石の落下で出来た盆地(クレーター)にあるそうです。 誰が見たんだ?という気もしますが。

まぁ、いずれにせよ、 散策する自由時間があるので、 街中をぶらぶら歩きます。 「銀ぶら」ではなく、「ねるぶら」です。 やはり、この街も非常にきれいです。 そして、冬山登山モードで厚着をしているので、 前日までのように、だらだら歩いてもそんなに寒くはありません。

実は、この街の観光の目玉は、マルクト広場に建つ、 聖ゲオルグ教会です。 何が目玉かと言うと、とにかく塔が高いのです。 で、しかも、その塔に入って登ることが出来るのです。

ただし、そのためには、350段の螺旋階段を登らなければならないそうです。 以前、 黒部ダムの220段で死ぬ思いをした実績 があるので、全く悩む余地なく塔の登頂はパスします。

ネルトリンゲン観光が終わったら、次は、 本日の最終目的地である、ローテンブルグに向かいます。 ローテンブルグは、城壁で囲まれた街です。 (書き忘れましたが、実はネルトリンゲンもそうでした) そして、今回は、城壁の中のホテルに泊まります。 城壁の中のホテルは、人気があるのでなかなか泊まれないので、 今回はラッキーなようです。

ホテルに荷物を置いたら、夕食を食べに行きます。 夕食会場は、城壁を出てすぐの所にあるレストランです。 歩けるくらいの近さなので、帰りは夜の街を観光しながら、 歩いてホテルに戻ることになりました。

せっかくなので、まっすぐホテルに戻らずに、 少し寄り道をしました。

暗くてよくわからないところも多々ありますが、 この街も、かなりきれいな感じです。 それについては、翌日の徒歩観光で確認することになります。


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