ハチャハチャSF


ハチャハチャSFとはどうやらあまりしっかりした語源や定義があるわけではなく、とにかく、地口、駄洒落、楽屋落ち、飛躍、脱線、パロディの連続でつづられたSF小説のことだと思う。
小松左京さんは語源としてこんなことを書いてます。

そこで「ハチャハチャ」と言う、SF界以外ではあまり聞かれない言葉を説明しておきましょう。
もとはと言えば星新一さんがはじめた事ですが、SF仲間で、頭の体操がわりにやる、考えつくかぎりのむちゃくちゃのバカ話のたらい廻し、地口であろうとパロディであろうと、楽屋落ちであろうと、何でもいい、あらんかぎりの素頓狂で突飛なバカ話で、みんなが息もたえだえに笑いころげ、「そりゃあんまり、メチャクチャだ」と言おうとしても、笑いに息が切れて、メもクも発音できず、ただアハアハあえぎながら、「ハチャ……ハチャ……」とくりかえすばかりだったのが、語源であると、SF界きっての嘘つきが申しておりましたから、これは当てになりません。
(ハヤカワ文庫JA 宇宙ゴミ大戦争 解説「繊細でリリカルなハチャハチャ」より)

と、ま〜とりあえず面白いSF小説のことです。



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