「 白昼夢 」
夢だったのかもしれない
探していたものを見かけた気がして
追いかけた
追いかけて迷い込んだのは見知らぬ庭
初めてのはずなのに
いつか来たことがあるような
そんな懐かしさとやさしさをたたえて
ひっそりと息づいていた
歩き回る
かつてそうしたかもしれないという
記憶の底からの声に引かれて
いまにも顔出しそうな
古い記憶
噴水の前を横切ったような気がして
追いかける
まわりこんだら何もなかった
あたりを見渡し
やはり見知らぬ場所だと思い知らされ
目が覚める
夢だったのかな
確かに呼ばれた気がしたのに
夢だったのかな
手を振る影が見えたのに
ここはいつもの部屋
庭なんてどこにもありはしない
ひとりベッドにまるくなっている
2004/12/19 23:50
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