馬鹿弟子が何かを隠しているんだろうことは一目見りゃわかる。ただ、最近ようやく読心術に読み切らせないようすることを覚えやがったから何を隠しているかはわからなかった。
 それが、こういうこととはな。
 イタリアから連れてきた悪童をダメ弟子の部下としてあてがってお互いの成長を促したのは昔のこと。今やすっかり大人になってそういう部分は形を潜めたと思っていたが、なるほどまだまだガキだったわけだ。だが、あのヒバリに目を付けるとは良い趣味をしてやがる。もっとも、これっぽっちも乗りこなせていやしないが。
 これくらいで俺の計画に変更はありはしないし、少しの支障もないが、まあ馬鹿弟子の右腕の成長を促すイベントってところだろうか。ヒバリの携帯が通じなかろうが連絡の取りようはあるけども、しばらく動かないで様子を見守ることにするか。