日本の生命線 満州



なぜ日本は満州国を世界を敵に回してまで入手しなければならなかったのでしょうか?

またもや時代が前後し日清戦争により手に入れた遼東半島を三国干渉により返還した頃にも
どります。

ロシアは極東にウラジオストクという軍港・港湾都市がすでに有りましたが、この港は冬場には
凍ってしまい使用できなくなってしまいます。
当然、1年を通して使える軍港・港湾都市を必要としています。

そして、ロシアにはシベリア鉄道がありそれと少々の工事で乗り入れ可能な満州鉄道が満州
にあり その先には渤海という比較的穏やかな「地中海」に面した 遼東半島があり良好な港
「旅順」があるのです。

清国がまだ眠れる獅子と云われた頃にはうっかり手を出す事が出来なかったが、今は日本と
いう弱小の新興国に負けるほど弱体化した清国など恐れるに足らず
そして弱小日本が支配する遼東半島などチョイト恫喝すればすぐに手放すに決まってい
る。

実行するにはロシア一国だけでは体裁が悪いので同じく中国を狙っているドイツ・フランスを誘
って日本を恫喝したのが 件の三国干渉です。

1895年に三国干渉により放棄させた「遼東半島」をロシアはなんとその2年11ヶ月後に
は占領し旅順を要塞化してしまう
旅順要塞とは映画203高地などで有名な日露戦争有数の激戦地となる所です。
ドイツも「膠州湾事件」を口実に青島・山東省を占領してしまう。
ドイツの行動を牽制するためにイギリスは東洋艦隊を派遣する。
ロシアはイギリスを牽制するためにロシア太平洋艦隊の大部分をウラジオストクから旅順に移
管する。

そして1900年中国各地で西洋勢力を排除を目的とした義和団の乱が起きる。
それに対抗する為 日・米・露・独・仏・伊・墺(オーストリア)が派兵し
清国はこの8カ国に宣戦布告をする。
義和団の乱は特に満州で猛威を奮いロシアが建設中の鉄道にて多大な損害を与えるが、
兵力を大動員して是を制圧し さらに鉄道保護を名目として満州を占領してしまう。

日本も含め欧米各国は清国において略奪の限りを尽くしたが、日本の略奪は他国に比べ厳正
に取り締まっていたので清国からの批判も少なかったようです。
そして ここで初めて中国大陸での権益を得て欧米列強に肩を並べられる勢力になっていきま
した。

満州を占領し、旅順を手に入れたロシアはさらに朝鮮半島に手を伸ばします。

朝鮮半島は日本により清国から独立し「大韓帝国」を名乗っていましたが 
皇帝「高宗」の父「大院君」と「高宗」の妃である「妃閔」は清を後ろ盾に着け対立してい
たが、日清戦争で清が負けると「妃閔」は今度はロシアに取り入る。
なぜ「大院君」と「閔妃」は対立していたかというと、
「大院君」鎖国政策を維持という古い考え方も持っていましたが、韓国の貴族である「両班」を
廃止しようとしていました。
しかし「閔妃」は自身の欲望を満たす為疲弊する国庫をさらに圧迫して贅沢の限りを尽くしてい
ました。
そのためには貴族階級を存続させねばならず、国益に無視してでも「両班」を維持し無ければ
なりませんでした。
要は既得権益を保守する保守派と改革派の争いなのでした。
日本は「閔妃」の己の欲望の為に国家存続の危機に瀕してしまうのでした。

因みに「閔妃」は現在の韓国では悲劇のヒロイン 憂国の国母として慕われていますが、これ
反日の為に当時は民衆に呪われていた存在でも正当化してしまう韓国の歪んだ自尊心
原因です。

朝鮮半島の裏切り行為により日本は危機にさらされ ロシアの脅威を排除する為に行われた
のが「日露戦争」なのです。

「日露戦争」に負けなかった日本は優柔不断の「大韓帝国」併合し日本海、大陸での日
本の権益に対して一定の安全を手に入れます。
しかし、ロシアの潜在的脅威はまだまだ続きます。

日露戦争での陸戦の戦場は中国東北部 即ち「満州」であったことから、日本の安全保
障上「満州」は日本の管理下に有る事が望ましい
満州鉄道の権益を護る為の守備隊を派遣し(後の関東軍)張作霖率いる現地の北洋軍閥と手
を握る。

しかし張作霖は 対立していた蒋介石率いる「国民党」と毛沢東率いる「共産党」との同盟(第
一次国共合作)の前に敗北してしまう。
敗北した張作霖は欧米勢力にすがり再起を謀るが、そんな事をされればまた「三国干渉」
後の満州に逆戻りする恐れが出てくる。

逆戻りを阻止する為に張作霖を排除し まだ若く日本の言い成りになりそうな息子の「張学良」
を後継につける。
が父親を殺害された「張学良」は日本の言い成りにはならず逆にアメリカと手を組み日本の権
益を圧迫していく。

日本は再三にわたる警告をするが 警告を無視した張学良に対し関東軍の石原莞爾、板垣
征四郎は満州事変を画策したのでした
1931年9月18日柳条湖事件から始まる満州事変により 僅か6ヶ月で満州国建国に至りま
す。
アメリカの推す「張学良」を排除した事により
またもやアメリカを敵に回してしまうのでした

ざっとの概要を書いてきましたが、要するに満州はロシア(ソ連)により朝鮮半島が支配さ
れない為に日本の安全保障には欠かせない場所だったのです。
この事は朝鮮戦争(1950〜1953)に国連軍の指揮官だった「マッカーサー」ですら満州から
続々と投入される共産軍に苦戦させられ
「満州を巡る日中戦争(日華事変)は日本の自衛戦争だった」と言わしめました。

まぁ当時の日本の安全など中国人や韓国、朝鮮人には関係など無く、侵略だと言われれば 
間違いなく侵略なのであり弁解の余地もない。

ただ 当時の国際情勢は弱肉強食の世界であり、強国が弱い国を蹂躙していく世界であった。
この世界的風潮に飲み込まれない為に日本は努力し日本を強国に蹂躙されないようにあがい
て 自国の安全の為に他国を支配下においていったのでした


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