2002/03/18〜20

旅のはじまり(ベトナム珍道中クワナシ編)クワの話題は続きで・・・せっかくですので写真だけでもチラット見てやって下さい・・・とっても長いクワの話の前座です。


始めにお断りしておくが、勿論クワガタの採集が今回の主要な目的ではありません。
日本企業のグローバル化などともてはやされた時代が過ぎて、大手の製造業を営む殆んどの企業が今ではアジアに山ほど進出している。中でも、中国は今が旬で〜猫も杓子も〜の状態になっている。そうは云っても新聞やテレビの中でも話で、私にとっては何処か存在感のない世界の話だと思っていた。ところが、ブームのような海外展開から、コスト競争の激化や時間の経過と共に整備が進んだインフラも手伝って、ここ1〜2年で私の仕事での取引先メーカーも次々とタイ、ベトナム、マレーシア、中国、インドネシアなどなど製造拠点を移してしまった。身の回りのこれまでの仕事を考えると、”まさか”の展開である。でも、こうなると私の勤務先のような小規模の会社でも国内だけでじっとしている訳にも行かなくなって今回ベトナムとマレーシアに営業に行くことになった。

3/18早朝、
荷物をまとめて車に詰め込み、6時前に家を出た。成田空港へは自宅から車で1時間ちょっと。空港近くで集金時間帯にぶつかると渋滞して動かなくなってしまうので少し早めに出発した。(実は前回ベトナムへ行った折には空港近くの渋滞で、時間ギリギリに入って出発35分前であった教訓による)
空港近くのつるやパーキングに車を停めて、つるやのバンで空港入りした。つるやはネット予約で割引になり近隣ではまあまあ安いので便利だ。帰国時は2000円で空港まで配車してくれるサービスもある。お金に余裕のある人は使ってみると良いと思う。前日に宿泊が必要な人はホテルで一泊すると駐車無料のホテルもある。〜シャクティパットやら、定説で有名になったホテルもすぐ近所だ〜。

空港に入ると、今回のベトナム行きの同行者HORIちゃん、SATOさんがすでに待機していた。初対面の二人を私が紹介して軽く朝食を済ませ、搭乗手続きをした。暫くボーとしてやがてJALに乗り込み予定より僅か遅れて日本を飛び立った。香港を経由してベトナムへ乗り継ぐのだが、香港に到着した時点でJALは30分あまり遅れてしまっていた。どうも後になって考えるとこの時点で旅のトラブルが暗示されていたようだ。

トランジットのカウンターを探すまでも無く、SATOさんと私の名前の入ったカードを持った人が出口に待っていて手続きの案内をしてくれた。同行のHORIちゃんはチケット手配がキャセイだったので?名前が無かったが同じカウンターで手続きを無事終えて案内の職員に続いて、荷物のチェックを並んで待っている人々をかき分けながら先にチェックを終え搭乗ゲートのG29に向かって走った。ゲートに着くと、定刻8分前にもかかわらず、まだ30〜40人くらいの人がチケットのチェックを待って並んでいた。ローカルな航空会社に限らないが、結構搭乗開始時間の予定よりはどこも遅れて搭乗させられることが多い。ここまで小走りにたどり着くとすでにどっさり汗をかいてしまっていた。

香港からは、およそ2時間でベトナムはハノイに到着、外気は再び大量の汗をかくのに十分な温度だった。きっと今夜のビールはとても美味いに違いない、などと早々に夕飯の心配などしていた私だった。空港も3ヶ月ほど前にすっかりリニーアルされており、以前の姿からするとやっと国際空港らしくなった感じだ。もちろんベトナムにもアンタエウスなどを始めとしたクワの産地が数々あるのだが、仕事の日程の上で産地に近づけるような余裕は全く無い。とても残念だ。

(到着したホテルの窓からの風景。)

ハノイの周辺はほとんどが豊かな田園地帯だ。2〜3毛作で沢山の長粒種の米を作っている。しかし、最近では、空港近隣には新たに工業団地が作られており、以前にはHONDAの工場が着陸の祭に見えただけだったこの辺も急速に開発が進んでいる。空港からタクシーでハノイの街に向かうと田園やら、そこでロウト状のバケツのようなものに左右二本ずつロープを付けた道具で田んぼに水を汲んでいる人、牛などが目に飛び込んでくる。灌漑設備も所々にあるようだが、全体には普及していないようだ。

ここハノイで特徴的なのは交通事情だ。来るたびにバイクの数が飛躍的に増えているようだ。ほとんどがHONDAなのだが、その正体はHENKUDAやHENDAだったりして怪しい物が沢山あるようだ。街に点在するバイク屋やパーツショップにはカブの泥除けだけが陳列されていたり、ハンドルだけが山ほど積んであったりする。HONDAのステッカーだけが沢山流通しているらしく、ほとんどの車体にそれが貼られているのだ。そんなことで一見すると全てがHONDAのように見える。価格は本物のHONDAで2500ドル(USD)、中国製で500ドル程度が相場だと言うので、当然偽者が多数流通している訳だ。そこで最近では700ドル程度で価格競争にHONDAが低価格品を投入しているらしい。所得から比較すれば彼らはみんなベンツか何かに乗っているようなものだ。

空港からハノイ市内へはタクシーで約10ドル価格交渉次第では多少上下するが・・・。
以前は空港出口でタクシーチケットを販売するカウンターが2ヶ所あり片方は10ドルで、もう片方は9ドルだったが、今回はカウンターが何処にも見当たらなかった。そのうちに成田からの直行便の就航予定となっているので状況はどんどん変化して行くのだろう。ちなみに通貨はDONで100円はおよそ14000DONだが、観光客が行く場所ならば大抵は$で通用する。おつりは当然DONで帰ってくる。200DONなどお釣りで貰おうものなら使い様が無い。高速道路らしき(料金所があるのでたぶん高速だろうと思う)道路でその先の街に向かうと車はどんどん加速して100km位で走っていく。街の手前までは片側2車線の4車線で高速が続く。しかし乗っていると何処が車線かなどドライバーにはあまり関係ないようだ。左ハンドルなので追い越しも左からになるが、時には路側帯が無い場所では反対車線も平気で突っ込んでいく。同じレーンに煉瓦を一杯に積み込んだ旧ソビエト製トラックが30km程度で走っているかと思えば3人乗りのバイクがそれを左側から追い越して行く。その後からタクシーがそれと同時に追い越してゆく。また同時に自転車に唐傘のようなものを山積みで走っている自転車がいる。牛が道路を横切っていく。車が横切っていく。全てが同時に起きている風景なのだ。

運転手は先に走っているタクシーが”遅い”とばかりにパッシングしながらクラクションを鳴らす。断続的に1分ぐらい鳴らすと前のタクシーがやっとどいたが、合い変わらずクラクションを鳴らし続けて追い越し終わるまで鳴らす。今度はさらに後ろから来た車に今度はパッシングされ、クラクションを鳴らされる。場所を問わず、レーンを問わず、何処でもクラクションが鳴り響き、パッシングの光が飛び交う。その割にだれも怒っている人は見かけない。中には日本の暴走族のようなクラクションでパララパララ・・・と鳴らしていく。街中は特に朝夕のバイクの数が凄い。無数のバイクと自転車がどこかに向かって走っている。お互いにぶつからないのが不思議な状況だ。

たまに交差点で警察官らしき人を見かけるが、何の目的でそこにいるのかは不明である。大まかに感じ取れるルールはバス、トラック、トレーラーなど大きいものが比較的優先権をもっていて次がタクシーなどの車、バイク、そのまた次に自転車、歩行者の順番になるようだ。長期滞在の客先の担当者に依れば、「道路を横断したいときには、状況にビックリしてキョロキョロせずに車だけ意識して止まらずに歩くことだ」と言う。また「眼をつぶって歩けば怖くない」とも言っていた。実際、道路に立って見ると納得させられる。写真は撮ってみたものの、VTRでもその交通事情を理解するのは難しいと思う。かといって、もし機会があっても我が家族など連れてこの街を歩くつもりにはなれそうに無い、危なくてしょうがない。

さて、直接的にクワガタの話題では無いものの・・・。宿泊先のホテルから大通りを目指して歩いていくと雑貨に近い電気屋を見つけた。そこには皆さんご存知の電撃ラケット?がありました。

電撃ラケット。コバエも蚊も取れます。
左上も電撃殺虫器なので
シリーズで置いてあったようです。
パッケージもそのまま中国製でした。

並んでいた物の中には全く用途が
分からない物もありました。
ちなみに、この電撃ラケットの値段ですが
日本円で300円でした。中国ではもっと
安いんだろうな?

我が家にはすでに1本あるので安くても
もう必要ないので買わなかったが
沢山買って帰れば小遣い稼ぎになるかも。



マンゴー、ラグビーボール状のスイカ
竜眼(ライチに似たフルーツ)と
果物は豊富だ。

行くところに行けばクワも豊富?










雑踏の中を歩いてお腹もすいたところで、いよいよ夕食タイム。VANXVANというベトナムレストランへ行く。この店はかなりの高級店で欧米人や日本人の利用客も多い。ケンケンパ的お勧め料理は・・・。ほとんどの物が美味しい。こうした店で食べるベトナム料理は日本人の味覚に合うメニューが多い。

あ〜美味しかった。
ゴマ入りのクラッカーに
これまたゴマとシジミみたいな貝を合わせて炒めた物。お好みでナンプラー(魚醤)を付けて食べる。ナンプラーが苦手な人はつけなくても香ばしくて美味しい。

ほとんど食べ終わる頃にカメラを持ち出したので写真がありませんが、香草や海鮮をいっしょにした生春巻き、揚げ春巻きなども美味しかった。メニューを見ても想像しにくい料理があったが、店員に頼むと写真を用意してあり、指差してのオーダーも可能でした。適当に頼んでみるのも醍醐味かもしれない。

「うまそー!!」と
SIMAZU君の視線が注がれている先にあるのは
一押しのソフトシェルクラブ。
脱皮仕立ての蟹をから揚げにした物です。
ただし、良く知らないのですが
脱皮シーズンは限られていると思われますので
いつもある様なので冷凍保存品かも??
年中暖かいのでいつでも脱皮している蟹が
つかまるのかな。

本当の事を知っている人がいたら
何方か教えて下さい。
名前をすっかり忘れたこの白身魚を最後に食べたが、独特のスパイシーなソースが魚の味と絶妙に合っていた。えー。名前はなっていったかな?とにかくビールもすすむいい味出してました。




ハノイでは、海産物が豊富なので旅行などでお出かけの方はそうした店がお勧めと言えそうです。しかし、勘違いしてはいけないのは現地の人々が普段食べているものとは全く違っていると云う事です。全般には水炊きのようなシンプルな料理が多いそうです。翌日の朝、ホテルの朝食に間に合わなかったSIMAZU君は現地の人が利用する食堂のような場所で麺類を食べてきたらしいのですが、「結構美味しかった」と言っていました。さすがにインドネシアで長く生活しているだけあってとても逞しい。数回通っているベトナムだが、まだ私には出来ない。もっとも、暫く住んでいても私には出来ないかもしれない。

さて、いろいろあって・・・略。二日に渡っての仕事を終え、翌日の移動日となったのだが、この日思わぬ落とし穴が待っていたのだった。当日の朝、HORIちゃんは仕事を終えて早朝に帰国した。残された私たちも午後の便でマレーシアに移動しなければならない。タクシーでハノイ空港へと向かった。空港に着く直前にタクシーに無線で連絡が入った「あんたケンケンパか?」とは言わなかったが私の名前を確認している。この運転手、英語が私程度でさっぱり通じない。英語もインドネシアの言葉も流暢に話すSIMAZU君も閉口している。
「お金が・・・」どうとか言っているのは分かるが、なぜか「ホテルに戻っていいか??」といいっているようだ。そこで、SIMAZU君がホテルに電話して内容の確認をしたところ私の支払いが少なかったとの事で、明細を引っ張り出して見るとクレジットカードでの支払い金額とホテルの明細が70$も違っていた。ホテル側のミスだ。だいぶ早く空港入り出来る時間に出てきたので、仕方なくここでホテルに引き返すことに・・・。不足分を支払って先ほどの道を再び空港へ向かった。思えばハノイに着いてすぐにSATOさんの携帯が行方不明になってタクシーに落としたかも知れない・・・事件に続いて今回はいろいろと事件が続いている。

空港へ着くと、当初私とSATOさんの日程に合わせたはずのSIMAZU君のフライトがMH753で14:40とモニターに表示されている。変わって私たちの乗るVN753は15:40と一時間遅れて表示されている。相乗りだと思っていたが別便だったのか?仕方なく先にSIMAZU君を見送って残った二人は軽食を取ることにした。1時間少々暇をつぶして、階下にいってもう一度モニターを見てみた。
「ありゃ・・・・・・・・・・・・・(凄く長い間)。」
「モニターにVNが無い・・・」
二人顔を見合わせて慌ててカウンターへ行ってみたが係員は時計を指差して両腕でバッテンを作って見せた。「VNもMHも753は同じ便だ」と云う。
その時すでに出発10分前になっていた。モニターの表示の事や仕事でどうしても移動しなければならない事など訳の分からない英語で訴えたが、ついに最悪の乗り遅れとなってしまった。結局、相乗りだったのだ。表示ミスに気づいて何処かのタイミングでモニター表示を消していたのだ。始めに気づいて確認していれば・・・・。頭の中は本当に真っ白になってしまった。SIMAZU君はとうに機内にいて連絡も取れない。こんなときにもう少ししっかりした人ならば、「そちらのミスなのだからフライトを止めろ」ってな事も言えるのかもしれないがそれも出来なかった。仕方なくチケットカウンターへ行き気を取り直してマレーシア行きの新しいチケットを頼んで見たが「今日はもう無い。明日も一杯だ。」と云う。カウンター越しに香港行きの搭乗手続きの列が見えたので香港経由もあたってみたが空席も無く、その先の移動も不可能との事。結局1時間近く粘って調べてもらい、やっとバンコク経由でマレーシア行きが取れた。乗り換え4時間待ちだが他に方法が無い。チケットを購入してとぼとぼと空港を出てタクシーを捕まえて昨夜まで泊まったホテルに今日二度目の道を向かった。
二度に渡って「シーユーアゲイン」と言ってたホテルの支配人が、今度はぎょっとした顔で出迎えた。

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