2002/03/21

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ベトナム脱出、いよいよマレーシア編・・・の入り口。
(めったに行ける訳でもないし、ひょっとしたらこれを見て行って見ようと思う人もいるかも知れないと思って些細なことまで書き記しました。何年か経っても情景が思い出せるように自分史の目的もあります。長い文にあきれてしまいそうな方は斜め読みにして、写真だけはマウスポイントしてみてください)

いろいろあったハノイを後にして、待望のマレーシアへ今日こそ辿り着く!ホテルを朝6時に出てまたまたとても早く空港入りした。勿論、再び悪夢に遭遇しないように何事も早めの行動だ。今度はスムーズに9:15にハノイを出発して、バンコクへ11:00頃到着した。しかし連絡はちょうどいい時間には無く15:25発のクアラルンプール行きを待つ間やることが無くて困った。とりあえず、喫煙所を探してまずは3時間ぶりに一服した。割腹のいい免税店のおばちゃんがやはり一服しにきた。そこに掃除のおばちゃんが現れ、7〜8本程度の吸殻といっぱいの砂が入った灰皿を手馴れた様子で回すようにしながら軽く振動を与えてタバコと灰を分離させて手箒で掃除していく。1本目をさっき砂の中にねじ込んだばかりだったが、2本目に手を掛けていた私は綺麗になった砂を見て吸うのを躊躇してそこを出た。掃除のおばちゃんとの間合いも2本目を吸わせてくれなかった。今度はクレジットカード電話を見つけて自宅へ電話する。「もしもし・・・もしもし・・ガチャ・・・・」元気そうなカミサンの声が聞こえたが、どうもこちらの声が聞き取れない様子。向こうは不審な電話と思ったに違いないがとりあえず元気そうだった??のでこれでいい事にした。時間がまだ有り余っているので免税店をひとなめしてドライフルーツのマンゴーを2袋買って買い物終了。店員がずっと後を着いてきて「イカガデスカ、オイシデスヨ」などとたどたどしい日本語で追って来るので煩わしくなってしまった。

喫煙所で低下する体内ニコチンを補充するケンケンパ。
住んでいる傍にある病院の喫煙所同様で、何気に薄暗い。
灰皿は綺麗だが窓は脂で少し曇っている。
数年前にチェンマイに行った時のことは良く覚えていないのだが
なんだか空港がでかくなった気がした。

(この時既に十分疲れた表情だったので見苦しい顔は掲載できませんですハイ。)KL行きの出発待ちで3度ここを利用したが、免税店のおばちゃんも3度サボりに来ていた。


免税店の隅っこに「足のマッサージ」の看板が出ていて、タイのおねーちゃん達が3人いたのだがテレビの前で暇をつぶしながら見ているとめったに利用者が来ない。一人が暇そーに視線を漂わせて入り口に座っていて、後の二人はマッサージの利用客の為に用意してある深い背もたれの付いた椅子でよく眠っている。構えて客を待っている様子が全く無いのが妙に面白い気がしてチラッ、チラッと見ていたが入り口のおねーちゃんとたまに視線がかち合うので止めた。どうも時間待ちはとても苦手なケンケンパでした。ちょっと甘すぎのカフェラッテとバターケーキを食べてSATOさんと仕事の話などしながら、ようやく3時間ほど時間をつぶして搭乗ゲートに向かった。金属探知器のゲートを通過するとジャリ銭に反応してボディチェックを受けた。続くSATOさんは香港以来毎回ピーピー鳴らしては、シャーペンやら携帯に腕時計、ジャリ銭、車のキーなど次々背広やズボンのポケットから取り出してトレーに山を作っている。今回も同じパターンをやっていた。それってワザト・・・・?

それから1時間ほど経過して、搭乗口では何処かの誰かがまだ乗せないのか?と抗議している。例の如く待たされてやっと乗り込んで2時間でビールとワインを機内食と一緒に胃袋に放り込んでいるうちにマレーシアに到着した。

いよいよ赤道直下に到達だ。クアラルンプールの空港に到着して驚くのはまず空港の広さだ。着陸前から見える周辺の広大な地域は私の知らないヤシかソテツのような植物が規則正しく植林されている。(後でタクシー運転手のKENNYから聞いて知ったのだが、その植物から食用油を取っているそうだ。名前も聞いたがすっかり忘れてしまった。「後で時間が空いたら観光ついでに油を絞っているところを見に連れって行ってやる」と言っていたが見る機会をすっかり失ってしまった。)

到着ゲートからは空港内をモノレールで移動して荷物の受け取りや入国審査へ向かう。モノレール乗り口は2レーンある中央でほぼ5分置きに交互に乗り入れしている。何処かの空港と似たようなものですが・・・。

3万円ほどRM(マレーシア$)に両替して荷物を待っているとまもなくモニターにTGが表示されすぐに荷物が出てきた。税関を通って出口へ向かうとクアラルンプール市内のホテルの共同カウンターがあり、そこに予約したEquatorialが入っていた。こちらがいつものツッカエ調子の英語で予約の状況を確認すると、人懐っこそうなホテルのおっちゃんが「いらっしゃいませ。ようこそ。」ってな具合に日本語で話し掛ける。「OK、心配ないです。」ホテルまでは、タクシーで120RMだと言う。支払いを済ませて荷物を転がしてタクシーへ乗り込んだ。導かれるまま乗り込んでしまったが、ここで普通のタクシーを使えば60RMで済んだのだった。乗ってしまったのでとりあえずベンツのリムジンタクシーですっかりオノボリサンを決め込んでホテルに向かった。ハノイで別れたSIMAZU君は昨日のうちに到着して待っているはずだ。


 

宵闇のツインタワー 地上452m8階建て。日本と韓国の競作らしい。空港からクアラルンプール市内までは高速道路を使っておよそ1時間だった。事前にメールでやり取りさせていただいたTomさんからの情報もあって落ち着いて行動できた。(現在台北に在住のTomさんは以前はKLに住んでいらしゃったのでいろいろと我侭な質問に丁寧にお答え頂きここで改めてお礼を申し上げたい。)
途中の風景は日没真近だったので途中から真っ暗で遠くまで見渡せなかったが、例のヤシみたいな植物が繰り返し眼に飛び込んできて、植生をそこだけとって見るとクワフリークな人から見ればがっかりするような景観だった。所々、川沿いでは南国情緒を感じさせるものの作られた植生が延々とKL市内にまで続く。やがて夕闇にツインタワー(なんでこの写真がツインタワーなのか解らんと言う方は画像をポイントして下さい)が見えてきてEquatorialホテルはもうすぐそこだ。Equatorialホテル

ホテルの玄関前にリムジンタクシーが到着すると、ちょうどそこへSIMAZU君がロビーから出てくるところだった。1日ぶりに恥ずかしげな再会となった(^^;)。早速チェックインして部屋に荷物を置いてカメラだけ持って夕飯を食べに出かけた。日本と比較すれば当然何でも安いのだが、初日からホテルの食事では資金ももたない。前日にSIMAZU君が多少ホテル周辺を散策していたので近くでビールが飲める場所を探して歩いた。さすがに、夜になっても気温が高く、湿度もかなり高い。少し歩いただけで汗がにじむ。クワは高地のリゾートにいるので案外肌寒いとの情報もあって、薄手だが長袖のシャツばかり用意していたケンケンパは袖まくりしていてもドット汗をかいてSIMAZU君のあとを歩いた。SATOさんも長袖のYシャツばかりの様子。道を行ったり来たりしながら結局は近くのカフェでピザなどつまみながらビールをあおった。
本格的な窯焼きピザの店Modesto'sにて
ナシ・チャンプル(華人は経済食と言う:マレー風に好きなおかずをご飯にトッピングして食べる)店に一度は入ったが、宗教的理由からかビールなど無かったのでその店を後にした。ビールなど無くてもいいSATOさんの反対を押し切ってこの店まで行った道を戻ったが、ケンケンパとしては適度な汗をかいて、ビールを飲まないわけには行かなかった。SATOさんには付き合ってもらって申し訳無かったのですが・・・。
ピザもチキンソテーもソーセージと野菜も美味かったので勝手に勘弁して頂くことにした。後で聞いたらModesto'sのピザは結構有名らしい。

小さ目のピッチャを2つ空けて、少し足りないSIMAZU君がグラスでもう一杯空けた。SIMAZU君と長時間一緒にいたのは今回が初めてだったので、いろいろと話を聞かせてもらい、インドネシア生まれの奥さんとお子さんの写真も見せていただいた。写真を載せられないのが残念だが、とてもチャーミングな奥さんの写真を見せてくれた彼の表情は幸せいっぱいという顔だった。宴も・・・ですが・・・既に10;00を回って、移動の疲れもあって当然酔いも回ってきた。話は先ほど少し触れていたクワの話に舞い戻った。(本当は無理やりクワの話を持ち出したのだが。)多少の興味を持っているにせよ、一緒に取りに行くほどの気持はないとのことで、単独でゲンティンハイランドへ向かう覚悟を決めていたが、SIMAZU君の提案で彼が昨日の空港からの移動で知り合ったタクシーの運転手を紹介すると云うのでお願いすることにして、準備もあるのでホテルに戻ることにした。
一度、部屋へ戻って懐中電灯や入れ物をコンビにの袋に詰めてロビーに下りるとSIMAZU君が10分ぐらい掛かるという。逸る気持ちを抑えながら通りでそのタクシーを待った。20分くらい経っても一向にそのタクシーが来ない。再びSIMAZU君が気を使って電話してくれて、それから10分くらいでKENNYのタクシーが到着した。到着したKENNYとSIMAZU君がなにやらハイペースに喋っているがサッパリ話が見えない。それもそのはずでKENNYがマレー語で話ていて、SIMAZUはインドネシア語で話しているのだった。地理的にも隣国なので、2つの言葉はほとんど共通の言葉だそうです。SIMAZU君の話ではインドネシアの方が少し会話のスピードが早いんだとのことでした。簡単に紹介をしてもらい、「ゲンティンハイランドへ行きたい」と伝えると、「SIMAZUは行かないのか?」と言う。KENNYは言葉の通じない私の方を見てマレー語で半ば強引にSIMAZU君をタクシーの助手席に乗せてしまった。始めの二人の訳の解らない会話に面食らってしまって、不安になった私だったが、同行者を得てすっかり安心して、いざゲンティンへ。時計はもう、11:00を回ろうとしていた。


走り出すと、何故か同じ建物の周りをぐるっと一周するようにしてから郊外へ向かう。どうもKL市内(マラッカも同じだった)は一方通行が多く目的地が見えていてもすぐにはたどり着けないようだ。10分程度で高速道路のような道路に出ると、一気に加速してKLを後にした。途中ガソリンスタンドに立ち寄って、KENNYが給油する。ほとんどのスタンドがセルフになっているようだ。セルフ給油中のKENNYさん。

給油のさなか、SIMAZU君と入れ替わりでトイレを借りた。余談だが、トイレの形状も当然日本とは違っており、どちら向きに利用していいか迷うに違いない。ビールの水分だけ放水して車に戻った。ちなみに、ホテルや高速以外でトイレを利用するときは何処にも紙が無いので行かれる方はご注意を!余談でしたが・・・(^o^)/~。

今度は喉が渇いてしまって水を買いたかったが、スタンドの中の商品は既に店を閉めてあり、店員が外で給油だけの対応をしていた為、買うことが出来なかった。それを見たKENNYが給油を終えてトランクを開けると、予備のタイヤ入れの中からペットボトルを取り出して私たちに1本ずつくれた。ちょっとタイヤ臭かったが喉が渇いていたので生ぬるいその水をゴクゴクと飲んだ。たまに、タクシーの中で寝泊りするらしく、何かに備えていつも何本か持ち歩いているとの事だった。再び車に飛び乗って目的地に向かう。
途中の話に集中してしまって間の風景もろくに覚えていなが、30分ほど走っただろうか、右側に自動販売機がたくさん並んでいる場所があった。数台の乗用車、タクシー、トラックなどが止まっていてそれぞれ仮眠や食事をとっているようだ。ちょっと違った風景であるが、日本でもおなじみの光景だった。スモークが掛かった窓越しにはフイルムが邪魔して”虫の飛び”が確認できない。ハイウエイ沿いのほとんどの外灯は虫の集まりが悪い黄色の水銀灯だった。この販売機を過ぎると、道路の回りは何の明かりも無く急に暗くなってくる。薄暗い闇の向こうに山々が薄っすらと姿を現す。だいぶ標高も高くなってきているようで、エアコンが一気に効いてきている。雲が掛かっているものの、月が出たり引っ込んだりしていて月齢はあまりいい条件ではなかった。

また、道路の勾配がきつくなってきた。傾斜に負けまいとしてKENNYはスピードを落とさずアクセルをあおって高速コーナーを駆け抜けていく。ビールで酔っ払いになっていなかったら、替わりに車酔いしていたかもしれない。高速だらけのワインディングロードが続く、昔のようにバイクを持っていれば何度も走って見たい道路だ。それにしても白い外灯は無いのか?暫くそんなことを考えながらフロントガラスの外を見ていると、標識にゲンティンの名前が見えた。いよいよ目的地は近いようだ。ところが、標識では真直ぐも、左もゲンティンと表示されており、頭が混乱しているうちに、KENNYは相変わらず100km/hのスピードのまま真直ぐ2車線の道路を進んで行った。右手に何かの建物が見えて、白い外灯がついている。帰り道で立ち寄ってみたいと思いながら先へ進む。やがて左手にアパートの様な建物の一群が見えたが奥まった建物の屋上付近に白い水銀灯が見えるだけで、後はパーフェクトに黄色の外灯だらけだった。車を止めてもらうかどうか迷っているうちにそこを通り越してしまい、続いてまた左手に少し小高いところに建物と白い外灯が目に入ったがこちらはあまり明るくないような感じだった。ともかく目指すゲンティンはまだ距離があるようなので右に左に身体を揺さぶられながら頂上付近へと向かう。途中の右手には少し明るいホテルの物らしい看板や、真っ暗で売りに出ているホテルやAwana Golf Country Resortが見えた。すると間もなく尾根の向こうの高い場所にに大きなホテルが見えた。「あれがゲンティンハイランドだよ」とKENNYが言う。かなり大きい建物のようだ。次第に道幅が少し狭くなりその先に明るい看板が見えたのでタクシーを止めてもらった。
「虫がいないな〜」とSIMAZU君。
「ほとんど飛んでないね」と思い切り落胆する私。
車を止めた手前の側溝を見ると甲虫の羽根だけが見つかった。5分も見ないうちに諦めてしまい再び上に向かったが、今から考えると看板の真下などその気になって探せば何かいたかもしれない。私同様に素人採集に行こうと言う方は是非この失敗談を参考にしていただきたい。出発前にビールなど飲まないほうがよい。


後日(23日の晩)撮影した中華風の門の写真。そこからの距離はいくらでもなかった。幾つかのカーブを通り越してなにやら中華風の門構えが見えて、右手奥にアパートらしき物、左上にもアパートか宿舎のようなものが道路に面して建っている。急な坂道を上って行くと、ドーんと大きなホテルが見えてくる。始めにResort Hotel(898室150〜290RM/一泊と万人向け)の側面が見えて、次いでGenting Hotel(694室290〜1830RM/一泊の超高級ホテル)と駐車場の間を抜けて左手にHighlands Hotel(932室180〜450RM/一泊高級ホテル)上の駐車場に出る途中には遊園地もある。

KLから北東に聳える山岳地帯は標高2000Mにも及ぶ。直線距離ではKLから50Km程度で、この一角はおよそ1700Mほどと聞いたが定かではない。正確な情報をお持ちの方はメール下さい。

 駐車場の中ほどからでは被写体が大きすぎて入らない状態だったが面倒なので適当な写真ですがご勘弁を・・・。ついでに写真がHighlands HotelとGenting Hotelどちらだったか判らなくなってしまったがHighlands Hotelだったと思います。駐車場から見たHighlands Hotel。

写真をご覧の通りでやっぱりこの辺のホテルの照明や外灯はマッ黄色のオンパレードですが、私が立っている駐車場の下は天井まで15階ほどあって、1階当たりでも200〜300台くらい(もっと大きいかも知れない)停められるスペースとなっている。大半の利用者が3つのホテル共通のカジノが目当てらしい。途中の道路も全てここに集まる人の為にあるのだが、かなりの台数が私たちと一緒にここへ上ってきた。週末にはもっと凄い数になるのではないだろうか?

先ほど通ってきた手前の駐車場も明るかったがもうじき12:00になると言うのに車と人の出入りが激しかったので、こちらの駐車場にタクシーを駐車してもらってあたりを歩いてみた。いつ降ったのか?そろとも撒いているのか??全体に湿っぽい状況で、所々水溜りになっている。長袖のシャツだけでは肌寒いくらいで気温はかなり低い。15℃程度なのではないだろうか。

駐車場には数箇所小さくて黄色い水銀灯があるが、僅かに小さな羽蟻のような虫や、蛾が飛んでいるだけだ。
こんな場所では、何も採れないかも知れない・・・。不安が過ぎる。さらに良く駐車場を眺めてみると左手に立体駐車場の階下の様子が見えた。白っぽい明かりが見える。蛍光灯のようだが行ってみることにした。「ちょっと探してみる」KENNYに伝えて先ほど別れたが、結構時間が掛かると思われるのでSIMAZU君に電話で呼び出してもらい、「駐車場を見てくるので暫く待っていて欲しい」と伝えて早速通路を下って見た。


(写真をマウスポイントしてみて下さい。)
写真は何階か降りていったところで撮影しているのですが、蛍光灯が古いところと新しい所とがあったりして汚れが激しい場所など明るさにもかなり落ちていて壁からの反射も各階での開きがあった。福島・新潟・山形でのオオクワガタの採集でも蛍光灯は確率が低いので疑心暗鬼しながらも床ばかり見て歩く。最上階を隅々まで見てみたが何も見つからなかった。

1階下った場所で端まで歩いていくとそこに綺麗な甲虫がひっくり返っていた。見覚えのある甲虫だった。取り上げてみるとやはりフェモラリスだ。
「やっぱりいるんだ〜。」
「綺麗だな、いいわこりゃ」と独り言をニ連発してから入れ物をタクシーの中に置いてきた事に気づいた。

東北での採集でも、入れ物を用意して歩くとオオクワに遭えないというジンクスで持って歩かない癖が付いてしまっているので、一度タクシーに戻ることにした。マレーシアで初めてゲットしたフェモラリス♀。

(写真をマウスポイントしてみて下さい)ショップで見ると当り前に安値で売られているフェモラリスだが自分の手で拾えるなんて本当に嬉しい。小泉さんじゃないけど思わず”感動した”。
SIMAZU君とKENNYに見せると
「ヘーいるんですね。」とSIMAZU君。
「こんなにちっちゃいのか??俺の田舎じゃもっとデカイのが取れるぞ」とKENNYが右手で大顎を作って見せる。
話によると彼の田舎はキャメロンハイランドの近くらしい。「明日、キャメロンへ行かないか?4時間もあれば着くぞ」と続ける。彼には3人の子供があり、長男がKENNYのお姉さんの住むkajanに預けてあり、田舎には2人の娘を残しての出稼ぎをしているらしく、娘に会いたいらしい。


(写真をマウスポイントしてみて下さい)
車から100円ショップで購入した二段になったピルケースに窮屈そうだが押し込んでさらに他の場所を探す。

数分後KENNYが後ろから「もう何もいやしないよ」と声を掛けてきた。返事に困って黙ったまま探しつづけた。すると今度は通路の隅っこに雨を集めて排水するために各階を繋ぐ雨樋があり、大雨の時のためにスペースを区切ってあるブロック状のコンクリートの上に小さなクワガタを発見した。
正体はライヒヒラタではないかと思う。
オオクワガタ同様に♀の背中にはクッキリとスジが入っている。思わず去年の福島での攻防が頭の中を過ぎって苦笑してしまった。ここはマレーシアだ。
やっと2匹目をゲットして辺りを見回すが、なかなかクワガタが見つからない。全身真っ黒な見たこともないセミが壁に留まっている。フラッシュで壁だけがクッキリ写ってしまったが実物も蛍光灯の下ではとても暗い色をしている。

(写真をマウスポイントしてみて下さい)
名前は現在のところ不明のセミ。














セミの名前はサッパリわからないが、他にも数種類のセミを見かけた。グリーンの身体に透明な羽根をつけたものや、日本のヒグラシを巨大化させたようなテイオウゼミなど、その大きさには正直驚かされた。
そうこうしている内に、時間は早くも1:40を回っていた。明日の仕事さえなければもっとここに居たいのだが、明朝は6:30には出発しなければならない。いろいろ考えるとドッと疲れが襲ってくる。そろそろタイムリミットか?SIMAZU君もあちこち探して歩いてくれたが、クワガタは追加できなかった。お互いに疲れもひどくなってきたのでやむなく駐車場を後にした。まだ、確認できていない階もあったが足が動かない上、息が切れてしまった。
タクシーに乗り込んでシートに身体を任せていると数分後には少しだけ元気が出てきたような気がした。

 

(写真をマウスポイントしてみて下さい)
テーマパークの傍はアーケードに蛍光灯が点いている。探しながら坂道を下っていくが、見つかったクワはライヒの♀の少し潰れた物とギデオンカブトだけだった。カブトは飼育スペースを圧迫するので、無視して置いて帰ることにする。
アーケードの切れ目まで下っていくと何の建物か不明だが左手に宿舎のような建物があったので周りを見回した。サビイロカブトやメンガタカブトのメスと思われたがフィルムも切れてしまったので車に戻ったが、ここは明日のことを考えつつ先を急ぐことにした。
タクシーに戻ってフィルムを入れ替えると、すぐ先にアンタエウスそっくりのメスが落ちていた。表はとても似ているがひっくり返すと足のあたりが赤い。スペキオスシカのメスだった。朝方になってからこの辺を探したら、きっと他にも見つかりそうなポイントの一つだ。ここを下ると、ガソリンスタンドが左手にあり、その先にスカイウェイ乗り口がある。
スカイウェイの回りも蛍光灯が多いが今日のところは止めておこう。


この夜最後に見たポイントは、何だったのか?ホテルの看板だったのだろうか?写真だけ撮ったものの、懐中電灯を手にクワガタだけを探していて、看板の正体を掴んでいなかった。
ここではサビクワガタの仲間を捕まえたが、正体が良く分からなかった。小さすぎて私のカメラではよく写らなかった。まるでコメツキムシのような感じで取り上げると身体を硬直させて全く身動きしない。名刺を取り出して上に乗せた状態で写真を撮ったがピントが十分に合っていない。
何故ピンぼけの写真が多いのかと不思議に思った方も居るかもしれませんが、恥ずかしいので詳しくは言えません。(写真をマウスポイントしてみて下さい)

 

車中から撮った料金所ゲート?
KENNYのタクシーはゲートを通過してどんどんと加速していく。彼の話ではタクシーは原則的に乗り入れ禁止になっているらしい。営業エリアの問題なのか全て禁止なのかは辞書も持っていなかったので、よく解らなかった。英語やマレー語が得意な方は行ったときに聞いてみてください。タクシーだけがこのゲートで係りの人にお金を渡して通過して行く。賄賂みたいなものか・・・?。よく見ていなかったが10RMくらい渡していたように見えた。
高速ではタクシーが優遇されているので1.5RM程度だったと思うので、10RMはそうとうに高い気がするが・・・。
酔っ払いの記憶はあまりあてにならない。
写真はこの日もその後も撮っていないが、高速に戻ると、急な下りカーブにはレーンが確認しやすいように路面に4列の電球が埋め込まれていた。まるで滑走路を走っているかのようだった。

ホテルの椅子の上で・・・(^^;)爆。
KENNYに250RMを支払ってSIMAZU君とホテルにフラフラしながらもっどって行き、ロビーに7:00前の約束をして其々の部屋に戻った。SIMAZU君本当にご苦労様でした。

部屋に戻って、またまたひどい写真を撮ってしまった。もうちょっと離れて撮るべきだった・・・。しかしこの事に気づいたのは日本に戻って現像後のことなので当時は全く気がついていなかった。

とりあえず、今日の内容をメモにして3:50就寝。
明日?今日は仕事だ!!頑張らねば。思ったよりも苦戦だったものの充実感いっぱいでベッドに倒れこんだ。


kenkenpaへのメールメールなど頂けると嬉しいです。



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