オカリーナ作りの( ̄ー ̄)むふふ

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| 私自身が楽しまないとHPも続けられない…ので、時には公開しなくても良いページも作ります。
ここでは、私がオカリーナを作る上での記録や、その作品や演奏に託す思いなどを綴ります。

※作り方は、それぞれに好きなように行うべきで、この作り方を発信する意図は御座いません。
オカリーナでも何でも、自作は やっぱり楽しいね!という、周囲に同意を求めていると思われる?
ページですので、参考に されるのは構いませんが、制作は各自の責任にて お願い致します。
★オカリーナの作り方を学びたい方は、Linkページにあるフルート オカリーナ館を 参考にされることを強く推奨いたします。


私のオカリーナ作りの改革
これは2001/6/18 仕上げの(音が綺麗なので)最も 頻繁に吹くオカリーナを作った時の模様です。

高校3年の春に、当時お世話になっていた(今も お世話になっている!)美術と化学の先生からの
触発?!によりチャレンジが始まったオカリーナ作りは、1992年頃には今も使っている笛を作るなど、
自分に向けた、それなりに良く鳴るし、音色も悪くない?作品を作ってきた…。でも、暫くブランクが
空き、思い立って1999年に久々に作品を作った。しかし、音痴なのは今まで通りながら、なにしろ
音が乱暴で品が無く、雑音が多い、今までより悪いと思えるものに成った。

その後まもなく、インターネットに依り「フルート オカリーナ館」なるサイトに出会い、数々の衝撃を
受けることに成った。2000年11月に、大阪で開催された「吹き方講習会」に出向き、そこで楽器を
購入。ホンの少しながら、生で吹き方の手解きも受けた。先生とサイト、そして楽器から学ぶ事は
多く、今までのオカリーナ作りのアレコレも、大きく塗り替えられるコトと成った。
参考>「成る」「有る」「あはは」「〜のです。」「〜なのです。」などを 繁用するのも、フルート オカリーナ館の影響か…!?(^^;あはは

 1999年から、約二年ぶりに粘土を使う時がキタ…。
 2年前にズズイと粘土を掴み取った跡が有り 其の
 指跡には、コケ(カビ?!)も生えている…。
 それとは別の場所から適当な量を、石切り感覚で
 ヘラを使って切り出した。コノ粘土片が楽器と成る。
 参考>長期保管により、粘土は乾燥気味で、やや固くなっている。
 簡易な紐練りでの空気抜き&均質化も そこそこに、
 手捻りでいきなり胴体の空洞部を成型し始めた。
 くり抜くのは手間だし、時間が掛かるし、くり抜いた
 粘土屑は ホコリを含むなどの懸念で、出来るだけ
 増やしたく無い…。胴体が開いているうちに、歌口
 裏側も成型し、仕上げておく…。
 吹き口(ベッコと云われることも?)の角度がチョット気に入らなかったので、
 切れ目を入れて、強引に曲げた。ホントにイイ加減だ…(^へ^;ゞう〜ん

 作業は、もちろん一箇所に集中しないで、各所の気に成った部分は気の
 向くままに修正している。凹凸を修正したり、全体の歪みを強引に変形
 させて修正(?!)したり。
かなりタブーの連続。
 紐作りの要領で、少しずつ胴体を継ぎ足していく。
 土蜂が、徳利型の巣を作るのに似ている…?!
 もう直ぐ胴体を閉じるという所で閉じる側の部品も
 作り、接合面の形を合わせ、溶き粘土で接着する。
 これでもう ずっと内側に触れることは無くなった…。
 こうして継ぎ目は ごく一部だけの胴体が出来た…。
 ちょっと工程が飛んだが、表面の粗仕上げも済み、歌口の微成型も終え、
 調律に入る。もちろん トーンホールは最低音から孔け、下の「ラ」→「シ」
 への(音程の)上がり具合から吟味?を始めるが、最低音が高い!!という、
 容積のミスに気がつき急遽、歌口を埋め立てて狭め、音程を下げた。
 それでも下がる量には限りが有り、最低音は十分に下がらなかった。
 従って最低音は諦め、次の「シ」から正確な音程の上がりを求めて調律。

歌口は、埋め立てに拠り面積が狭まり、低音は頼りない、飽和した感じの?!音に成った。それでも
最高の出力を得ようと 歌口のエッジの形状を工夫しているので、上の「シ」あたりにエネルギーが
集中した。最高音は、吹きかた次第で細くも、それなりに力強くも吹けるようだ。 

 エアーウエイは やや上向き気味…まあ良い(~~;ゞ
 しかし、いつ見ても半乾き粘土の質感は魅惑だ。
 この輝きと手触り(笑)が ず〜っと留まれば非常に
 嬉しいのだが…。
 参考>もちろん徹夜で調律。キーボードを使用し、愚劣な方法?で。
 完全に乾燥してしまうと、半乾きのアノ麗しさは無くなってしまう…(ー_ー;)
 でも、スベスベの 手触りは健在で、毎日のように触っては 独りニンマリし、
 たまには音も出してみる。( ̄ー ̄)にひひん
 低音の鳴りは不満も有るが、ごく弱い息でも気流の乱れは起こらず 音は
 崩れない。高音は軽やかに伸び、堅さは無い。ある程度は強く吹くのにも
 耐え、音の綺麗さは保たれた。演奏に使えるか…?は未知数でも、これは
コレで一つの事例として悪くないかも…(^-^;と思う、試作品1号が、いよいよ焼成と相成った。
 そして[高知オカリナの会]例会の帰り、知りあいの
 方に焼成を託し、更に「やけるんだ」に依る黒陶の
 仕上げまで行って下さった。本当に感謝 致します。
 試奏したいとイラレて、まだ燃えている燃焼材から
 まるで焼き芋のように掻き出し、冷ました。。(笑)
 参考>他の2本は、焼成して下さった知り合いのMさんの作品です。
 まだ かなり熱いのに、嬉しくて待てない?ものだから、アッチョッチョ…!と
 手の上でも冷ます。熱いうちに早くガブッと一口かぶりつきたかった(誤)
 また、モノは試しと 熱いうちに吹いてみた。すると、恐ろしく音程が高い!
 半音とかのレベルではない。これは失敗したかも…?と、本気で焦った。
 でも、冷めてくると普通に鳴った。ヨカッタ。制作は楽しい!あははははー
 参考>「やけるんだ」での黒陶仕上げは、磨くと光沢が出てきて美しく成る。欠点は焦げ臭いこと?
 帰りは、仁淀川の堤防に降りて、川面や夕空を眺めながら試奏してみた。
 最初は細く響かないかと思っていたが、思いのほか通る音で意外だった。
 この仁淀川下流から、遠くで雲を抱く四国の山並みを見るのが私は好き。
 薄暗がりの雲を抱きし遥かな高みに、また思い馳せる…。あの雲の中は、
 清冽な冷気で満ちている…。ああ、また行きたいぃ………っ!!
 参考>画像は、堤防 越しの夕空ですので山は見えません。★この笛の奏音はこちら(434KB)に。

自作オカリーナの流行?を見て思う
オカリナ・オカリーナそのものの取っ付き易さに加え、インターネットの普及によって、オカリーナを
自作されている方も増えているようですが、私は少し云いたいことが有る…。といっても、作り方の
アレコレや、吹き方のアレコレ他では在りません。粘土の取り扱いや、焼成への感覚のことです。

制作を される方は、ただ粘土の質とか値段とか、入手の難易度などだけ考えて購入されていると
思いますが、その粘土の生い立ちなんかに思いを馳せる方は、どれだけ居らっしゃるでしょうか。

粘土も元は溶岩が固まった岩石であり、流水による侵食などで 其れが崩れ砕け、河川に流入…。
流れるうちに更に細かくなり、その中でも 最も粒子が細かい部分が海の遥か沖まで流され、永い
年月の間に少しずつ海に積もる…。やがて其の場所が隆起し、人間の手に届くようになった…。
粘土は、その粒子の一つ一つが、そうした それまでの歴史を抱いていることに成ります。

その歴史の永さたるや、何億年の単位でしょう。もちろん それは粘土だけでなく、道端の石ころも
そうだし、あの山も、あの大地も、私たちが知らない幾多のドラマ、歴史を抱いています。

何が云いたいのか? それは、その抱かれし歴史を感じ、畏敬の念の一つも抱いてほしい…と
云うことです。つまり、作品を作る際には、ただ安いからといって、粘土なども蔑ろにせず、僅かな
量まで愛情を持って接し、仮に失敗作が出来ても、安易に不燃ゴミとして棄てたり、適当に埋める
などするのは、果たして我々の粘土に対する姿勢として適当か…?!と、いちど考えてみてほしいの
でした。

焼成についても同じです。焼成してしまえば、粘土は半ば石に成り、元の姿とは違ってしまいます。
実際問題まず人の手で其れを元に戻すことは出来ないでしょう。もう粘土には還らないのです。
その歴史を決定的に変え、元に戻せなくする作業なので、安易な気持ちで 取り組んでほしくない。

私は、粘土が抱いている歴史を感じ、手についた僅かな粘土さえ 手を洗って川に流すこと自体も
できるなら防ぎたいと思っています。その粘土の在りし処とは異なった場所に棄てる場合は、元々
在った場所に戻れる可能性が無くなり、流された河川には 存在し得ない粘土が混入すると思うと
どうにも面白くないのです。此れは粘土に限らず、日常の中に見られる土砂や砂利、小石や砂粒
なども同じで、その歴史を薄っぺらで幼稚な人間の手で掻き乱したく無い…。そんな風に思う
私は、やっぱり感覚が人とズレているのかなぁ…(ー_ー;)

窯業や陶芸などで消費される粘土に比べれば オカリーナに使われる粘土は僅かなもので、何か
云いたいのなら、先に そちらに云うべき…でしょう。でも特に、様々な思いを乗せた曲を演奏する
オカリーナ(楽器)を作る人たちには、そうした心得…というか感覚も、時に必要だと思えるのです。


オカリーナ本体に夢を詰め込むトランクを設置!!
オカリーナ作りの改革は、たった一本を作っただけで成し遂げられる筈ありません。先の 2001年
6月18日の作品は、音色は綺麗なものの、低音域を強く吹こうとすると、飽和した感じで腰が無い
ゆるい音が出る傾向であり、仮に最低音がシッカリ下がっていても この音の傾向なら使えないし、
息を吹き込む際の抵抗感が軽すぎて 心臓の脈まで音に乗ることがある…。調律も、上の「シ」が
やや低いなど、完全ではないので、それらの欠点を改善した試作2号を求めました。

その第2号には、以前(1999年)に作った、収納トランク(ハッチ付き)を設けよう…と、企てました。
単に楽器としての機能を追及しただけでは面白くない?ので、オカリーナにも夢を。。という訳です。
作る工程は、たぶん前回と同じく ビデオに撮っている筈ですが、それを探すのは時間が掛かるし
作り方は同じようなもの?なので省きます。

 これが、2001/9/16 仕上げの、求改革?の第2号作品です。
 特徴は、何と云っても「収納トランク」の強引な設置?で、仮の
 厚紙製の開閉ハッチを附けてあります。(鉄板製に換えたい)
 この画像では、厚手のビニール袋を 火で炙って作った 極小
 植木鉢?に植物を植え、ガーデニング(誤)してみた一例です。
 参考>手前の小さいのは高3の時に作ったミニオカで、構造はフルサイズと同じ。

 トランクの容積は、ご覧いただいたように極小で、10円一口
 チョコの2/3と云った容積です。1999年作に設けたトランクは
 もっと大容量です。しかし 胴体内側に生じたヒビが、トランク
 内面にまで及び、音に影響(上の「ファ」は出るのに上の「シ」
 付近は出ない。即ち、特定の帯域が減衰するという難解な
 症状)が出たため止む無くボンドで補修したし、そもそも音が
 掠れて悪く、トーンホールも大き過ぎて マトモに吹けないなど、
 完全な失敗作となり、トランクを楽しむ為のオブジェ?と化して
 います。

 その笛のトランクのハッチは何と陶製!ですが、その画像は
楽しみのための、イロイロな土笛などを載せるコーナーに、ミニオカともども紹介しましょう。

 で、この笛の楽器としての性能は、低音域が飽和してユルイという問題は
 解決できたものの、結果的に大味な感じのフツーの音?!と成り、逆に面白
 みは薄れました。また、最高音の粘りや伸びは、1号に及びません。

 また、アンダー気味の調律とした割には、最高音はオーバーとなり、上の
「ミ」「ファ」のホールは、不乾燥性の粘土パテなどで狭めたい所です。

 そして表面の仕上げと焼成ですが、ゴリゴリと磨き過ぎたため、ヒビが
 深く入り、一部は 表面にまで到達してしまった上に、焼成温度が高め
 だった関係か、光沢もイマイチ。黒陶でも無いので薄汚れた感じです。
 まあ…仕上げは何でも良いとしても、微妙に息の抵抗感が悪くて吹き
 難いので、あまり手に取ろうとしない?!作品と成っています。(^〜^;ゞ

参考>上列左から、試作C管2号。C管1号。おがわオカリーナC管。下列左から、試作ソプラノG管1号。ソプラノC管1号。その
手前は、頻繁に使う道具で、屋根葺き用の鉄板も加工して、穴あけや削り用の道具に。(撮った角度の関係で奥は小さく見える)

試作品3号は、2002年3月13日に仕上げたが、容積を外して半音高いC♯と成った上に、未焼成
であるため、随所の創意工夫が熱い作品?ながら、またの機会に載せたいと思います。m(_"_;m


オカリーナの音は、自然とは異なるのだが…
 何故、私がオカリーナの音を好み 其れを用いて
 いるのか、時々解からなくなることが有る。

 このピーパーという音に、汚れを知らない渓水や、
 清冽な冷気に満ちた山稜などの輝き・尊さという
 重大な想いを、なぜ託せるのか…?が。

 でも、一晩寝れば そんなコトも忘れ、元に戻って
 いる?!イチイチ何かを考え巡らせないほうが良い
 かも知れません。(~へ~;ゞ

 とにかく無心に。こんな渓流の緑を想い、水霧の

平家の滝(上段)の、滝壷近く

 幻想を求めて曲を吹く…。その自然には全く遠く
 及ばない、ぜんぜん違うけど、吹く…。

 他人から見れば、哀れな、難儀な話しでしょう。
 でも、ひたすら想いを一つに、吹く…しかない。

参考>左二つは高知県
鏡川水系「平家の滝」。
右は、愛媛県の面河
(おもご)渓の渓流緑葉。


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