スーパーヘテロダイン方式7MHz帯SSB受信機(AMラジオ用IC(LA1600)使用

アイテック電子研究所の受信機キットの回路を参考にして、JARL群馬県支部の製作講習会用に低価格版でアレンジしてみました。
このままでも7MHz帯の受信機としてバンドのワッチが出来ます。(メーカーのトランシーバーの性能には及びませんが!)
またお好みのケースに入れたり又は減速ダイアルにしてAM/SSBの切り替えSWを追加し短波放送帯を受信したり、製作講習の後も楽しめます。



T.外観図



U.部品実装図
   


V.部品表

品名 規格 数量 記号
PCB *2 回路基板 1
IC(SIP) LA1600 1 IC1
IC(DIP) LM386 1 IC2
Q 2SK439 3 Q1 Q2 Q3
ANT端子 RCA 1 ANT
C 0.001u 3 C19 C21 C31
C 0.01u 8 C2 C4 C5 C15 C17 C18 C25 C28
C 0.022u 2 C6 C7
C 0.1u 3 C8 C24 C32
C(C10Chip) 100p 3 C1 C10 C11
C(Chip) 10p 4 C9 C14 C22 C23
C(Chip) 220p 2 C12 C13
C(Chip) 470p 1 C20
電解C 100u 1 C30
電解C 10u 2 C3 C27
電解C 220u 4 C16 C26 C29 C33
ポリバリコン 20pX2 1 SVC
半固定C 50p 2 TC1 VC1
10S07 7MHz 1 T1
IFT 455KHz 1 T2
L(RFC) 10uH 1 L2
L(OSC) *1 7MHz 1 L1
Diode 1S953 1 D1
LED (RED) 1 LED
R 100 1 R12
R 100K 3 R6 R10 R16
R 10K 1 R14
R 15 1 R13
R 1K 4 R1 R4 R5 R7
R 220 2 R2 R9
R 4.7K 2 R3 R8
R 470 1 R11
R 10 1 R15
Switch トグルSW 1 SW
ボリューム 50K 1 VR1
半固定VR 10k 1 VR2
CSB456E 456KHz 1 X1
CFUM455E 455KHz
BW=6KHz(6dB)
1 F1
SP 8ohm 1
つまみ 2
スタッド 15mm 4
ねじ M3*6なべ 4
ナット M3 4
フレーム アルミL型 1
ゴム足 粘着式 4

*1・L(OSC)はφ8oの空芯ボビンにφ0.3から0.4oのエナメル線を20回密巻きです。

*2・回路図(PDF形式)はこちら 基板パターン図(半田面透視図)(PDF形式)はこちらにあります。  


W.スーパーヘテロダイン方式7MHz帯SSB受信機組み立て要領

先ず始めに
この受信機は、シャーシーの機械加工,組み立て、機構部品の取り付け及び表面実装部品の半田付けは完成しているものです。
したがって回路基板へ表面実装部品以外の部品を半田で実装し回路を構成したものをシャーシーへ取り付け、別の調整要領で調整して完成します。

1.回路基板(PCB)へ部品の実装をします。
部品実装は基本的に背の低い順に実装して行きます。

1−1最初はR2を付けてみます。
半田付けも終わったらニッパーであまったリードを切断します。このときあまったリードを手でつかみ飛ばないようにしてください。(あとでジャンパー線の材料にします)

1−2コンデンサー(C)の実装半田付けをします。
ジャンパー線のリード線が確保できましたら、早い時期にJ1からJ5も実装半田付けをします。

1−3集積回路IC(IC1.IC2)の実装半田付けをします。
ICの向きに注意して実装してください。(1ピンにマークがあります)

1−4半固定コンデンサ(TC1,VC1)を実装します。
電気的にに向きはありませんが、丸い方の電極がアース側ですと調整がしやすいです。

1−5半固定ボリューム(VR2)の実装半田付けをします。
部品が浮かないよう注意して実装半田付けをします。

1−6スピーカ端子(SP&G)に2Pのピン端子を実装半田付けをします。
今回は、ピンの長いほうを基板に刺して半田付けです。

1−7抵抗(R)の実装半田付けをします。
ここでは先に実装したR2以外の抵抗器を立てて(片側のリードを根元からU字型に折り曲げて)実装します。
折り曲げたリードが他の部品に当たらぬよう向きを考えて実装してください。

1−8ダイオード(Diode)の実装半田付けをします。
アノード側をU字型に折り曲げて上記の抵抗と同じように(極性がありますので注意!)実装半田付けをします。

1−9FET (Q)の実装半田付けをします。
この部品も向きがありますので、実装図の平らな面(捺印面)が同じになるよう実装半田付けをします。

1−10コイル(L2_10uH)、発振子(X1_CSB456E)、フィルター(FL_CFUM455E)を実装半田付けします。
FLはリードのピッチが変則です、実装に注意してください。
他の部品は普通に実装できます、向きもありません。

1−11発光ダイオード(LED)の実装半田付けをします。
リード線の長いほうがアノード(+側)です、向きに気をつけて実装半田付けします。

1−12アンテナコイル_T1(FCZ7)、IFT_T2(A293AD)、発振コイル_L1(空芯コイル)を実装半田付けします。
リードが2Pと3Pで非対称です、間違わないように挿入します。また部品が浮かないよう注意してください。

1−13電解コンデンサの実装半田付けをします。
向きがあります、長いリード線がプラス側です。またマイナス側には本体にネガティブマークがあります。
これで部品の半田付けは終わりました。

2.外観を診て不良箇所を手直しします。

2−1部品の実装位置、向き、未実装、品名の相違、破損などを調べます。

2−2半田面では半田付けの状態を半田の着き具合、半田ショート、ルーズ半田、未半田など確認修正します。

3.シャーシーへ取り付けます。

3−1アンテナ(RCAコネクタ)からの配線を基板上の( ANT&G )へ半田付けします。
RCAコネクタの黄色(芯)をANTへ、青色(外側)をGへ、各々に配線してある電線で半田付けします。

3−2バリコン(SVC)の配線を基板上のSVCへ赤色、Gへ茶色の電線で半田付けします。

3−3ボリューム(VR1)の配線を基板上の1へ青色、2へ黄色、3へ赤の電線で半田付けします。

3−4電源スイッチ(SW)からの赤色の電線を基板上のBT+へ、電池ケースからの黒色の電線を基板上のGNDへ配線半田付けします。

これらの配線は適当な長さにしてありますので、切詰めないようにしてください。

4.実装済み基板をシャーシーへφ3mmのナット4個で取り付けます。
取付が出来ましたらスピーカーからの配線を基板上のSP&Gのピンへ差し込みます。

5.完成
シャーシーの保護に張ってある青いシートをはがし底面の四隅にゴム足を張って完成です。
電池を入れて(極性に注意)みてスイッチをON、LEDが赤く点きますか?点かないときはスイッチを切って基板を含む電源廻りを確認、またボリュームを右に回していくと”サー”とノイズが出れば一安心何も聞こえないときは、すぐにスイッチを切ってまた外観などのチェックをしてみてください。

以上うまくいったら次は調整です。(一休み!)


X 受信機の調整


1.受信感度の大まかな調整
   (T1,T2,VR2)

1−1 電源SWを入れ、ボリウムつまみを最大(右いっぱい)に回します。
1−2 VR2は最小(左いっぱい)に回します。
1−3 アンテナ端子に数mのビニル電線をつなぎます。
1−4 スピーカーから“サー”という音が聞こえていますね。そうしたら、スピーカーの音をよく聞きながらT2の黒いコアをドライバーでゆっくり左右に回してみましょう。“サー”という音が最大になったところで止めておきます。
1−5 次にT1も同 じように“サー”音を聞きながらゆっくり左右に回してみましょう。“サー”音が最大になるところで止めます。
     注意:T1,T2のコア(黒い部分)は割れやすいので優しく回しましょう!

2.受信周波数の調整
(バリコン、VC1,TC1)
標準信号発生器(以下SGと省略します)をアンテナ端子に接続します。

2−1上限の調整
SGの周波数を7.100MHzにします。
バリコンを右いっぱいに回します。
−ドライバーでVC1をゆっくり回し、SGの信号(1KHzでAM変調されています)が聞こえる様にします。
2−2 下限の調整
SGの周波数を7.000MHzにします。
バリコンを左いっぱいに回します。
−ドライバーでTC1をゆっくり回し、SGの信号が聞こえる様にします。

上記2−1と2−2を交互に6〜7回繰り返すことで受信周波数を7.000〜7.100MHzに調整することができます。

3.受信感度の再調整
(T1,T2)
SGをアンテナ端子に接続します。(実際の交信を受信できる場合は長め(数m以上)の電線をアンテナ端子につなぎます)

3−1 SGの周波数を7.05MHzにします。(アマチュア無線の実際の交信を受信できれば、その信号でも調整できます。ただし、まだBFOの調整をしていませんから、SSBのモガモガ音しか聞こえません)
3−2 ボリウムは右いっぱいに回しておきます。
3−3 バリコンを回してSGの信号を受信します。
3−4 スピーカーの音が最大になるようにT1,13) T2のコアをゆっくり左右に回します。

以上で受信感度は最大になります。

4.BFOの調整
  (VR2)
アンテナまたは長め(数m〜10m位)のビニル線をアンテナ端子に接続します。

4−1 バリコンをゆっくり回して実際の交信(モガモガ)を受信します。
4−2 VR2をゆっくり時計方向に回していくと、モガモガがきれいに聞き取れる様になります。
注意:このとき、VR2は受信音が最大(感度最大)のところより少し右のところで止めましょう。感度最大のところでは、強い信号の時にきれいに聞こえません。
また、右に回しすぎると感度が落ちてしまい、弱い信号が受信できなくなります。

以上で調整は終わりです。受信周波数をさらに精度良く調整するためには周波数カウンタを
用意し、C4のIC1側端子にカウンタを接続して調整します。そのときカウンタの表示は
目的の受信周波数より上限、下限ともに455KHz高くなるように調整します。