扇ガ谷

扇ガ谷は鎌倉の地名の一つで、古くは戦略拠点でした。
外敵を防ぐための切通しが2カ所あり、鎌倉の守りの要として重要な場所の一つでした。
切通しは、山ノ内とを結ぶ亀ヶ谷坂切通しと、藤沢とを結ぶ化粧坂切通しで、今も現存しています。
ちなみに、扇ガ谷の読み方は「おうぎがやつ」と読みます。鎌倉では「谷」を「やつ」と少し変わった読み方をします。
扇ガ谷には源氏山があるほか、寿福寺や薬王寺などの寺院があります。
なお、源氏山公園は別項で説明してあるので、そちらをご覧になって下さい。

寿福寺総門

鎌倉駅西口から信号のある交差点まで出てから扇ガ谷方面(北の方)に歩くと、左手の方に見えてくるのがこの寿福寺です。
正確には亀谷山金剛寿福禅寺といいます。北条政子が夫の源頼朝を供養するために建てたとされる寺です。
境内の裏手には北条政子や源実朝の墓とされるやぐらもあります。

寿福寺境内

続いて山門から撮った境内の写真です。寿福寺は境内が非公開で、中に入ることは出来ません。
センプレには、この境内の右側に鐘楼を付けた背景イラストが出てきます。ご参考までに。

薬王寺

次は薬王寺です。亀ヶ谷切通しを南に下ったところにある寺です。

薬王寺境内

薬王寺の境内です。本堂の前にある石の塔は、徳川秀忠の子で、所領没収された上に28歳で自刃した忠長の供養塔です。

薬王寺参道

普通の人にとってのこの寺の見所はやはりこの桜並木ではないでしょうか?
境内までの参道で、この桜並木を見ることが出来ます。

海蔵寺山門

最後は海蔵寺です。海蔵寺には本堂裏の庭園の湧き水をたたえた心字池、山門脇の低脱の井、薬師堂裏の十六の井があり、水の寺として知られています。
十六の井は、16ある穴に水が湧き、枯れることはありません。
誰が何のために作ったのか、詳しいことはわかっていないそうです。

海蔵寺駐車場

おまけで、海蔵寺の駐車場の写真です。
謎の穴蔵があったので撮ってみました。何の穴蔵でしょうね?

岩船地蔵堂

おまけその2で、岩船地蔵堂です。一応海蔵寺の所属(彼岸の時期に供養を行っているそうです。)なのでここに含めます。
源頼朝の娘の大姫の守り本尊といわれる地蔵菩薩が祀られています。
大姫は木曽義仲の息子、義高のもとに嫁いだが、後に頼朝と義仲の関係が悪化し、義高は殺されてしまいました。
で、義高の死を嘆いた大姫は病に犯され、20歳の若さでこの世を去った、という悲話が残っています。
場所は海蔵寺よりは薬王寺に近く、すぐそばをJR横須賀線が通っています。

横須賀線ミニ高架

おまけその3で、横須賀線です。近くに上記の岩船地蔵堂があります。
鎌倉駅と北鎌倉駅とのちょうど真ん中辺りです。
この高架の詳しい歴史などは知りませんが、横須賀線の資料を見てみるとこうあります。
大船−横須賀間が明治22年6月16日に開通し、大正13年12月25日に複線化、とあります。
仮に複線化の時に敷設しなおしたとしても、この高架は大正13年以前のものである可能性があるわけですね。


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