「平和(ピンフ)」と「七対子(チートイツ)」は、
よく出るんだけど、点数計算がちょっと特殊。
この二つはそのまんま覚えよう。
特殊とは言ってもほんとにしょっちゅう使うから、
無理に覚えなくても、いつの間にか覚えちゃうんだけどね。
●ピンフの場合
そもそもピンフってどんな役なんだろうか。
最初はおそらく、
「『シュンツ4つ+役牌以外の雀頭』の形で、両面待ちのメンゼンであがる」
っていうふうに教えられただろうけど、これってどういう意味なんだろう。
ここまで読んできてればピーンときたはず。
そう、「符が何もつかない役」というのがピンフなんです。
点数計算を知ってはじめて、なんでピンフが役になるのか分かるようになるんです。
ピンフの扱い方には、東京地方(および東風荘)の標準ルールと、
その他地域での一般ルールがあります。
(この「標準・一般」っていう呼び方はここで私が勝手に付けたもので、
一般的なものではありません)
先ずは標準ルール。
「ツモなら20符、ロンなら30符」
20,30符の点数表で、ピンフの計算の時実際に使うのはここだけ。
| | | | 1飜 | 2飜 | 3飜 | 4飜 | 5飜 |
ピンフ・ツモ 20符
| 子 親 | --- | 400 | 700 | 1300 | 2600 | 5200 | 満貫 |
ピンフ・ロン 30符
| 子 | --- | --- | 1000 | 2000 | 3900 | 7700 | 満貫 |
親 | --- | --- | 1500 | 2900 | 5800 | 11600 | 満貫 |
ピンフ・ツモ(20符2飜〜)で、子なら400,700,1300...、親なら700,1300,2600,...
ピンフ・ロン(30符1飜〜)で、子なら1000,2000,3900...、親なら1500,2900,5800...
と、スラスラ〜〜〜っと出てくるようにしましょう。
ここで注意することは、
「ピンフ・ツモ+2飜」は20符4飜(子1300,2600、親2600オール)で、
満貫にならないってこと。
「ピンフ・ツモ+3飜」(計5飜)ではじめて満貫になる。
「ピンフ・ツモ+4飜」(計6飜)ならハネ満です。
ここで「なんだ、普通じゃん」と思ったら・・・二,三歩目を読み直しましょう。
おかしいよね?
ピンフっていうのはそもそも「符がつかないメンゼン役」のことです。
「ロンで30符」は、符がつかないんだから、副底30符ってことでいい。
でも、なんで「ツモで20符」なんだ?
「ツモ」は2符つくはずだろ!
副底(20)+ツモ(2)=22→30符じゃないのか?
それ以前に、ツモの2符がついたら、
「符がつかない役」にならないんじゃないのか??
・・・そのとーり。
ここで、東京中心の標準ルールと、その他地域の一般ルールとの違いが出ます。
○標準ルール(ツモピン有り)
ピンフの時だけツモの2符はつけない。(ツモとピンフが両立する)
→ ピンフ・ツモは20符2飜(子400,700、親700オール)
○一般ルール(ツモピン無し)
ツモなら「ピンフ」という役はなし。(ツモとピンフが両立しない)
→ ピンフをツモったら、メンゼンツモだけの30符1飜(子300,500、親500オール)
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標準ルールに比べて一般ルールの方が、ツモの時の点数が低くなる。
1飜で見るとそれほど違わないようだけど、満貫以上になってくるとかなり違う。
標準ルールなら「ピンフ・ツモ+4飜」でハネ満なのに、
一般ルールでは「ピンフ」が消えるから、「ツモ+5飜」でやっとハネ満になる。
それはいやなんで、標準ルールではピンフとツモが共存できるように、
特例扱いをしているんです。
実際のルール確認の時は、「標準」とか「一般」とか言わないで、
「ツモ・ピンフ(ツモピン或いはピンヅモ)有り/無し」と言います。
そんじゃ「ピンフの形で鳴いてロンしたらどうなるんだ?」と思ったあなた、
するどい!
そもそも「ピンフ」はメンゼンじゃなきゃダメなんだけど、
「クイタン有り(鳴いてもタンヤオがつく)」のルールだと、
タンヤオになってればピンフの形で鳴いてあがれちゃう。
「後付け有り」のルールなら(「後付け」については後述)、
片あがりの三色・一通・ジュンチャン・チャンタなんかもありうる。
タンヤオの場合を例に、いくらになるか考えてみよう。
ツモなら、これはピンフじゃなくてタンヤオなんだから、普通に2符をつけて30符。
ロンだと、形はピンフだから副底20符だけ・・・?
これでドラも何もないと20符1飜700点ってことに。
これはこれで気持ち悪いんで、また特殊扱いで30符1飜にすることになってます。
こうしておけば、ピンフの形でロンすればいつでも30符でいいことになる。
ただし、ローカルルールによっては、20符1飜のまま計算することもある。
さらには、鳴いてもピンフが消えない「喰いピンフ有り」というものもあるらしい。
「20符の親:1000,2000,3900...」の点数が必要になるのは、
こうしたルールの時だけで、通常は使いません。
クイタン無し、後付け無しならこういうことも考えなくていいんだけど。
「ツモピン」と「クイタン」に関するルールは連動してることが多く、
○東京中心の標準ルールでは「ツモピン有り、クイタン有り」
(「後付け有り」と併せて「アリアリ」ということが多い)
○その他地域の一般ルールでは、このへん「後付け」までまとめて全部無し
(上の「アリアリ」に対して「ナシナシ」といいます。
「後付け無し」は、逆に「完全先付け」ともいいます。
詳細はこちら。)
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となってます。
東風荘の4人打ちは変則ルールで、
「ツモピン有り、クイタン無し、後付け有り」となってます。
(ただし、3人打ちはクイタン有り)
ちなみに、一歩目のシンプルルールでは、
「ツモピン無し、クイタン無し、完全先付け」でした。
概して、
「ツモピン有り」は、ピンフが有利なルール、
「クイタン有り」は、早あがりが有利なルール、
「後付け有り」は、喰い仕掛けが有利なルール、
となります。
●チートイツの場合
チートイツは唯一、「4面子1雀頭」になってない特殊な役。
(国士無双もそうだけど、あれは点数計算関係ないからね・・)
そもそも中国オリジナルルールにはこんな役はなくて、
アメリカでできたものだそうな。
("Seven Pairs"とかいうらしい。「7」が好きなんだねぇ。)
だから点数も特殊で「25符2飜」。
25符なら切り上げて30符2飜かというと、そうはいかない。
(一歩目のシンプルルールだとそうなるんだけど。)
満貫に届かないときは、「50符1飜」で数えることになってます。
(なんでそんなことしていいのかは、二歩目のおまけ参照)
さらに、副底っていうのは「4面子1雀頭」の形に対して与えられるものなんで、
チートイツには副底は関係なし。
だから、ツモでもロンでもこの50符で計算すればいいんです。
| | | | チートイ のみ | +1飜 | +2飜 | +3飜 | +4飜 |
50符 | | | | 1飜 | 2飜 | 3飜 | 4飜 | 5飜 |
子 | --- | 800 | 1600 | 3200 | 6400 | 満貫 | ハネ満 |
親 | --- | --- | 2400 | 4800 | 9600 | 満貫 | ハネ満 |
チートイ・ツモ(50符2飜〜)なら800,1600,3200...、親なら1600,3200...
チートイ・ロン(50符1飜〜)なら1600,3200,6400...、親なら2400,4800,9600...
と、これもスラスラ〜〜〜〜っと出てくるようにしましょう。
ここで注意することは、「50符1飜」として計算するから、
「チートイ+2飜(例えばドラドラ)」では50符3飜(6400,9600)で、
満貫にならないってこと。
「チートイ+3飜(例えばリーチ・ドラドラ)」ではじめて満貫になる。
「チートイ+4飜(例えばリーチ・ツモ・ドラドラ)」は、
計算だけなら50符5飜なんだけど、
もともとチートイは2飜役なんで、ハネ満(6飜)とします。
このへんの扱い方は、「ピンフ・ツモ」とちょっと似てるかも。
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