五歩目
「特殊な場合:ピンフとチートイツ」



「平和(ピンフ)」と「七対子(チートイツ)」は、
よく出るんだけど、点数計算がちょっと特殊。
この二つはそのまんま覚えよう。
特殊とは言ってもほんとにしょっちゅう使うから、
無理に覚えなくても、いつの間にか覚えちゃうんだけどね。


●ピンフの場合

そもそもピンフってどんな役なんだろうか。
最初はおそらく、
「『シュンツ4つ+役牌以外の雀頭』の形で、両面待ちのメンゼンであがる」
っていうふうに教えられただろうけど、これってどういう意味なんだろう。

ここまで読んできてればピーンときたはず。
そう、「符が何もつかない役」というのがピンフなんです。
点数計算を知ってはじめて、なんでピンフが役になるのか分かるようになるんです。

ピンフの扱い方には、東京地方(および東風荘)の標準ルールと、
その他地域での一般ルールがあります。
(この「標準・一般」っていう呼び方はここで私が勝手に付けたもので、
 一般的なものではありません)

先ずは標準ルール。
「ツモなら20符、ロンなら30符」

20,30符の点数表で、ピンフの計算の時実際に使うのはここだけ。

1飜2飜3飜4飜5飜
ピンフ・ツモ
20符

---400700130026005200満貫
ピンフ・ロン
30符
------1000200039007700満貫
------15002900580011600満貫

ピンフ・ツモ(20符2飜〜)で、子なら400,700,1300...、親なら700,1300,2600,...
ピンフ・ロン(30符1飜〜)で、子なら1000,2000,3900...、親なら1500,2900,5800...
と、スラスラ〜〜〜っと出てくるようにしましょう。

ここで注意することは、
「ピンフ・ツモ+2飜」は20符4飜(子1300,2600、親2600オール)で、
満貫にならないってこと。
「ピンフ・ツモ+3飜」(計5飜)ではじめて満貫になる。
「ピンフ・ツモ+4飜」(計6飜)ならハネ満です。


ここで「なんだ、普通じゃん」と思ったら・・・二,三歩目を読み直しましょう。

おかしいよね?
ピンフっていうのはそもそも「符がつかないメンゼン役」のことです。
「ロンで30符」は、符がつかないんだから、副底30符ってことでいい。

でも、なんで「ツモで20符」なんだ?
「ツモ」は2符つくはずだろ!
副底(20)+ツモ(2)=22→30符じゃないのか?
それ以前に、ツモの2符がついたら、
「符がつかない役」にならないんじゃないのか??

・・・そのとーり。
ここで、東京中心の標準ルールと、その他地域の一般ルールとの違いが出ます。

○標準ルール(ツモピン有り)
ピンフの時だけツモの2符はつけない。(ツモとピンフが両立する)
→ ピンフ・ツモは20符2飜(子400,700、親700オール)
○一般ルール(ツモピン無し)
ツモなら「ピンフ」という役はなし。(ツモとピンフが両立しない)
→ ピンフをツモったら、メンゼンツモだけの30符1飜(子300,500、親500オール)

標準ルールに比べて一般ルールの方が、ツモの時の点数が低くなる。
1飜で見るとそれほど違わないようだけど、満貫以上になってくるとかなり違う。
標準ルールなら「ピンフ・ツモ+4飜」でハネ満なのに、
一般ルールでは「ピンフ」が消えるから、「ツモ+5飜」でやっとハネ満になる。
それはいやなんで、標準ルールではピンフとツモが共存できるように、
特例扱いをしているんです。

実際のルール確認の時は、「標準」とか「一般」とか言わないで、
「ツモ・ピンフ(ツモピン或いはピンヅモ)有り/無し」と言います。


そんじゃ「ピンフの形で鳴いてロンしたらどうなるんだ?」と思ったあなた、
するどい!

そもそも「ピンフ」はメンゼンじゃなきゃダメなんだけど、
「クイタン有り(鳴いてもタンヤオがつく)」のルールだと、
タンヤオになってればピンフの形で鳴いてあがれちゃう。
「後付け有り」のルールなら(「後付け」については後述)、
片あがりの三色・一通・ジュンチャン・チャンタなんかもありうる。

タンヤオの場合を例に、いくらになるか考えてみよう。
ツモなら、これはピンフじゃなくてタンヤオなんだから、普通に2符をつけて30符。
ロンだと、形はピンフだから副底20符だけ・・・?
これでドラも何もないと20符1飜700点ってことに。
これはこれで気持ち悪いんで、また特殊扱いで30符1飜にすることになってます。
こうしておけば、ピンフの形でロンすればいつでも30符でいいことになる。

ただし、ローカルルールによっては、20符1飜のまま計算することもある。
さらには、鳴いてもピンフが消えない「喰いピンフ有り」というものもあるらしい。
「20符の親:1000,2000,3900...」の点数が必要になるのは、
こうしたルールの時だけで、通常は使いません。

クイタン無し、後付け無しならこういうことも考えなくていいんだけど。


「ツモピン」と「クイタン」に関するルールは連動してることが多く、

○東京中心の標準ルールでは「ツモピン有り、クイタン有り」
 (「後付け有り」と併せて「アリアリ」ということが多い)
○その他地域の一般ルールでは、このへん「後付け」までまとめて全部無し
 (上の「アリアリ」に対して「ナシナシ」といいます。
  「後付け無し」は、逆に「完全先付け」ともいいます。 詳細はこちら。)
となってます。

東風荘の4人打ちは変則ルールで、
「ツモピン有り、クイタン無し、後付け有り」となってます。
 (ただし、3人打ちはクイタン有り)

ちなみに、一歩目のシンプルルールでは、
「ツモピン無し、クイタン無し、完全先付け」でした。

概して、
 「ツモピン有り」は、ピンフが有利なルール、
 「クイタン有り」は、早あがりが有利なルール、
 「後付け有り」は、喰い仕掛けが有利なルール、
となります。


●チートイツの場合

チートイツは唯一、「4面子1雀頭」になってない特殊な役。
(国士無双もそうだけど、あれは点数計算関係ないからね・・)
そもそも中国オリジナルルールにはこんな役はなくて、
アメリカでできたものだそうな。
("Seven Pairs"とかいうらしい。「7」が好きなんだねぇ。)

だから点数も特殊で「25符2飜」。
25符なら切り上げて30符2飜かというと、そうはいかない。
(一歩目のシンプルルールだとそうなるんだけど。)
満貫に届かないときは、「50符1飜」で数えることになってます。
(なんでそんなことしていいのかは、二歩目のおまけ参照)

さらに、副底っていうのは「4面子1雀頭」の形に対して与えられるものなんで、
チートイツには副底は関係なし。
だから、ツモでもロンでもこの50符で計算すればいいんです。

チートイ
のみ
+1飜+2飜+3飜+4飜
50符   1飜2飜3飜4飜5飜
---800160032006400満貫ハネ満
------240048009600満貫ハネ満

チートイ・ツモ(50符2飜〜)なら800,1600,3200...、親なら1600,3200...
チートイ・ロン(50符1飜〜)なら1600,3200,6400...、親なら2400,4800,9600...
と、これもスラスラ〜〜〜〜っと出てくるようにしましょう。

ここで注意することは、「50符1飜」として計算するから、
「チートイ+2飜(例えばドラドラ)」では50符3飜(6400,9600)で、
満貫にならないってこと。
「チートイ+3飜(例えばリーチ・ドラドラ)」ではじめて満貫になる。
「チートイ+4飜(例えばリーチ・ツモ・ドラドラ)」は、
計算だけなら50符5飜なんだけど、
もともとチートイは2飜役なんで、ハネ満(6飜)とします。
このへんの扱い方は、「ピンフ・ツモ」とちょっと似てるかも。



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