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ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟

ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 メモリアルボックス (初回限定生産)
バンダイビジュアル (2007/01/26)
売り上げランキング: 11
おすすめ度の平均: 5.0
5 30代40代が泣ける感動作!
5 ウルトラマンに憧れたあの感動が甦る!?
5 文句無しに良かった

ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟
バンダイビジュアル (2007/01/26)
売り上げランキング: 22
おすすめ度の平均: 5.0
5 ウルトラ兄弟の戦闘シーンは圧巻!
5 これは面白い!
5 空前のお祭り映画


 『ウルトラマン』は日本が誇る特撮ヒーロー。子どもの頃に見て、影響を受けた方も多い番組です。  2006年から放送された『ウルトラマンメビウス』では、過去に登場したウルトラマンが再演する演出で、過去のシリーズの再評価もされています。
 昭和ウルトラマンファンも、そして新しいウルトラマンファンをも楽しめるのが、メビウスの魅力。
この劇場版はテレビ本編23話と24話の間にあったオリジナルエピソードという感じです。
 ではレビューを始めましょう。

主な登場人物

 今回の主な軸は2つ。  まずはタイトルにある通り、ウルトラ兄弟。  特に過去のウルトラマンの人間体を演じた ハヤタ・シンの黒部進(初代ウルトラマン)、モロボシ・ダンの森次晃嗣(セブン)、郷秀樹の団時朗(帰ってきたウルトラマン・新マン・ジャック)、北斗星司の高峰圭二(エース) の4氏が出演したことが大きな話題を呼びました。この「ダンディー4」(4名を指す今回のユニット名)+各ウルトラマンが大きな柱の一つです。

 そしてテレビ版ストーリーの裏で自信を失ってしまった少年・ジングウジ・タカト。

 ダンディー4とタカトたちは直接関係があるわけではありません。 彼らは主人公であるヒビノ・ミライ(正体は地球に来たルーキー・ウルトラマンであるウルトラマンメビウス)を通じて、今回の物語を綴っていきます。

 やはり今回の話題の中心はダンディー4と言えます。 彼らが登場した瞬間にあの時の面影を浮かべ、感動する方も多いのではないでしょうか。
 ただ今回のストーリーは彼らだけでは成立しません。
 少年タカトとまだ戦いや地球人との接し方が不慣れなルーキー・ウルトラマンことメビウスがいて、 初めて成立するという構成はわかりやすく、それぞれの存在価値を高める効果をもたらしています。

 またゲストしてウルトラマンシリーズに縁の深い役者が各所に登場しているのは、ウルトラファンにとって嬉しいですね。
 そう意味で気になるのは、ウルトラマンとして登場しているウルトラマンタロウと同化した人間体・東光太郎を演じた篠田三郎氏が出演しなかったことです。
 実に残念ですが、それを抜いても充分のキャスティングと言えるでしょう。


多彩な敵キャラクター

 今回登場するウルトラマンになじみのある敵キャラが負けじと登場します。

 まずはストーリーの基盤である異次元超人・巨大ヤプール(エース)。 そしてウルトラマンを倒すために作られたUキラーザウルスの復活のために今回手を組んだ宇宙人連合に 極悪宇宙人・テンペラー星人(タロウ)、凶悪宇宙人・ザラブ星人(初代)、分身宇宙人・ガッツ星人(セブン)、暗殺宇宙人・ナックル星人(新マン)が キャスティング。そしてザラブ星人はお約束で「目つきの悪い真っ赤なにせもの」であるニセウルトラマンメビウスとして大暴れします。

 それぞれがキチンと役割を与えられた彼らも、今回のストーリーを盛り上げる重要なファクターであると言えます。


新旧のコラボレーション!

 なんといっても今回は新旧のコラボレーションといえる点が多く、それが実にうまくリンクしている印象です。

 ダンディー4とミライというキャスティングはもちろん、陸戦では実写が中心・空中戦のような高速な動きはCGを用いた撮影、 音楽でも過去の作品で使用された楽曲のアレンジとメビウスの融合などが試みられています。

 そしてそれは観ている我々視聴者にも言え、親と子が一緒に楽しめるという新旧のコラボレーション。 そういう意味で大きな新旧のコラボレーションが今回の大きなテーマのひとつであると言えます。


主な見所

 この作品では多くの見所がありますが、自分なりに挙げてみたいと思います。

<導入>
 20年前にあったというウルトラマン4人とUキラーザウルスとの戦闘が描かれます。
 各ウルトラマンの活躍が考えられたアクションと人間体を演じた各役者陣の声の演技が出だしから、旧「ウルトラマン」の強さを見事にアピール。 その中でも団さんの「エース!」の掛け声が印象的です。
 「このままではUキラーザウルスを倒せない」と判断したウルトラマンたちはそれを操るヤプールともども神戸の海中に封印しようとします。
 そこに至る過程も末弟のエースが血気盛んにやろうと言い、ジャックがその危険を示しつつ同意し、初代マンに意見を求められた セブンがそれに答え、初代マンが決意するという過去にタロウの話でも描かれた構図が何度も出てきます。
 それも旧ファンである自分は懐かしさとともに高揚していくのを感じました。 封印シーンもCGを多彩に使い、印象深いです。

<タイトル>
 ここでタイトルに入ります。
 まずは、おどろおどろしくゆらめく画像が回転して文字が現れる昭和ウルトラマンらしい形で「ウルトラ兄弟」と表示され、 それを打ち破るかのようにメビウス本来の「ウルトラマンメビウス」という文字、そしてそれが合体するという演出は秀逸です。

<序盤>
 かつてウルトラマンだった男たちが人間として神戸で生活していることが描かれます。 それが実に地球になじんでいる雰囲気が出ていていいです。 中でも演じた高峰氏のアイディアで指にきらめく変身アイテム・指輪を出すというエース・北斗の登場シーンが秀逸。

 そこに現在地球を守っているルーキー・ウルトラマンメビウスが地球防衛軍であるGUYS(ガイズ)の隊員ヒビノ・ミライとして神戸にやってきます。 その目的は「神戸における異変の兆候の現地調査」。
 神戸空港に着陸するのを見る初老の男ハヤタも印象的。

 宇宙人連合の登場も見せ場。
 基本的に宇宙人同士が協力して会話するというのは過去のシリーズにはないので新鮮です。

 今回のストーリーの根幹であるミライとタカト少年の出会い。 ここでタカトが過去に怪獣・ケルビムと遭遇し、恐怖のあまり一緒にいた愛犬を助けることを”諦めてしまった”ことが トラウマになっていることが語られます。(実際は犬は助かっています。) 実際の社会生活でも、怪獣はともかく怖いと感じて物事をあきらめてしまうことが多いもの。そういう意味でも共感を得やすいと思います。

 自分の戦いの裏で少年の心の苦しみを生んでいたこと知って苦悩するミライに声をかけたハヤタは彼を誘い、ある人物と引き合わせる。 そこにいたのは、かつてウルトラマンとして地球を守った者たち。 そこでは、Uキラーザウルスとヤプールを封印した際に光エネルギーのほとんどを失ったために変身できないこと、人間体で地球人として 神戸で生活しながら、封印の監視をしていたことが語られます。 そこでの地球人としての生活の一部の映像と台詞が非常に良く、その後の彼らの行動に説得力をもたせています。

<中盤>
 ここからはネタバレになるので詳しくは書きませんが、メビウス対宇宙人連合は各星人の特徴が出ており、実に楽しいです。 大苦戦するメビウスを助けるために命をかけて変身する4人のウルトラマン。4人並んで歩き、変身する様はあまりにもカッコイイ上に 熱い台詞で思わず目頭が熱くなるのを感じました。ここがこの映画の最大の見せ場とも言えます。

<終盤>
 大ピンチの連続をなんとか乗り越えたメビウスとウルトラ兄弟。
 その前に復活し、強化されたUキラーザウルスネオ。
 そこからはマクロスで有名な板野一郎氏のCGアクションが高速で展開されます。 これは従来の昭和らしさからかけ離れているため、意見が分かれるところです。 自分はありだと感じましたが「必殺技はじっくり見たかったかな?」という気はしますね。

 その後の展開はこれでもかというもので、満足感たっぷりです。 特にタカトのカットが良く、メビウスとウルトラ兄弟の行動に刺激を受けて、徐々に立ち直っていく様を 丁寧に描いており、観ている自分にも同じような高揚が感じられました。
 このようにシンクロできるかどうかと過去のウルトラ兄弟が好きだったかが、この映画の評価を大きく変えると思われます。

 そして大地に7人のウルトラマンが立ち並ぶシーンは自分はもう感動しまくりでした。

 スタッフスクロールは過去のウルトラマンと懐かしい人物の当時と現在の映像が流され、さらに感動を生むという形になっています。


気になったところ

 ウルトラマンの映画としては異例の大ヒットを生み、DVDの販売も好調というのも納得の出来でありますが、気になるところを少し挙げます。

 「とどめ」
 ただ最後の敵のとどめは意外とシンプルで、もう少し爽快感があっても良かったかと思います。

 「ミライ」
 主人公のミライの演技がギコちないです。これはテレビが始まる前に撮影されたもので、 キャラが確立していなかった部分も多大にありますが、そこらへんの事情を知らない人は気になるかもしれません。ルーキーという立場がしっかり出てはいますが。

 「ストーリーはベタ」
 ヒーローものとしてはありですが、本格的映画としては物足りないでしょう。あまり深読みせず、気楽に思い出とともに観る部類の映画ですね。

 「タロウの声」
 オリジナルの篠田三郎氏ではなく、マジンガーZの兜甲児やジャッキーチェンの吹き替えで有名な石丸博也氏がテレビシリーズ同様に声を担当しています。(過去の作品・ウルトラマン物語ですでに担当されています。)

 「Aタイプ」
 初代マンの造詣はAタイプのため、見た目がザラザラしていて汚く見えます。 コアなファンは喜ぶかもしれませんが、知らない方は「?」がつくかと。ただゾフィーや新マンらとの区別はつけやすいですね。


総合的評価

 お子さんはもちろん、現在もウルトラマンファンの方、かつて好きだった人、最近夢や熱さを忘れ、あきらめがちになっている大人の方にも観ていただきたい良作です。 コアな人にしか気づけないような小ネタも豊富で、そうでない人も充分楽しめると思います。 この映画で大泣きしたという方も多数おり、「ウルトラマン」というヒーローが多くの日本人の心に記憶されていることがうかがえます。

 ぜひ続編として、メビウスのテレビシリーズに出演したレオの真夏竜氏や80の長谷川初範氏、そして未登場のタロウ・篠田氏を加えた超豪華劇場版を 期待せずにはいられません。

 またレンタル版には収録されていない特典映像は必見。あなどれないほどのボリュームと内容があり、それだけでも商品になるような豪華さです。 ファンならば入手しにくいですが、初回限定版であるメモリアルボックスを購入されることをオススメします。

 「ウルトラマンメビウス」は過去のウルトラシリーズをうまく融合し、あの昭和に登場したウルトラマンたちが数多く参戦しています。 エピソードもオリジナル部分であるウルトラマンと人間の友情に加え、過去のシリーズの補填をするという豪勢な展開をしています。 この映画に感動できた方には、それ以上の感動を得られると思います。 しかもテレビの24話ヤプール編以降にもつながるストーリーですので、ぜひご覧になることをオススメします。


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