2人の人間がいて、それらに交流がある場合、精神的な
パワーバランスが存在します。パワーバランスのイメージとしては
国家間の国境線、軍事境界線のようなものかもしれません。人間関係を長期に
良好に続けたいのなら、パワーバランスを常に意識する事が重要です。
まず、最初に出会ったときにその時点でのその2人のポジションにより上下関係 が決まります。高校までの初対面は同学年では皆同じポジションであり、上級生は 上のポジションになります。しかし、大学に入ると、年齢ではなく何回生であるか がその判断基準になります。年上でも入学時期が後なら、向こうが大抵敬語を使います。 社会に出れば、社内では入社年数や役職など、判断基準はさまざまになります。
それまで敬語で話していた人に対して、タメ口をききづらい様に、初期値が 短期的に変化する事はあまりありません。出会った時にポジションが上だった人 に対して、自分が出世などでその人よりポジションが上になったからと言って、 馴れ馴れしい口をきいたら、「成り上がり物め!」とひんしゅくを買う事でしょう。
しかし、長期的にはじわじわと変わります。バランスが崩れて、片方が一方的に優位な方向 にどんどん進む事もあります。
このパワーバランスが崩れる時に悲劇が生じる事が多くあります。いじめやドメスティック バイオレンス(配偶者による暴力)なともこれに起因すると思われます。
いじめの場合、いじめっ子も最初から激しいいじめをするのはまれで、最初は少し突き飛ばす 程度だったりします。その時、された方が怒って抗議したりやり返したりしないと、「お?大丈 夫じゃん。じゃあ、今度はこれをしても大丈夫かな?」などと思われて少しずつエスカレート していくものです。
つまり、いじめっ子といじめられっ子の間でパワーバランスが崩れてしまっているのです。 軍事的にいえば、少しずつ国境線が侵略されていって、いつのまにか首都を陥落されてしまうのと同じイメージです。 事態を打開するには、例え敵わなくても徹底抗戦するしかありません。いじめっ子は大抵相手の強い弱いにはあまり 関係無く、こちらが攻撃しても反撃される恐れがない人をターゲットにするものですから。
同じ事はドメスティックバイオレンスにも言えます。結婚当初から、暴力を振るう配偶者は 論外としてですが。配偶者が最初に手を上げたときに、即実家に帰る・離婚も視野に入れた猛 抗議などをせずに我慢をしてしまうと、だんだん、手を上げることが当然の事のように思われて しまう可能性があります。
ここでもやっぱり2人のパワーバランスが片方にずれていっていると言えます。また、専業 主婦の場合、「俺が稼がなければ、生きていけないくせに。」という感覚が夫に意識的、無意識的 に生まれてしまい、パワーバランスが崩れやすいので、特に注意が必要です。
家庭における男女間のパワーバランスは、お互いの性格の他、その男女の人数比にも 影響を受けます。2人暮らしの場合は男女の人数比は対等なので、2人の性格でパワーバランスが 決まります。そこで、そのパワーバランスの判定方法として、 洋式トイレの便座の上げ下ろし である事が多いと思います。女性のパワーバランスが強い家庭で育った女の人は便座が下ろされてる のが当然という感覚があるせいか、男性側に小用を足した後に便座を下ろすよう要求するみたいですね。
もちろん中立の場合もありますから、厳密には男性側が尻に敷かれている場合にのみ判明する方法 という事になります。よその家にお邪魔したときにちょっと気をつけてみると面白いかもしれません。 男性の側が用を足した後のトイレに入った時に便座が降りていたら「だんなの躾はちゃんとしているようね。 フフフ。」とか・・・。