ファジアーノ岡山関連コラムNo.24

ファジアーノ岡山2012年前半戦を終えて(1)(2012/6/30)


−守備力で8位ターン−

6位以内のプレーオフ進出を掲げた2012年シーズン。序盤4戦で2分け2敗の最下位スタートで最悪のスタートを切ったもののそこから8戦負けなしで順位を上げて一桁順位をキープし続けて6位以内を射程にとらえて前半戦を乗り切った。

今季のファジアーノ岡山の特徴は堅守だ。特にアウェイでの守備の堅さは全チームナンバー1でアウェイ10試合で失った点は僅か5点で堂々の最少失点を誇る。

今年の堅守を支えているのがセットプレーからの失点の少なさだ。前半戦最終戦でコーナーキックから今シーズン初失点を喫したもののセットプレーからの失点はこの1点だけと去年から大幅に改善し、セットプレーをゾーンで守ることが機能した。

−課題は攻撃力−

21戦で得点は19点と1試合1点取れていない。プレーオフを目指すには最低でも1試合1点、出来れば1.5点取れれば理想だ。

攻撃的選手の質が低いかというとそういうわけでもない。チームトップ7得点の川又はプレーオフを争うクラブに見合ったパフォーマンスを見せており、シャドーのキム・ミンキュンもJ1でも十分通用するのではないかと思うほど良いパフォーマンスを見せている。

この二人の柱にはサポーターのほとんどが満足していると思われるが、残りの選手の質に問題がある。
関戸はある程度貢献できており、新人の前半としては十分合格点だろう。ただ、選手層の薄さからジョーカーが石原しかおらず、石原が先発だとどうしても切り札を用意するために控えに回したくなってしまう。

問題は纉c、中野のある程度経験ある選手のパフォーマンスだ。纉cは膝の痛みがまだあるようで全くスピードがなく、怖さがない。試合途中から出すには不適当な選手で現在の選手層の薄さで出さざるを得ない状況だ。

中野に関してもJ2上位でプレーするには物足りない。大きな身体がありながらトップを張れないのも残念で、使いどころが限定されてしまう。

纉c、中野の代わりを引っ張ってくることが後半戦より得点をするためのひとつのカギになりそうだ(しっかりとした控えがいれば関戸を躊躇なく使えるのでそれだけでも違う)。

−夏の補強がキーポイント−

ファジアーノ岡山はファジアーノ岡山ネクストというセカンドチームを持ち合わせているが、2種登録のユース選手とは違って一旦ネクスト登録すると移籍期間にトップチーム登録しない限り出場できない(湘南戦のスカパー解説者でさえ勘違いしていたが)。

トップチームは期待していたアンデルソンがほぼシーズン絶望(うまく行けば10月に復帰できるか)で、レギュラークラスの力があった近藤もシーズン絶望でチアゴも怪我がちで戦力として計算しにくく、1トップ2シャドーの層が非常に薄く、3バックも計算できるバックアップは一柳くらいとこれ以上怪我人が出ると湘南戦のように途端に戦力が大幅ダウンする。

チームはセンターバックの補強は外部から考えているようだが、攻撃陣に関しては特殊なシステムを採用している影響でネクストからの内部昇格を考えているようだ。
ウィングバックの動きは非常に難しく、途中補強は非常に難しいと思うが、前線に関しては外部からの補強が必要に思える。
これまでネクストからの昇格者でレギュラーを張るほど活躍した選手はおらず(千明は本来トップチーム級の力がありながらリハビリのためにネクストに在籍していたのでネクストから這い上がった選手とは考えず)、ネクストからの昇格に大きな期待を寄せるのは危険だろう。ただし、今季加入した選手に関しては力が分からないので怪我等で出遅れて本来トップチーム級の力がありながらトップチームには入れなかった選手がいるかもしれないのでネクストからの昇格を全否定する気はないが、大きな期待はしない方が良いと思う。

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