−問われるネクスト− ファジアーノ岡山はJ2に所属するトップチームとファジアーノ岡山ネクストとして中国地域リーグに参加するセカンドチームの2種類のチームがある。 岡山の他にもジェフ千葉や徳島ヴォルティスなどがセカンドチームを持っているが、岡山の場合はトップチームとセカンドチームの垣根は比較的低く昨年セカンドチームで過ごした選手がトップチームに上がって来る人数もそれなりにいる。 トップチームには明確な目標は存在しないが(昇格を狙うほどの戦力はないため)、ネクストはJFL昇格が今年の目標となる。 ただし、JFL昇格というのはそれほど簡単なものではなく、ファジアーノ岡山は地域リーグ決勝大会3年目にしてJFL昇格を決めた非常に厳しい大会だ(現在はかなりのクラブがJFLに昇格し以前ほどの厳しさはないが)。 地域リーグ決勝大会の厳しさを分かっているだけに挑戦1年目の今年JFL昇格を果たすと考えているサポーターは少数派だと思われる。 ネクストの最低限の目標は中国リーグを優勝して地域リーグ決勝大会に出ることだろう。 ファジアーノがJFLに昇格した年の中国リーグは圧倒的な強さで全勝優勝を果たしてまさに横綱相撲で地域リーグ決勝大会に進んだ。 しかし、ファジアーノネクストはネクストとしての練習不足と怪我人続出で満足なチーム編成が組めなかったのか、いくら最初の2戦が昨年上位チームが相手とはいえ3連敗と非常に不安の大きいスタートとなった。 ファジアーノ岡山はトップチームとネクストを合わせて44人でスタートさせた。怪我人続出で2人補強したので総勢46人になったが、トップチームに27人、ネクストに19人という振り分けとなっており、ネクストは20人にも満たず、怪我人を多く抱えているため控えはたったの3人で2戦目は負けているにも関わらず選手交代さえできなかった。 そもそも2チーム合わせて44人という人数に問題がある。トップチームは核となるような選手が少ないためにある程度の人数が必要で30人近くに膨れ上がることは予想できたはずだ。もちろん怪我人が予想以上に多かったという誤算もあっただろう。 しかし、所属選手の1割から2割は怪我で出場できないというのはごく当たり前で19人の2割の選手が怪我してしまえば15人しか出られないのは容易に想像がついたはずだ(さらに開幕前に千明は怪我で出場できないのが確定している)。 本気でセカンドチームをJFLに昇格させようと考えるのならばセカンドチームもせめて25人体制を組むべきでトップとセカンド合わせて44人しか選手を採用していない時点でネクストに対する取り組みが中途半端だと見られても仕方ないだろう。 もしも今年中国リーグで優勝できずに地域リーグ決勝大会ににさえ進出出来なければネクストの存在意義が問われることになるだろう。 個人的にはネクストに対する評価は保留中だが、サポーターに賛否両論あることはフロントも重々承知だろう。 セカンドの経費だけで最低でも何千万円、下手すれば1億の経費が掛かるのだから納得の行く結果を残さないといけない。 年間何千万も投入するとすれば下部組織の充実に使うのであれば筆者も含めてサポーターも納得の資金の使い道だろう。下部組織やクラブハウス等のインフラに投資せずにネクストに貴重な予算を割いているだけにネクストにも厳しい目が光っているということを忘れてはいけない。 −いかに魅力的な試合が出来るか− 昨年の入場料収入を確保するには今年は試合数の減少があり1試合平均8,000人以上が必要となり、昨年の1試合平均6,162人から大幅アップを目標にしている。 昨年は平日開催が7試合あり、今年は花火大会を避けたために札幌戦が金曜開催となっただけで昨年の休日並みの動員をキープできれば7,000人は楽に超える計算となる。 今年ホーム5試合が終わった段階では7,323人と目標の8,000人には届いていない状況だ。 昨年は5月の3試合が3,000人台前半と大きく動員を落としたが、今年の5月はGW中の北九州戦と東京ヴェルディ戦のみで6月も柏戦1戦だけと昨年苦戦した時期に有名チームと当たってある程度の動員の見通しがあることは良いことだ。 昨年よりは1試合平均の動員アップは見込めてもこのままだと目標の8,000人には大きく届かない可能性が高い。 動員アップにはやはりいかに魅力的な試合が出来るかに掛かっているだろう。 昨年は8月の東京ヴェルディ戦の0-2からの大逆転勝利を契機に観客動員のベースラインがグッと上がった。 今年は千葉戦の逆転勝利で当日居合わせた観客を魅了した。しかし、次の草津戦で不甲斐無い戦いをしたことで昨年のヴェルディ戦ほど継続的な集客増には繋がらないかもしれない(徳島戦の内容を草津戦で出来ていれば大きく違った可能性が高い)。 昨年のまとめコラムでも書いたが、やはりホームに強いことがまず1番で、そしてホームで得点を多く取ることが観客の満足度アップに繋がる。 ファジアーノ岡山はホームで非常に弱い。今年ホーム唯一の勝利の第7節千葉戦まで昨年からホーム10戦勝ちなしで、千葉戦のひとつ前の栃木戦の前まで7戦連続無得点とため息しか出ないほどホームで弱い(2008年以降のファジアーノ岡山ホームゲーム成績・観客動員参照)。 JFL以前からのサポーターならファジアーノがホームで弱いことは身に染みていてJFL後期初戦に勝って以来12戦ホーム未勝利という時期もあり、昨年のホームでの勝利は25戦5勝と栃木に次いで少なかった。もっともJFL時代とは違いアウェイでもなかなか勝てないのでチーム力の欠如という根本的な問題でもあるが、昨年はアウェイで22点、ホームで18点とアウェイの方が多かったのは問題だろう。 現在は9試合7得点でホーム5試合3点、アウェイ3試合4点となっていて、チャンスメイクはカウンターの形で迎えていることが多く、積極的に相手が攻めてくれる相手ホームの方が得点の可能性が高くなり、このままだと今年もアウェイの方が得点が多くなりそうな予感がする。 現在のスタイルでフィニッシュまで持ち込めるようになればホームでの得点力がアップし、ホームで勝つスタイルとしては間違ってはいないと思うが、その戦術に選手がついてこられるかが問題となる。それだけに個の力があり、戦術にもフィットしそうな妹尾の復帰が本当に待たれるところだ。3月下旬には完治する予定が全く復帰の見通しが立たず、岡大医療チームは何をしているんだと思っているサポーターは多いだろう(岡大医療チーム対する疑問はNo.12参照)。 第9節までの主要スタッツ
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