天敵昆虫を使った害虫防除(その1)
天敵昆虫を使った害虫防除技術についてもオランダは超先進国です。日本と違って供給体制、指導体制、生産者の取り組む姿勢など、どれをとっても世界一流です。
ハウスの中は昆虫でいっぱい! |
何がすごいって・・・何もかもすごい!
技術的にはすでにできあがっています。というより虫を使って害虫を防除する技術はオランダでは当たり前の技術なのです。オランダ政府の方針で化学農薬はできるだけ使わない、国中の生産者が一致団結してこの方針で突き進んでいます。オランダもかつては『農薬付けのトマト』というレッテルを貼られ、ヨーロッパ市場から閉め出された苦い経験を持っているようです。その経験があったから現在の姿があるのだとは思いますが・・・
天敵昆虫の使い方ですが、どの天敵昆虫もとにかく効くまで入れ続けるというのが基本的な考え方のようです。
発生する害虫は種類はちがうのでしょうが高知県安芸郡とさほど変わらないようです。アザミウマ類、ハダニ類、アブラムシ類、ヨトウ類、コナジラミ類、ハモグリバエ類など重要害虫の主な種類はほとんど同じでした。これらの害虫はどうも世界共通のようです。
オランダでの害虫防除はアザミウマ類の防除を中心に組み立てられているようです。やっぱりこいつが一番うるさいのでしょう!
天敵の種類はククメリスカブリダニ、ディジュネランスカブリダニ、オリウス(ハナカメムシの一種)が使われます。
ククメリスはパック製剤になっており、約1ヶ月に1回の割合で、1株づつ吊していくようである。パプリカ、ナスともに確認はできましたが、見つける確率は低かったです。
それに比べてディジュネランスカブリダニ、オリウスは大きいので肉眼でも十分確認できます。特にパプリカのハウスでは花にオリウス、葉にディジュネランスと探す必要がないぐらい十分量確認できました。このような状態の圃場ではアザミウマはほとんど見かけませんでした。
オランダでもオリウス、ディジュネランスは高価なようで防除の中心はククメリスカブリダニで組み立てられているようですが、オリウスとディジュネランスはククメリスの補助と考えて、春からの効果を期待して初春に放飼するようです。