2010年ベーシック第1回、2回目レポート

2010年ベーシックコース最終回が5月22日(土)、23日(日)の両日甲府で行われ、
静岡、浜松、長野、東京、千葉そして山梨から延べ13名の方々が参加されました。

第5回目(22日)の日程(実績)
テーマ「自己開示とフィードバック」

時間 内容
10:00〜 テーマと今日の内容について
・自己紹介
10:24〜 グループ分け
10:30〜 2グループに分かれて準備
・Aグループ:Fさん、Bさん、Yさん
・Bグループ:Tさん、Nさん、Ymさん
12:15〜12:45 昼食
12:45〜14:10 Fa:BグループのYmさん
・テーマの提示
・手順の提示
・話し合い15分
 話し合いで感じたことを絵で表す
14:10〜 ふりかえり
14:42〜 Faへのフィードバック
15:35〜 Fa:Fさん
・テーマ「どうしたら自己開示(フィードバック)が
 しやすくなるか」
15:40〜16:15 話し合い
16:01に席を替える。
16:45〜 ふりかえり
Faへのフィードバック
資料配布




第6回目(23日)の日程(実績)
テーマ「自己概念と固着化」

時間 内容
10:00〜 今日のテーマについて
・自己紹介
10:20〜 「ライフライン」
10:46〜 ふりかえり
Fa:Fさん
12:10〜12:20 Faへのフィードバック
12:20〜13:20 昼食
13:20〜14:00 「自己点検」
14:00〜15:10 ふりかえり
Fa:Tさん
15:10〜15:20 休憩
15:45〜 ジョハリの窓を使って
・自分が他人に見せているところ、他人も分かってるだろうというところ
・自分が隠しているところ
・他人から見て見えているところ
それぞれ書いてみる。
16:45〜 ふりかえり
Fa:Wさん
17:45〜 Faへのフィードバック
18:10〜 まとめ
資料配布




ご参加いただいた方々の感想


ベーシックコース第5回「自己開示とフィードバック」に参加し、さまざまなことに気づき、考えました。
ありがとうございました。
たまたま同じ日の5月22日(土)に静岡でファシリテーションのセミナーがあり、最初はそれに出ようか
どうしようかと思っていました。そんなとき、まろさんからお誘いのメールをいただき、せっかくのお誘い
でもあるので、山梨まで足を運ぼうと決心しました。
遠方からのお誘いには「きっと何かがある」という
ヒラメキのようなものを感じました。また、今までも、遠方からの誘いには極力乗っかってきましたし、
前々から一度は参加してみたいと思っていたこともあり、この日を迎えるのがとても楽しみでした。
会場に足を運んでみて、当然のことながらまろさん以外はみな初対面の方ばかりで、気分は「道場で
いっちょ揉んでもらう」という趣きでした。そのためか冒頭の自己紹介でも、「今日は他流試合という
雰囲気です」とか「勝ち負けを意識せず」云々などと、柄にもなくいささか緊張の面持ちでした。しかし
「勝ち負け」って何だろうね(笑)
さて、今回の内容は、あらかじめ提示されたワークをこなすのではなく、チームに分かれてそれぞれ
ワークを設計し、それを相手のチームが体験するという流れでした。手前味噌でなんですが、限られ
た時間のなかで、中味はけっこういいものができたと思います。しかし、最終的な落としどころが曖昧
だったことは否めません。いわゆる詰めを欠いたという状態でした。それにも増してまずかったのは、
ファシリテーターとしての私自身の対応です。
場を読まず、流れに乗れず、腑に落ちず、突然始まり、唐突に散る
といった風情で、穴があったら一目散に入りたい気分でした。ファシリテーターへのフィードバックの際
に「どこのファシリテーションをやるつもりなのか」というお言葉を頂戴したときには、まさに汗顔の至り
でした。思わず「どこの…とは」と聞き返すのが精一杯でした。
ところで「自己開示」ということをあらためて考えてみるに、「自分はこういう人間である」ということと
「私はあなたをこう思う」ということの、どちらを指すのでしょうか。あるいは、両方とも「自己開示」なの
でしょうか。
じつは、ここがうまく切り分けできていないと、ワークを設計する際にも、またワークを体験する際に
も、ひいては日常生活においても混乱してしまうだろうなと感じました。
「私はあなたをこう思う」というのは「他者評価」であり、「自分はこういう人間である」というのが「自己
開示」であると私は考えます。そして、お互いをよりよく理解するためには「自己開示」はなくてはなら
ないものであり、このやり取りが多いほど信頼感が増すと思います。
今日のふりかえりをしているときに、ファシリテーションの醍醐味を目の当たりにしました。それは
「ワークの意図がよくみえなくて、いまひとつ乗れなかった」といった旨の意見があり、「自己開示という
ことがどういうものなのか、よくわかっていないからかも」といった発言もあったのに対して「今はどう
なの?」という問いかけがきっかけとなった一連のやりとりでした。
本人はその先を続けることを躊躇したのですが、それをあえて促し、結果として本人のもやもやが
スッキリした様子でした。
あえて背中を一押ししたことにより悩みが解消され、一歩前に進むことができたと思います。
これは正に「?啄の機」(そったくのき)といえるでしょう。すでにご存知の方も多いとは思いますが、念の
ために説明すると「?啄の機」とは禅の世界の用語で、「?」(そつ)とは、殻の内側から殻を破ろうとして
いる人のことです。
「啄」(たく)とは、殻の内側から殻を破ろうとしている人のことを察知して、外側から助けてくれる人の
ことです。たとえば、卵を温めている親鳥が卵から孵(かえ)ろうとする雛を助けるため、外側からコン
コンと殻を突いて雛を助けてやります。雛がまだ殻を破ろうとしていないにもかかわらず、外からいくら
突いても殻は破れません。もしかしたら、それを機に雛は死んでしまうかもしれません。
また、雛が殻を突き破ろうとしていることに気づかず何もしなかったら、雛は疲れ果ててどうなるか
わかりません。
大切なことは、その「時」に気づいて「同時」に「同じ場所」を突いてやることです。
私であれば、本人が話したくないと言っているのだから、それを尊重してそのままにしておけばいいじゃ
ないかと思ってしまうところです。しかし、その「時」に気づいて、あえて突いたのを見て、私は思わず
「ギャンブラーですね」と発してしまいました。
これは揶揄しているのではなく、賞賛のコトバなのです。出たとこ勝負とか、運を天に任せるというのは
真のギャンブラーとはいえず、自分を信じて、確信を持って、有り金全部を場に張ることができるのが
真のギャンブラー=ファシリテーターなのです。
私といえば、たしかに突いてはいるのかもしれないが全く場違いだったり、あるいは掻いているにはちが
いないが、痒いところに手が届いていない有り様でした。
いつの日になるかはわかりませんが、いつの日か「?啄の機」を掴みたいものです。
                                              (静岡から参加のYmさん)

今回の2日間は、自分自身を客観的に見つめ、受けとめることがで きた貴重な機会でした。
「自己開示とフィードバック」のテーマでは、まさにテーマそのも のをグループ内で行動に移しながら、
他のメンバーとの関係性に自由さが増し、風通しの良い関係を作る体験ができました。そして、 その
根底に欠かせないのが相手を信頼して、少しずつお互いの違い を分かり合う地道なコミュニケーション
であると思いました。また、そのためには、自分の心をオープンに保てることが鍵になると 思うのです
が、そのことを翌日の「自己概念と固着化」で実感できたことが良かったです。
共に過ごして関係性を育んでいるメンバーの協力を得て、ジョ・ハリの窓を明らかにしたワークが出来た
ことは有意義でした。自分自身がどの自分をオープンにしていないと考えるかは、実は相手に確認しな
いと分からないものの、自分がどう考えるかを内省すること 自体が楽しい体験でした。また、意識的に
伝えていない自分や隠している自分を結局はオープンに出来て楽になりました。
まず、最初 に意識しているものを開示した後、そこが安心できる場であるがゆ えに、もう一段階掘り
下げて開示が進むという自分の体験は、今後 のグループ活動に大きなヒントを与えてくれた気がします。
今回は全6回の中の5回に参加できました。共に学ぶ仲間と関係を 築く機会が多い分、各テーマでの
学びが深まったように思います。
まろさんはもとより、ご一緒できたメンバーに改めて感謝致します。     
                                              (東京から参加のFさん)

ベーシック・自己開示とフィードバック 感想  
ベーシックは、通しでなくとびとびの参加になります。
今回の「自己開示とフィードバック」では、参加者がグループに分かれワークを組み立て、実行、ふり返
り、という初めてのやり方でした。
ワークを組み立てファシリテーターをつとめるのは、今まで自分なりにやってきたことなので、自分ひとり
で考え組み立てるのには慣れています。
ただ、今回はグループの3人で考えます。テーマを聞いて、いざグループに分かれました。テーマの説明
を聞いている時に、なんとなく自分のワークのイメージが出来たのでまずそれをメンバーに伝えて
みました。
しかし、これがまったく伝わらない。(笑)
「イメージの共有って難しいんだぁ〜」が最初の感想でした。
伝わらないことがわかったので、ではどうするか?メンバーで考える共同作業に入って行きました。その
中でメンバーの考えやアイデアを聞くのが面白くて、与えられた時間の中でワークを考えることができま
した。イメージの共有って、難しいけど、できると嬉しいですね。
午後は、ワークを実行しました。
私たちのグループがワークを提供する時、3人が1人と2人に分かれ、1人がファシリとしてグループの
話から外れ、2人がワークをするグループに加わりました。2人はグループに入ってみて、話の具合で
臨機応変に応じる。という打ち合わせでした。
なにせ、初めての試みだったので「とりあえずやってみる。」ことで精いっぱい。ワークの中でも、終わっ
てのふり返りでも「グループの中で2人の存在が…」というのが、やはり出ました。
その中に、「最初から、自分の立場をはっきり決めて座った方がいい。」と言われ(フィードバックがあり)
『そうはいっても、初めてのことなんだから、とりあえずやってみてと思っていたんだよなぁ〜』と心の中
で思いました。
初めてのことをする場合、とりあえずやってみて、その反応で方向を決めていくことって結構多いのでは
ないでしょうか?
「チャレンジしたことは○。もしかしたら、こうしたほうが良かったかも」というフィードバックなら、もっと
素直に聞けるし、嬉しかったと思いました。だから、自分は愛と思いやりのあるフィードバックを心がけ
ようと思いました。
自己開示ですが、自己開示と聞くと「ジョハリの窓」がまず思い浮かびます。
私は「自己開示」に、目の前の方と自分の関係の窓を広げるイメージがあります。新しい人と関係を結
ぶときに、まず相手の心の窓に自分の姿を見せ(立ち居振る舞い・表情・話し方とか)、窓を優しくこん
こんと叩いてみます(お天気とか世間話とか当たり障りのない会話)。それで、相手が快く窓を開けて
くれる場合もあるし、警戒して窓からのぞき見るだけの時もあります。あるいは、自分から窓を閉めて
しまいたくなる場合もあります。
自己開示は、相手に架け橋をかけるために行うもの。自分の行動と相手の行動しだいで、架け橋を
もっと大きく太くしたり、橋を架けるのを止めたり、橋を掛けたけど使わない場合も出ます。
架け橋(自己開示)は、お互いの了解があって掛ける物なので、無理やり掛けるものではないとも思って
います。
私には私の自己開示のイメージがあるように。他の方には他の方のイメージがあることを、ワークの
中やふり返りで自己開示について話す中で、イメージが違うことを興味深く聞きました。
印象的だったのは、ふり返りの中で「一般的なことを聞かれたら自己開示しやすいけど、自分の個人的
なことを聞かれると自己開示しにくい」という言葉が出て、ほ〜と思いました。
日常の場である、「場は盛りあがるんだけど、深みのない会話」は、きっと当たり障りのない一般的な
自己開示をしているんでしょうね。逆に個人的なことは、「話せる関係」がまずできていないと話せないし
聞けないだろうなぁ〜と思いました。
自己開示とフィードバックは、人が社会で生きていく限り付きまといます。その場に適した自己開示をし、
もしフィードバックするとしたら、Iメッセージで伝えようと思いました。
「私は、(あなたの存在を・あなたの言動を)こんな風に感じました。」という風に、自分を主語とした
Iメッセージで。「あなたは、〜〜です。」というあなた主語のフィードバックは、時として相手を不快に
させてしまうことが多いように思います。また、もしリクエストがあるなら「〜〜してくれた方が、嬉しい
です。」という風にアサーティブな表現を駆使して、相手と快適な関係を創っていけたらいいなぁ〜と
思いました。
人間関係ファシリテーションは、コンテンツよりコンテクスト。文脈の中で、どう相手との関係を紡いで
いくのか…。ようやく、ベーシックの入り口にたどり着いたような気がします。                              
(長野から参加のBさん)

1日目 「自己開示とフィードバック」
このテーマに沿ったワーク作成⇒実施⇒振り返り という流れのプログラムでした。
「今、ここで起こっていること」にフォーカスしたワークを作ろう!と、グループで話し合いを進め、実施
しました。
ワーク実施後の振り返りの中で、気付いたのですが、私の意識は、「今ここで起こっていることに目を
向ける」よりも「作成意図に沿ってプログラムが進む」ことに傾いていました。
その後、自分たちが体感する番が回ってきました。
この中で、私は貴重な体験をしました。自分の中にある違和感について、「これは私だけのこだわり
だし」「うまく説明できないし、時間が掛かるし」と思い、口に出さずに居ることを選択しました。
ワーク終了後、振り返りの中で、ファシリテーターの方が、この違和感について扱ってくださり、
それによって、皆さんに私の違和感を理解していただくことができ、口に出して説明したこと、
それとFBを受けたことによって、私の中での理解も深まりました。
今、思うのですが、あの場には、ファシリテータのふじさんと参加者の皆さんが作った「話してみようか
な」と思える雰囲気がありました。
雰囲気は生ものなので、次の瞬間には変わってしまうかもしれません。
でも、参加者の皆さんがその雰囲気を作るお手伝いをするのがファシリテーターの役割なのか?
と思いました。

2日目 「自己概念と固着化」
印象的だったのは、「グループカウンセリングではない。場を明確にするためのファシリテーションを
する。」ということでした。
場を見ることよりも、一対一の関係性に眼が行ってしまいがちなので、ハッとしました。
この日の研修を通して、「今ここのその人、今ここの場」に目を向け、働き掛けられるようになって
いきたいと改めて思いました。

これで、6日間の「ベーシックコース」が終了しました。
「ベーシック」とは言え、内容はとても深く、改めて考えさせられることばかりでした。
ぐるぐる回って、やっと入り口に立ったという感じです。

今後、実際のファシリテーションの場面での実践もしつつ、さらに学習をしていきたいと思います。
まろさん、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。        (甲府から参加のTさん)

ベーシック5・6回目をおえて
私はもともと自己分析をよくする人だと思っていました。今回は、テーマ的にも「自分自身を振り
返って自己開示や自己概念を考える」ということが多かったのですが、今まで以上に深まり
ました。
普段なにげなくしている自己開示ですが、相手によって、場によって開示の量を変えていたんだ
なぁというあたりまえのことが意識的に考えられたのは、いい発見でした。
自己概念に関しても、自分が思う自分だけでなく、人にはこう思われているはずの自分をだいぶ
意識していることに気づきました。他人しか知らない自分をどんどん知り、ジョハリの窓をあけて
いきたいと思います。ワーク中は自分のことで精一杯になって、自分のことばかり考えていました
が、会社の会議があり今回のベーシックを重ねてみることによって、場での自己開示・自己概念
の大事さが実感できました。ファシリテーターとしてファシリテーションをする時には、自分ではなく
場を見なくてはいけないので、自分自身のことを理解していることが重要なんだと思いました。

ベーシックコース全6回と通して受けてみて
新しい視点の発見ばかりで、新鮮な気持ちで受けることができました。
会社での私の役割的には会議の場に出席する機会が少ないので、勉強したことを実際の生活で
直接生かすというチャンスは少ないのですが、まずは新しい視点を発見できたことで、会社の
状況を理解する力が増えると思うし、中間層の立場だからこその人間関係を深めるキーパーソン
になっていきたいなと思いました。
ここからが私のファシリテーションのスタートとなるので、いいスタートが切れたと思います。
このセミナーに出会えたことに感謝☆☆☆
                                         (浜松から参加のYさん)


2010年のベーシックコースはこれで終了しました。
2011年も3月から5月にかけて行う予定でいます。
ベーシックコースは人間関係ファシリテーションが扱う基本的な事柄がテーマになっています。
またここでの学び方は「体験学習方式」で行いますので毎回そこで起きることは新しいことです。
学びは積み重ねることで役に立つのですが、同時にそのことによる弊害(見方や考え方が固定化される)も
生じます。それを打ち破るのが、常にそこにいる人やグループまた場を「Here and Now」に見れるか
(感じられるか)ということです。
その鍵を握ってるのが「プロセス」です。
人間関係の学びに卒業はありません。またのご参加を心からお待ちします。
(2010年6月24日まろ)


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