2010年ベーシック第1回、2回目レポート

2010年ベーシックコースの第1回と2回目が3月13日(土)、14日(日)に甲府市で
行われ、長野、山梨、浜松、東京、そして横浜から延べ11名が参加されました。
以下に二日間の概要をレポートします。

写真は3月13日(土)のひとコマから


第1回目(3月13日)の日程(実績)

時間 内容
10:08〜 ・今回のテーマの説明
・「ペアーで自己紹介」時間は6分間。
10:20〜10:26 同じペアーで
・「今の自己紹介中に感じていたこと、思っていたこと、考えていたことで
 相手に話さなかったことについて話す」時間は6分間。
10:28〜10:38 ・次に「2回やってみて感じたこと、その違いについて同じペアーで話す。」
 時間は10分間。
10:40〜 ・全体会
11:08〜 休憩
11:16〜 ・別のペアーをつくる。
 「自己紹介をしながら、その時に思っていることや感じていることを伝える
 ようにする」時間は10分間。
11:26〜 ・やってみてどうであったかペアーで10分間をふりかえる。
・全体会
12:20〜 資料「ファシリテーションについて」配布
12:30〜13:30 昼食と休憩
13:30〜 ファシリテーションを体験する。
fish bowl(POPOPO)を使って行う。
13:42〜 P(こうちゃん、文ちゃん、ちゃの、なおみさん)
O(ゆみこ、ガクジン、ふじさん)
15:05〜15:20 休憩
15:20〜 役割交替
15:42〜 4人と3人の2グループに分かれて付箋に「自分がファシリテーション
したと思う事柄」「他人がファシリテーションしたと思う事柄」を書き出す。
グルーピングし表札を書く。
展示発表。
Q&A
17:28〜17:58 「今日一日をふりかえって」Fa:こうちゃん
17:59〜 Faへのフィードバック



第2回目(3月14日)の日程(実績)

時間 内容
10:20〜 今の気持ちの交換
10:30〜 ・短いワークの体験
・ふりかえり
11:45〜12:45 昼食と休憩
12:45〜 ・資料「プロセスについて」配布。
 黙読。
・プロセスグループの体験
 Fa選出。
 役割カードを渡す。
12:50〜13:50 ・課題の無いグループワークの体験。
 Fa:ふじさん
13:50〜 全体会
15:37〜 Faへのフィードバック
16:12〜16:52 ・課題のあるグループワークの
 体験
 Fa:ガクジン
16:52〜 全体会
17:40〜 Faへのフィードバック
18:10〜 2日間を終えて



参加者の感想から

ワークのシェアの場で感じること、ワークの会場から離れ、ふと「あの時の、あれは・・・」と
感じること様々です。
今回、フィッシュボールで感じたのは、ワークの与えられた課題に夢中になると「普段の自分
が出る。」ということでした。
普段の行動パターンとか、普段の自分の行動の傾向が付箋に書き出され、外在化することで
「へ〜。私ってこんな風にしてたんだ」というのが、人の視線で見えました。
特に、付箋のグルーピングで「司会・進行」の囲みにワークの最初と最後に私が言った言葉
とノートにメモを書き出した、という行動が入りました。そこをメンバーに聞かれ「意識して言った
りやったりしたことでなく、普段普通に、そういう状況で自分がやっていることです・・・。」
とシェアの場で何気なく応えました。
が、家に帰ってしみじみ、自分の普段の行動パターンなのだと自覚しました。
ワークの場で、素の自分・普段の自分の行動パターン・
自分が何気なくしていること(当たり前すぎてわざわざ意識しないレベルの)に、まず気付くこと。
当たり前すぎて自分でも意識しないでやっているレベルのことに気付けたら新たなやり方を試し
たり、今あるものを強化したり、意識して言動をコントロールできるんだろうなぁ〜、と改めて思い
ました。ただその時に、良い・悪いで評価しないことが、とても大事だと思いました。
それは、参加者としても。ワークリーダーとしても。自分自身で、良い悪いを評価してしまうと、
ワークに参加したことが苦しくなってしまうでしょう。
また、ワークリーダーとして、メンバーのそういう思いを敏感に察知してフォローすることは、とて
も大切な役割ではないかと思いました。
自分で気付いたことに、○。
それを今後どういう風にして行くかは、その人の選択。
その人の選択を尊重し、時に背中を押したり見守ったりできる、器の大きな人になりたいです。
今後、ワークリーダー或いはファシリテーターとしてその人の気付きを慎重に大切に扱おうと
改めて思いました。
普段の生活で人は、目の前のことを、良い・悪いに分けて評価しがちです。
でも、ワークでは良い悪いを仕分けすることが目的でなく、普段の自分に気付き、それと向き
合ってこれからどうしたいのか、他にどんなやり方があるのか、考えたり試したりできる場で
あるということ、自分の中に、明確にしておこうと思いました。
今回のベーシック、最初の自己紹介と二回目の自己紹介の違い。
ゆみこさんの気付き、「二回目がやりやすかった。距離が縮まる感じがした」に教わること大き
かったです。
これから、ワークの場で、活かしたいと思います。         (長野から参加の文ちゃん)
ベーシックコースの3回から始めて4・5・6と最後に1〜2回の受講になってしまい、何かスッキリ
したものが見えてくるかもしれないと期待して参加しました。
感想を書くにあたっては基本的には忘れない内にするんですが、今回は時間をおいて何か見え
てるものがあるかな〜と思い時間をおいてみました。
第1回では、金魚鉢による参加者とオブザーバーのそれぞれの視点での違いが楽しかったです。
双方の立場になってみないと分からにことが意外と多く、立場は同じでも個々に注目する点が
違って勉強になりました。ただ、限られた時間で課題を達成することと、その場の状況を大切に
することの整合を取ることが難しいと思いました。
第2回では、テーマが無くプロセスだけを扱うファシリテーションでは長い沈黙と様子見でムズ
ムズ感最高でした。途中から成り行き任せで何かがあるのかも?と開き直りましたが、その場
ではよく解らなかったです。今になって思えば、プロセスを扱うことだけがファシリテーションでは
ないように思います。その後、僕がファシリテーターをさせていただいたのですが、得意な課題
にも係わらず「プロセスの重要性」に捉われて硬直。プロセスも扱えず、結果を出したい自分を
抑えて課題もまとめられず時間切れに・・・。
あまりゴチャゴチャ頭で考えて身構えてしまうと身動きが取れなくなってしまうので、自然体で
ファシリテーターができるようになりたいと思います。
今回は何か掴んだとは思えなかったのですが、柔軟に対応できるようになるための経験を積む
こと、課題を現状の自分達に投影して考えてみることを体験から学びました。
                                       (山梨から参加のガクジンさん)
ファシリテーションが何かわからないような状態で参加した私は、全ての体験が驚きでした。
日常のコミュニケーション場面に小さなことで状況が大きく変わる!!!
相手との距離感・関係性・空気など・・・
2日間で何度もそれを感じました。ただ、その小さい変化を与えるのが難しいとも同時に感じ
ました・・・
たくさん感じたことがあるのですが、表現力がないので、うまく言えません。
他の方はもっとたくさん吸収して帰られたのかもしれませんが、私にとっては、ファリテーショ
ンってどうやらすごいことみたいというような漠然とした驚きを感じることで精一杯だったよう
です。
これからベーシックコース引き続きうけてみたいと思いますので、もう少し知識深められたらと
思っています。ありがとうございました。                (浜松から参加のゆみこさん)
先日は、ありがとうございました。
おかげさまで、有意義な時間を過ごすことができました。
一日目は、私以外の他の皆さんはお知り合いが多かったようで、この中でどのように過ごして
いけるのだろうか、と不安と緊張もありましたが、その不安も二日目には解け、ゆったりとした
気持ちで過ごすことができました。
私にとって、大きな気づきだったのは、コンテントとプロセスの話です。
プロセスを丁寧に扱わないまま、コンテントで結論めいたものが出たとしても、それは、果たして
腑に落ちた結果になるのだろうか、ということです。
振り返ってみると、カウンセリング(1―1)関係の中では、そのことを意識しておりましたが、1―
他の集団になった場合は、コンテントを進める方に意識が行ってしまうことが多かったように思い
ます。
その場の目的に応じて、コンテント/プロセスを扱うバランスを意識することができるようになれ
たら、素晴らしいな、と感じました。
まろさん、ご一緒に学んだ皆さん、ありがとうございました。
                                         (山梨から参加のちゃのさん)
2日間を通じて、何を学ぶのかを自然な形で段階的に取り組めた ので、とても学びやすかった
です。初日には、表明していなかった ことを意識的に取り扱う難しさを、専門用語や理論を使わ
ずに体験 的に学べたことが新鮮でした。
同じ人と、意識して取り組むと少し ずつ扱いやすくなる「表明されていないもの」も、ペアから
3〜4 人、さらに大人数へと関わる人が増えることで、格段に難しさが増 すことに気づきました。
金魚鉢のワークでは、外側で観察している と自分が直接関わって相手の「表明されていない
もの」を引き出す ことができないため、「あの人は、こう思ってるんじゃないか」と いう勝手な思い
込みも生まれやすくなるのではないかという仮説も 生まれました。
2日目は、人間関係ファシリテーションで扱うプロセスとは何か について、視覚的に理解できた
ことが有意義でした。自分の中を紐 解いて模造紙へプロセスを明らかにしてみると、その中に
対人関係 のプロセスやグループのプロセスも含まれていることが判りまし た。他の人のものと
見比べながら、どのプロセスに意識が向いてい るかや、主観が強いためにグループを見ている
けれどもグループの プロセスを見ていないことがあることにも気づきました。
ファシリ テーターを体験させてもらうことで、自分が個人内のプロセスを扱 い過ぎる傾向がある
ことも発見しました。グループプロセスを頭の中で認識していても、自分のプロセスを適切にコント
ロールできな いと、メンバーにとって有益な指摘ができないことを体験し、観察 することと介入
することの間に自分のファシリテーションの課題が あると思っています。
また、メンバーであれファシリテーターであれ、発言の際に根拠となるコンテントを挙げてプロセス
に言及しな いと伝わりにくいことを体験し、コンテントとプロセスを両輪とし てキャッチする重要性
を理解出来たように思います。
今回の参加メンバーにも多様性を感じることができ、改めて一人 ひとりの違いを尊重しつつ、
分かり合おうと学ぶ場の有効性を有難 く感じています。
                                          (東京から参加のふじさん)


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