2009年ベーシックコース夏期第5回、6回のレポート

2009年最後のベーシックコース最終講のレポートです。
参加者は延べ10名で兵庫、千葉、山梨から参加されました。

第6回「自己概念と固着化」から。自己概念と他者にこう思われている
だろう自分、そして他者に写っている自分を書き出してみると…


第5回の日程(実績)

時間 内容
10:00〜 今日のテーマについて。
本日予定していたテーマを明日に、明日のテーマを今日やりたい旨の提案。
簡単に自己紹介。
10:15〜 今日のテーマ「自己開示とフィードバック」
今日の進め方の提案。
自己開示とフィードバックのお互いのイメージを出し合い、自分たちで実習
(ワーク)を創り、体験をふりかえり、最後にまとめをするまでの一連の流れを
体験する。ファシリテーターを決める。
10:20〜11:47 テーマのイメージの交換とワークの準備。
12:07〜 ワークのねらいの確認
12:09〜 Gさんがファシリテーターになる。
12:20〜13:20 昼食
13:20〜15:25 ワークの体験
15:25〜 休憩
15:35〜 ふりかえり
17:35〜18:00 ファシリテーターへのフィードバック


第6回の日程(実績)

時間 内容
10:10〜10:55 昨日の感想。
今日の進め方の提案。ファシリテーターはTさんに決まる。
10:55〜 準備のための話し合い。
12:05〜12:10 休憩
12:10〜14:00 昼食と準備
14:00〜 模造紙に転記
14:30〜 一人ずつ発表。
16:02〜16:10 休憩
16:10〜16:30
16:30〜 ふりかえり
16:45〜18:20 ファシリテーターへのフィードバックと感想


参加者の感想

とても有意義な2日間を過ごさせていただきました。
僕がいかに話の内容(コンテント)に捉われていたか、相手を思うより自分の思い、考えを
言っていたことに気がつきました。自己開示とフィードバックにおいては、そのこと(自分の
思い、考えを言うこと)が相手の心を閉ざしてしまい自己開示の妨げになってしまうんだと
思いました。
それでも一晩寝て考えてみると、自己開示が進んだ勢いで最後の方は、めちゃくちゃ自分の
考えを押し付けようとしてました、、、すみませんでした。
それと、「ジョハリの窓」は知識として知っていても、実践でどう適用できるかが体験できて
本当の意味での理解、虚が実になった気がします。社会福祉士の肩書が恥ずかしく思います。
知識を本当に自分のものにするには、実践とフィードバックの繰り返しが重要だと実感しました。

自己概念と経験の図は少し意味は違いますが、落ち着いてプロセスに関われるファシリテー
ターは自己概念と経験の両方が広く、その多くが重なっているんだと思います。
まさに、ベーシックコースの最後で人間関係ファシリテーター像が見えて、その第一歩が踏み
出せた気がします。1・2回は受けてないんで、これからですけど (*^_^*)
普段の生活でも、感じたことをフィードバックしてみようと思います。
また、ファシリテーターとしての学びだけでなく、自己開示のテーマによって参加メンバーが
お互いを深く知ることができたと思いました。                 (山梨から参加のGさん)
参加者の皆様、2日間本当にありがとうございました。
今回は自己開示・フィードバック・自己概念をテーマに学びましたがこのメンバーだったからこそ、
深い学びになったと感謝しています。そして何と言っても「学びの仕組み」が、私たちに大きな
気付きを与えてくれたものと感動しています。
自己開示・フィードバックの、言葉の概念を照らし合わせ〜実習を作り〜実施するという流れの
中、コミュニケーションにおける大きな葛藤はなかったものの実習は正に、「その人を知る」結果
となりました。そのような実習ができたことも感動です。
Tさんは自分の価値観と葛藤しているんだ。
Gさんは以前とずいぶん変わったんだ。
Mさんは心に大きな深い川が有るんだ。
Nさんはこれからの関係作りに大きな思いを抱いているんだ。
そして私は…負の感情を抱いてはいるが、忘れることを学び続けてきたんだ。それも、生きる力
かな、と。
僅か数時間のワークではありましたがその人の「ありのまま」を見ることができたように思います。

自己概念を学ぶ場面では、かなり深い部分まで入り込む対話が有りプロセスを扱いながら、多く
の学びになったものと思います。私は、自己が素に近い状態で表明されていることは知っていま
したがまだまだ成長の余地があることも認識できました。嬉しい限りです。
これまでも、度々勉強に伺っていましたが参加メンバーやテーマにより、その度新たな学びを得る
ことができる!私にとってはかけがいのない場所であることを、再認識しました。
「今、ここ」に居るメンバーを深く知ることにより、本音で関わることにより人間関係は‘おもしろい’
ものになる。改めて実感した2日間でした。                  (兵庫から参加のOさん)
1日目【自己開示とフィードバック】
まろさんからの提案「第5回、第6回を入れ替えてやりましょう」ということで【自己開示とフィード
バック】を行うことに。そして「今日はみんなで考えたワークをやってみましょう」(せっかくの少人数
だからこういうのもいいかも)気をつけるポイントは「どんな体験をすれば自己開示できるか?」
半年振りのベーシックということで少々緊張気味な私。
G君にファシリテーターをお願いして、私は俯瞰的なポジションをとりつつ、早く慣れるようにサポート
役にまわった(つもり)
まずはメンバーと意見交換開始、G君は緊張気味(ごめん)
「こういうのはどうだろう」「この『テーマ』でつくってプレゼンしよう」「でも発表するだけにならない?」
「葛藤が入るようにしたいね」「意見をぶつけあえるのがいい」「収束する過程がないとぶつけられ
ないよね」「じゃあ『テーマ』の冒頭に『私の』って付けたら?」
みんなで選んだテーマは「自己開示のための起点」といってもおかしくない「深〜い」モノだった。
今の私にとっては一番悩んでいることだったので「丁度よかった」という気持ちが半分程度。
みんなで出し合った意見を元に手段を決めて発表。
やはり、各々のルーツに関わるテーマだったので、言葉につまる部分も見受けられた。
「Tの問題は解決していないんじゃない?」「もっと自分と向き合わないと」
良く思われていたかったという気持ちと本当の自分を開示したい気持ちが葛藤していたが、
今回の自身に課したテーマ「隠さずさらけ出そう、すべてさらけ出そう」を何度も思い返し途中、
何度も苦しかったけど本音で答えることに努めた。
「そういう人だったとは思わなかった」というメンバーからの一言もあった。
好意的に持ってもらっている「良いパパ像」に違和感(というより申し訳ない気持ち)を 持っていた私
としては、「これは成果と取るべき?後悔すべき?」と考えながらも、開示についてはまだまだ道
半ばといったところで1日目を終えた。


2日目【自己概念と固着化】
まろさんからの提案「ワークの用意はしてるけど、昨日の続きをやるのも手だと思うんだけど」
(やはり、そうですよね。賛成。)
与えられたワークでなく、自分たちで作ったものをやってみる。モチロン答えは用意されていない。
私自身、いままでのワークで「はい、終わり」の声と同時に誰からともなく出ていた「まろさん、
これでいいの?」という問いかけに「いやいや、まろさんがいいか悪いか判断する部分だけじゃ
ないでしょう?」と違和感を感じていた部分が(少なからず)あった。そこで何かが生まれるワケ
だから「いい」も「悪い」も、ましてや成功も失敗もないハズ。
で、今日のファシリテーターは・・・ボクだよねぇ?(ホンネは是非やりたかった)
「これから午前中にテーマを決めて、10時半からスケジュールと内容を作りましょう。」
「昼からワークして15時からふりかえりをしましょう・・・」(あれ?みんなの気持ちが引いてる?)
そこでまろさんの一言「なんか一人でやってるように見えるよ」やっちまった!ここで悪い癖が
でてしまった。
この行動にメンバーからの意見は「置いていかれてるような気がした」「なんでそんなに決めて
いきたいの?」(不安だから)「何が不安なの?」(方向が見えていないことに)「なんで方向を
決めたいの?」(失敗したくないし・・・)「みんなで考えればいいんじゃない?」(そうか!失敗して
もいいんだ!)
そもそも何をもって失敗かなんてないし、体裁にこだわって掘り込めないことが失敗かも知れない。
失敗した自分さえも「受け容れよう」そう思うとスーッと心の中が軽くなっていくのを感じた。
仕切りなおしで「どうやってすすめていこうか?」と話し合っているところで提案がひとつ。
「シートを作ってさ、それにみんなで書き込んで・・・」
「それ、いただきましょう」(話し合いの中で生まれてきたものだから受け容れよう。)
メンバーからの「すごい柔軟だね」の言葉に、気持ちの切り替えが出来てきてるかなと自身を計り
つつ、時間を気にしないように(汗)ファシリテーターを忘れないように・・・(なすがままにまかせ
よう)自己概念と固着化をもとにしたテーマをシートに記入して発表。
私の番になると「・・・・・・・」(あれ?みんなどうしたの?)
「T(私)の自己概念ってネガティブなことばかりだね」(たしかに)「これで頑張っていけるハズが
ない」「非常に危ういよ」(でも、おしりに火が付かないと頑張れないタイプだったからなぁ・・・
そういえば、こういう考えで頑張ってた時期があったっけ。)
「いったいTはどこにいるの?」「Tはこれからどうしたいの?」
エピソードとともにもう一枚、自己開示。質問に答えていくにつれ、自分でも忘れていた自分の地層
が一枚、一枚とはがれていく気がした。
自分の感情を消して、苦痛を感じないよう心を殺していた時期、相手の気持ちが意識できるように
なってきた今。
そして自分の本音「世の中には驚くほど頭の切れる人がいる、私は到底およばない。
人が3日で出来ることでも私は10日かかってしまう。だからみんなが寝ている時、遊んでいるときも
努力しなければならないことがコンプレックス。」
メンバーからの「苦労しているから、興味深い話しが出来るのでは?」といったフォローが痛いほど
ありがたかった。
(そういえば講師の仕事でも私の失敗から入る講義は妙にウケてたっけ)

2日間を通して、今回の自身に課したテーマの「さらけ出す」事については8割方達成できたと
手ごたえを感じた。ただ自身のことについては正直「まだまだ」と痛感した。
1日目の「自己開示」に対しては、以前から抵抗はあったが、他人との共有感を得るためには
どうしても乗り越えないといけない壁であること、2日目の「自己概念」については悲観的に考えすぎ
ていることをあらためて認識することとなった。
理屈としてはわかっていたつもりだったが、いつの間にか自分自身と向き合うことを避けていたの
かも知れないと反省。「もっと自分と向き合わないと」という言葉が頭の中で響いている。
今回のワークはなかなか消化できそうにないけど、なにか、どこかで一歩踏み出せたような気が
した。

今回のワークを他の人がファシリテーターをしたときにはどういう展開になるんだろう?
これは次回の楽しみとしてとっておきたい。                    (千葉から参加のTさん)


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