夏季ベーシックコースのレポート

2008年7月、8月、9月に行いました計6回の夏季ベーシックコースの概要をレポートします。
延べ38名の方々が参加されました。

9月の最終回のテーマは「信頼するということ」。メンバーのうち2名が
ファシリテーターをすることでその姿勢、関わり方からテーマについて
考えてみました。写真はFさんとPさんがファシリテーターとなり、目隠し
探索のふりかえりをしているところ。この後にクリティークの時間があり
テーマに沿って話し合いがもたれました。

7月の第1回目。テーマは「プロセスを引き出す」。人間関係ファシリテー
ションで最も大切なテーマ。このプロセスの理解ができるかどうかが
ファシリテーションの深みつまり人間関係の核心に触れることができるか
どうかの鍵を握っていると考えます。写真は自己紹介の時間に感じていた
ことや気づいていたことで、口には出していなかったことをラベルに書き出
し検討しているところ。

受講者の感想から
東京からご参加のOさん(研修トレーナー)
「2001年から企業研修のトレーナーという仕事についています。その間それなりに場数を踏み、自信を
つけた面も多々あると思っていたのですが、ある時ふと「生身の人間と関わる仕事に『自信』などもって
いいのだろうか?」という疑問がわき、もう一度原点に立ち返ろうということで受講を決めました。
トレーナーという仕事柄、ベーシックコースで学んだ内容そのものは特に目新しいものではありません
でした。しかし、頭では理解しているつもりでいた事柄を実習という形で体験することで、自分のさまざまな
特徴や持ち味に気づくことができました。まさに、私や他の参加者の中にあるさまざまな力を引き出して
(ファシリテートして)もらった実り多い6日間でした。

ベーシックコースそのものとは全く関係のない話ですが、私はつい先日、小学校1年生で習ったある漢字
の書き順を間違えて記憶していたことに気づきました。ある人がその漢字を自分とは違う書き順で書いて
いるのを見て、相手が間違っているはずだと思いながら辞書で調べてみると、何と自分のほうが3画目と
4画目をあべこべに記憶していることが分かったのですーーしかも40年以上の長きにわたって! 実に
些細なことですし、もう漢字のテストを受けるような年でもありませんし、多少書き順を間違えたとしても
何ら実害はないのですが、その時以来「漢字を書く」という行為に対する私の態度は、明らかにそれ以前
とは変わってきているように思います。

私にとって6日間のベーシックコースで得られた気づきは、これと同じようなものだったと言えるでしょう。
40年以上も「当たり前だ」「みなそうなんじゃないかな」と勝手に思っていたことが、実はそうではなかった
ーーこのことに気づけたおかげで、これから先の人との関わり方が、少しずつ(でも確実に)変わっていき
そうな予感がしています。
そして企業研修のトレーナーとしては「自信がある」とか「自信がない」とか余計なことを考えずに、(今まで
よりは)自然体で受講者に向き合えそうな気がしているところです。

最後になりましたが受講者のみなさん本当にありがとうございました。みなさんのおかげで楽しく充実した
時間を過ごせました。
(Oさんはこの後、10月24日からの第16回スキルコースに参加される予定です。)

横浜からご参加のKさん(行政書士)
このベーシックコースは、私にとって6月に参加したスキルコースからのひとつの流れの中にありました。
今までは、ファシリテーションというものにただ何となく触れていただけでしたが、今回の受講により
やっと自らの立ち位置を確認し、前を見ることができました。人との関係性を扱うファシリテーションの
巨大な世界の入り口に立てた、そんな気がしています。
(Kさんは6月の第15回スキルコースに参加された後に、ベーシックの第1回、2回、5回と6回に参加され
ました。その数年前からファシリテーションの勉強をされてる方です。)


八王子からご参加のPさん(OL)

体調も万全ではない中、すごく久しぶりに受けるファシリテーション講習。
朝、家を出る前からドキドキと不安が入り混じった気持ちで会場へ向いました。
他の参加者の方達は続けてこのファシリテーション講習を受けたり他で勉強をされて
いるだろうし迷惑を掛けては、との気持ちもどこかにあったのでしょうが、その場の状況を
そのまま受け入れる気持ちになったからなのか、一人、また一人とメンバーが集まってくる中
ちょっとずつ力が抜けていきました。
1日を終えての素直な気持ちは思い切って受けてよかったということです。
改めて言葉の大切さ、殊の外ファシリテーターの発する言葉の重み、重要さを感じました。
また、自分で最初に決めた方針、やり方に関しては(ケースバイケースでしょうが)メンバーからの
質問などに流されることなくうまくかわしつつ進めることも重要だなと思いました。ファシリテーター
の気持ちがぶれてくると、それを微妙にキャッチしてメンバーにも伝わってしまうのだなと。
いずれにしても自分にとって大切な事を気づかせてくれた1日となりました。
ありがとうございました。
(Pさんは第6回を受講されました。現在OLですが、エデュケイション・ラボラトリー主催の子供たちの
ための「サマーキャンプ」のボランティアスタッフを長年されてる方です。子供の教育や野外教育の
経験が豊富です。)


参加された方々の感想が届き次第順次掲載する予定です。

実績

回数 時間 内容
第1回:7月26日
テーマ「プロセスを
引き出す」
10:05〜 今回のテーマの提示
10:10〜 自己紹介
10:40〜 自己紹介時のプロセスを書き出す
11:10〜 自己紹介のふりかえり
12:00〜 ふりかえり時のプロセスを書き出す
12:30〜13:30 昼食
13:30〜 プロセスの検討
14:24〜 ふりかえりについて
体験学習の循環過程
プロセスのレベルについて
グループプロセスの体験
グループプロセスのふりかえり
資料配布「プロセスとその重要性について」
第2回:7月27日
テーマ「ノンバーバル
サインに気づく」
10:00〜 昨日の感想のシェアー
10:40〜 今日のテーマについて
10:45〜 対人関係の実習
11:05〜 ふりかえり用紙の記入
11:25〜 ふりかえりのシェアリング
12:30〜13:30 昼食
13:30〜 ふりかえりのシェアリングの続き
14:00〜 無言のグループワーク
14:42〜 今の感じを書く
14:58〜 グループワークの再開
15:17〜 ルールの解除
15:40〜 ふりかえり
資料配布「ノンバーバルサインに気づく」
17:07〜 まとめ
第3回:8月30日
テーマ「今この場を
扱う」
10:47〜 今回のテーマの提示
11:02〜 課題のないワーク1回目の体験
11:52〜 ふりかえり
12:30〜13:30 昼食
13:30〜 ふりかえりのシェアリング
14:30〜14:50 休憩
14:50〜 課題のないワーク2回目の体験
15:25〜 メモ
15:45〜 課題のないワーク3回目の体験
ふりかえり ワーク2回目と3回目で気づいたことを
メモ
ふりかえりのシェアリング
まとめ
第4回:8月31日
テーマ「自分を理解
できる範囲でしか
他人を理解すること
はできない」
9:58〜 今回のテーマの提示
TSTの記入
印象を模造紙に記入
12:30〜13:30 昼食
TSTから模造紙に記入
ふりかえり用紙の記入
ふりかえりのシェアリング
16:15〜 CPSI理論から
・自分がこれからとろうとする行動について書く
・各メンバーはどのような行動をとろうとするかについて書く
16:46〜17:26 グループワーク
今のワークで印象に残っていることを書き出す
循環があるかどうかの検討
資料配布「自己概念」「CPSI理論」
まとめ
第5回:9月27日
テーマ「心の声を聴く」
10:02〜 自己紹介
10:22〜 今回のテーマの提示
10:28〜 ワークの体験「愛妻記」から
11:00〜 ふりかえり用紙の記入
11:30〜 ふりかえりのシェアリング
12:07〜 全体会
12:30〜13:30 昼食
13:30〜 全体会の続き
15:00〜 実習「家族の風景」
16:20〜 ふりかえり用紙の記入
17:00〜 ふりかえりのシェアリング
17:40〜 まとめ
第6回:9月28日
テーマ「信頼するという
ことについて」
10:00〜 自己紹介
10:50〜 今回のテーマの提示
クリティークについて
11:00〜 チーム別打ち合わせ
11:50〜12:30 昼食
12:30〜 実習1「謎のサファリパーク」
ねらい:自己表現・言葉以外のコミュニケーション」
13:40〜 クリティーク
14:10〜 実習2「目隠し探索」
15:30〜 クリティーク
16:10〜 実習3「はなやかーーー落ち着いている」
ねらい:自分のものの見方考え方、他人のものの見方
考え方に気づく
クリティーク
17:45〜 まとめ
クロージング

2008年のベーシックコースは全て終了しました。2009年は春季は3月から夏季は7月から行う予定です。
具体的な日程のご案内はしばらくお待ちください。

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