ファシリテータートレーニング第17回スキルコースレポート


第18回スキルコースは2009年10月10日(土)〜12日(月)にかけて旧江草小学校で
行われました。参加者はファシリテーターを含めて8名、介護施設管理者、コンサルタント、
キャリアカウンセラー、研修講師、人間関係ファシリテーター、教材開発者の方々でした。
以下に3日間の概要をレポートします。

日程(実績)

時間 内容
初日 9:00〜 ねらいの共有化づくり
9:30〜 発表とシェアリング
10:15〜 ふりかえり
11:00〜11:15 休憩
11:15〜11:45 Faまろに対する
クリティーク
11:55〜 これからの予定の提案
12:25〜14:00 昼食と準備
担当Fa:Kちゃん、Fさん
Fa:Yさん、Aちゃん
Fa:Nさん、Y
14:00〜14:40 ねらい:他人を通して自分自身について学ぶ
テーマ:「居心地のよいグループとは」
Fa:Kちゃん、Fさん
14:40〜 休憩
14:52〜 ふりかえり
15:48〜 休憩
16:03〜17:05 クリティーク
17:05〜17:20 休憩
17:20〜 ねらい:自分と違う意見を主張したり、主張されたりする時に
起きるプロセスに気づく
テーマ:癌の告知の問題
Fa:Yさん、Aちゃん
18:00〜 休憩
18:07〜 ふりかえり
18:52〜19:00 休憩
19:00〜 クリティーク
2日目 8:40〜 ねらい:グループやグループメンバーに対しての自分の
関わり方の特徴や課題に気づく
Fa:Nさん、Y
9:25〜10:23 ふりかえり
10:23〜11:15 クリティーク
11:15〜 前半のふりかえりと後半に向けての提案
12:00〜14:00 準備と昼食
14:07〜 ねらい:自分の他者への働きかけの特徴に気づく
テーマ:「よい上司とは」についてグループの見解を出す
Fa:Yさん、Aちゃん
14:37〜14:45 休憩
14:45〜15:50 ふりかえり
16:05〜16:48 クリティーク
17:00〜 ねらい:私のフィードバックの特徴から私の関わり方の特徴に気づく
テーマ「2日間を通して感じたメンバーの印象をフィードバックする」
Fa:Kちゃん、Fさん
17:52〜18:00 休憩
18:00〜18:05 ストレッチ
18:05〜18:54 ふりかえり
19:05〜20:00 クリティーク
3日目 9:08〜9:55 ねらい
テーマ
Fa:Nさん、Y
10:05〜 ふりかえり
11:05〜11:15 休憩
11:15〜 クリティーク
11:45〜12:00 クロージング (それぞれ一言述べて終る)




参加者の感想

(最後のふりかえりでもコメントしましたが)ファシリテーター
も含め全員の存在を感じられた体験、繋がった体験は他
では得られないものだったと思います。
また2日目以降は自分にとっていろいろなチャレンジでした。
今まで私自身、自分で殻をやぶろうとしていなかったことに
気づきました。もっと自由でいいんだとも思いました。そして
今回チャレンジできたのは仲間の力があったからできたのだ
と思います。
今回初めて同じペアーで2回ファシリテーターをやりました。
いろんな人と組んでみた方がいいのかな、と初めは思って
いましたが、Yさんが一緒にやりたいと声をかけてくださり、
ファシリテーター2人の関係性がグループへ関わる時に大きく
影響することが体感から分かりました。
(東京から参加のAさん)
自らの体験を通じて、体験することの大切さと、体験の持つ力
の大きさを実感しました。
3日間で得たものは、自分や人の弱さ・痛み・苦しさを感じる
ことで、無関心や避けようとする気持ちが、共感しようとする
気持ちに変わっていく過程を体験できました。またOJTでは
実現しにくいことが、トレーニングの場で経験できる素晴らし
さも再認識しました。
日頃、職場や仕事柄上手くできないこと、苦しみ悲しみ、あせ
りやあきらめを持つ人に向き合うことが多く、そのことを強く
意識して「何とかしなければ」との思いと現実とのギャップに
戸惑っていましたが、3日間のトレーニングを通じてこれまで
の自分の共感する力が十分でなかったことを思い知りました。
(姫路から参加のYさん)
トレーニング全体について満足しています。いろいろな体験
からたくさんのことを学べたからです。ただたくさんありすぎて
具体的には書けませんが…。
3日間で得られたものは、グループで活動することの大切さと
素晴らしさ。自分の関わり方の特徴。ファシリテーターの姿勢、
ファシリテーターはグループの何を見なければいけないのか
などを再認識できたことです。得られなかったのは自分のファ
シリテーションへのフィードバックです。
トレーニングで感じた問題点は、ワークを設計する必要があっ
たかどうかです。個人的にはワークを創っている時間がとても
楽しく、いい時間だったのですが。「起きたことから学ぶ」が
基本なので、何からでも学べると言う意味ではOKなのです
が、トレーニングのねらいに即してどうだったのか、組み立て
のところで疑問が残りました。でもそれが今回のファシリテー
ターの姿勢だったのでしょうね。(山梨から参加のNさん)
トレーニングなんだと意識しようと思って参加したが、あまり
自覚できなかった。全体としてリアルな営みの中で、自分の
関わり方、在り方を超えた、存在そのもの自分を受け入れる
ことを考えさせられた。
時間がたつにつれ、今、やわらかな気分になっている。それ
は一緒に過ごしたみなさんを思うことで強まっている。
ここで体験したことは、、人との関係は様々な要素で変化し続
ける…要素について、体験し、感じ取って、可能性を信じられ
る思いが強くなった。また自分があきらめてはいけないという
ことも。
ファシリテーター2名の関わり方で感じたことは、その時その時
の立ち位置がはっきりしていると参加者は安心する。
(静岡から参加のY)
今回の自分のテーマは、2つありました。@ワークのねらいと
テーマの選択Aグループの力を実感することでした。@につ
いては、当日のワーク設計時に個人とグループが変化し、成
長していくという視点が欠落していることに気づきました。関係
性ができ始めの頃、ある程度知り合った頃、お互いの関係が
固着している頃などトレーニング期間中の流れの中でしか適
切な学びのポイントになりにくいものを、極端に言えば、自分
たちの担当セッションだけで学習を完結できるという思い上が
りに近い感覚があったように思います。(中略)Aについては、
グループの課題を自分ひとりで扱おうとする私の傾向に気づき
ました。それによって他のメンバーの能力を活かせずにいたこ
とを知ったのは大きかったです。今後は「なんかおかしいな」と
思った時にメンバーであるとかファシリテーターであるとかを超
えて、「私のグループ」を手がかりにプロセスを丁寧に扱おうと
思っています。(東京から参加のFさん)
クリティークで、「メンバーの身になって考えているか」と指摘
されたのはショックでした。自らの行動に照らして、思い当た
る箇所もあったからです。もう一度よくふりかえってみたいと
思います。
繰り返しになりますが、最終日に、この先ずうっと心に刻み込
まれるほどの深い感動を得ました。人と関わることについて、
テクニックや思考ではなく、心の核での体験を得ました。
まろさんの研修はいつも本質部分での体験が多いのですが、
今回はさらに極限まで達してしまった感じです。
あのときの、あのメンバーでなければ生ずることのない体験
だったと思います。
この先の自分の人生において、間違いなく人と関わるときの
原動力のひとつになるでしょう。
(横浜から参加のKちゃん)





ファシリテーターの感想


(とし)


 
〜Co Facilitatorとして参加して〜
「ファシリテーターをしていてよかったぁ!」と強く思いました。
ファシリテーションの持つ力とグループの持つ力を再認識しました。目の前で
人間ドラマが展開されたのですから、この程度の言葉では足りないくらい深く
学んだと思います。ファシリテーションを学んできて、よく分かっているものと
思っていた事柄をあらためて目の前で見せつけられる経験をしました。
ファシリテーターもともに学ぶ存在であること。コースの始まりでは「Co
Facilitatorの役割って何?」という思いと、メンバーとして自由に話ができない
ことに少し欲求不満を感じてました。でも最初の実習の時にメンバーとして
入ったまろさんが、メンバーとして自由に振舞っているのを見て、Co Facilitator
の役割が分かったように思いました。当たり前のことなのですが、このコースは
一人のファシリテーターでは成り立たない。二人のファシリテーターが交互に
実習に参加することによって「共に学ぶ」ことができる。早い話、ファシリテーター
をしている時は、いつもと同じようにファシリテートし、メンバーになった時は、
いつものように目一杯メンバーとして行動すればいいだけなのだと納得しました。
実習のメンバーが真ん中にいて、その外側に実習のファシリテーターが、そして
その外側にコース全体のファシリテーターの私がいるという二重構造の中で、
それぞれのプロセスを観察し、ふりかえりに参加する貴重な体験ができました。
そして観察している私の中にも様々なプロセスが起きることをみて、私自身も
グループのメンバーなんだなと感じました。ファシリテーションを普及させていこう
とあらためて決意を強くしています。関わったみなさん本当にありがとうござい
ました。
●初っ端のクリティークについて あのクリティークでメンバーの声を聞けたこと
  でメンバーとの距離が随分近くなったように思いました。
●偶然と必然について あの場であのタイミングでなぜあの人があのカードを
  引いたのか? あの実習の時になぜ私がファシリテーターをやっていたのか?
  偶然なのか?必然なのか?というような疑問が実習の直後にわきました。
  しかしこれも当たり前のことなのですが、偶然も必然も無い、ただ「目の前に
  起こったことを丹念に拾い上げる」そしてそのプロセスを丹念にふりかえれば
  いいのだという本当に基本的なことを再認識しました。
まろ 深く心に沁みる3日間でした。
それはメンバーであるとかファシリテーターであるとかという役割が取っ払われ、
お互い一人の人として、それぞれにリアルに関わったからでしょうか。
プロセスを触ることが「僕たちはプロセスに生きているんだ」ということが人として
いかに大切か、そしてそれが体験として生み出されるカギをやはり「ファシリテー
ション」という無味乾燥な言葉が握っているということも理解できました。
3日間のドラマを創ったみなさん、とても意味のある価値のある時間でしたね。
またどこかでお会いしたいです!!


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