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【8日目 3月10日】ホロンボハット〜アルーシャ

 昨夜は、疲れているけれど、キリマンジャロ登頂の興奮で何だか寝付かれなかった。
6:00 起床、朝食をとる。
 今日は麓まで下る予定だ。朝食が終わってからガイド5人、ポーター22人、コック2人、全員集合し、「キリマンジャロの歌」を歌ってくれた。ポーターやコックは我々と別行動のため、今まで会うことがなかったが、これだけ多くの人達が、我々の登頂をサポートしてくれていたかと思うと、感無量である。
8:15 小屋発 もう終わってしまうのかと思うと何だか寂しい。
 小屋から300メートルほど下ると、小屋全体とキボ峰やマウェンジ峰の頭が良く望める場所に出た。登る時は雲に覆われて全然見えなかったが、ここから見ることが出来たのだ。また、登る時はゆっくりだったので、1日1000mも、いつ標高を上げたのか不思議なくらいだったが、帰りは、やっぱり傾斜のある所を登ってきたことを実感した。
 鈴木さんがジャイアントロベリアやエリカ、プロティアキリマンジャニなどいろいろな植物を説明してくれた。そして何とあの「カメレオン」も発見した。10cmくらいのものと5cmくらいの2匹いた。「カメレオン踏まないようにね!」と声があがる。
 下のほうには雲海が広がっていた。
 大分下り、そろっと樹林帯に入ろうとした時、先頭の鈴木さんが立ち止まる。ガイドが私に「Say キリマンジャロ“サヨナラ”」と言った。
 そうか、ここから樹林帯に入るので、ここで見納めか。振り返ったら、キリマンジャロは既に暗雲に覆われその姿を望むことはできなかった。
11:45 マンダラハット着  木に上にホワイトガラパシがいると教えてくれる。  ここで昼食をとる。
12:20 発
14:30 マラングゲートに着いた  登頂証明書伝達式を行う
15:50 専用車でアルーシャへ向かう モメラロッジで6日振りにシャワーを浴びてスッキリ。

モメラロッジ ロッジの内部はこんなに素敵

【9日目 3月11日】アルーシャ〜ナイロビ〜ドーハ

 早朝アルーシャ国立公園でサファリを楽しむ。

 アルーシャからナマンガでタンザニアから国境を越えてケニアへ。タンザニアから出国審査、そしてケニア側への入国審査を受ける。大きなみやげ物店のレストランで昼食をとる。この辺一帯広範囲にマサイ族が住んでいるが、集落を通る時、決してカメラを向けてはいけないと鈴木さんに言われる。行けども行けども一直線の道路、人工物は一切無く、荒野にマサイ族の家がポツリポツリ。男は原色の布をまとって、手には必ず2メートルくらいの棒を持っている。女は同じく布をまとって大きなイヤリングをしている。道路脇を歩いている。道路脇に腰掛けている。彼らは一体何を思って、何を目的に暮らしているのだろうか。
14:50 モンバサとの合流に近づくと道路が渋滞し始める。
15:15 ナイロビ空港着

街の中でもマサイ族を見ることがある 果てしなく続く荒野

17:00 ナイロビ発
22:14 ドーハ着
0:20 ドーハ発 帰国の途に

【10日目 3月12日】ドーハ〜関西国際空港〜伊丹空港〜新潟空港

15:30 9時間のフライトで関西国際空港着  乗り継いで新潟空港着19:10  新潟ではこの夜10cmの雪が降った。

【終わりに】

 無雪期のキリマンジャロもいいけれど、天候に一喜一憂しながら登った雪をまとったキリマンジャロは、一層神々しく美しく輝いていた。ピッケル、アイゼン、ザイルを駆使し、スピードを第一に、何かあれば、レスキューのヘリが飛んでくるヨーロッパの登攀に対し、特殊な用具は持たず、常にポレポレ、何かあってもすべて人力に頼る、このアフリカの形態は登山の原点を見る思いだった。恵まれすぎた日本に住んで、その有り難味が、現地の生活を見て再認識できました。