キリマンジャロ登頂 標高5895m  登頂年月日 2006. 03. 09

 キリマンジャロはアフリカ大陸の東部に位置し、タンザニアとケニアの国境にまたがるアフリカ大陸の最高峰で、シラ峰、キボ峰、マウンジ峰の3つから成る。中央のキボ峰が最高峰で、頂上はウフル(独立の意味)・ピークと呼ばれている。富士山で言えば剣ガ峰にあたる。キボ峰の頭頂部には赤道直下にもかかわらず巨大な氷河が存在するが、年々後退してきて(以前の写真と比較するとかなり融けていることが分かる。数十年後には無くなってしまう恐れあり)いるという。
 「キリマ」は「山」、「ンジャロ」は「輝く」を意味する。1889年ドイツ人ハンス・メイヤーが初登頂、アメリカの小説家ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」(1938年)で一躍有名になり、以後世界中から多くの登山者が押し寄せ、今年だけでもまだ2ヶ月しか経っていないのに、私が2686人目の登頂者だということからすると、いかに多くの人が訪れているかがうかがえる。また、麓ではコーヒーやバナナの栽培が盛んに行われており、「キリマンジャロコーヒー」は日本ではすっかりお馴染みである。
 キリマンジャロはアイゼンやピッケルを必要としないため(必要な状態になれば登山は中止となる)、技術的にはそんなに難しい山ではないが、アプローチが長く、標高が6千メートルに近いため高山病に対する十分な注意が必要とされる。

言 語 日常語はスワヒリ語だが、英語が公用語になっており、英語が話せれば問題ない。
通 貨 US$ 現地通貨は必要なく全部 「米ドル」が使えた。 500US$日本で両替したが、ほとんど余った。
日本との時差 −6時間  日の出朝6時30分 
登山形態

ガイド、ポーターをつけることが義務付けられており、我々10人に対し、ガイド5人、ポーター22人、コック2人付いた。また無雪期登山の山だが、雨季に入っており、2.3日前には吹雪になり、山全体が白く雪に覆われた。ギルマンズポイントから先はほとんど雪の上を歩いた。

 【日 程】

日にち 発着地 時刻 スケジュール
3月3日(金) 新潟空港発
伊丹空港(リムジンバス移動)
関西空港発
11:05
12:25
23:45
新潟空港〜伊丹空港〜関西空港
昼、新潟発、伊丹からリムジンバス(1700円)で関西空港へ。
深夜、カタール航空にてドーハへ。
3月4日(土) カタール(ドーハ)着
ケニア(ナイロビ)着
タンザニア(キリマンジャロ空港)着
アルーシャ着
06:05
14:05
18:50
ドーハ〜ナイロビ〜キリマンジャロ空港〜アルーシャ
朝、ドーハ着。ドーハで乗り換えカタール航空でケニアの首都ナイロビへ。ナイロビで一旦入出国手続きを行い、空路でキリマンジャロ国際空港へ。着後専用車でアルーシャのホテルへ。
3月5日(日) アルーシャ
マラングゲート発
マンダラハット(泊)

午前
午後
アルーシャ〜マラングゲート〜マンダラハット
朝、専用車でマラングゲートへ。登山手続きを行い、ガイド、ポーター達と登山開始。樹林帯の中の道をマンダラハット(2727m)へ。
3月6日(月) マンダラハット発
ホロンボハット着

午後
マンダラハット〜ホロンボハット
樹林帯から視界の開けた道になり、ゆるやかな草原帯をいくつかの沢を横切りながらホロンボハット(3720m)へ。
3月7日(火) ホロンボハット滞在 日中 ホロンボハット滞在
高度順応のためマウンジ峰方面の標高4300m位まで日帰りトレッキング。
3月8日(水) ホロンボハット発
キボハット着

午後
ホロンボハット〜キボハット
砂礫帯のロアー・ルートをキボ峰直下のキボハット(4703m)へ。
3月9日(木) キボハット発
キリマンジャロ山頂
ホロンボハット着
未明

午後
キリマンジャロ登頂
午前1時、ヘッドランプの明かりを頼りに出発。砂礫の急斜面に付けられたジグザグの道を登り、火口のふちの頂上ギルマンズポイント(5682m)に登頂。(ここに達すれば登頂とみなされる)時間に余裕があれば、さらに火口のふちをたどり、ウフル・ピーク(5896m)往復。登頂後、キボハットを経て一気にホロンボハットまで下山。
3月10日(金) ホロンボハット発
アルーシャ国立公園

午後
ホロンボハット〜アルーシャ
往路をマンダラハットを経てマラングゲートへ下山。専用車でサファリを楽しみながらアルーシャ国立公園へ。
3月11日(土) アルーシャ国立公園
ケニア(ナイロビ)発
カタール(ドーハ)発
午前
17:00
23:10
アルーシャ〜ナイロビ〜ドーハ
早朝、サファリを楽しみ、専用車でナマンガへ。国境を越えケニアの首都ナイロビまでアフリカ大陸を車で走る。
午後、カタール航空でドーハへ。ドーハで乗り継ぎ関西空港へ。
3月12日(日) 関西空港着
伊丹空港発
新潟空港着
14:30
18:10
19:10
帰国の途に
関西空港〜伊丹空港〜新潟空港へ

 キリマンジャロは、技術的にはそんなに難しい山ではないため、自分の中では“退職してから行く山”と思っていた。山仲間のK氏から今回の計画に誘われ、将来の参考のためにもらった計画書を見て、“新潟空港発着”“前夜発9日間”“ゆったり登頂”“しかもサファリ見学付き”“全食事付きで値段も安い”そんな理由で急遽参加を表明したのが出発ギリギリ1ヶ月前だった。それからインターネットで登頂記録を検索し、読んでいくうちに「ひょっとしたらこの山は私には登れないのでは」と思うようになってきた。
 なぜなら、ほとんどの人が高山病に苦しめられ、ギルマンズポイントで登頂率60%、さらにウフル・ピークにいたっては30%の登頂率でしかないのだ。高度に関して私は特に体質的に強いほうではなく、こればかりは現時点でどうすることも出来ない。
 さらに体力面でも、忙しくて山に行けず、トレーニング不足で不安だらけの出発となった。

高山病のために用意したもの 「食べる酸素O2」 「飲む酸素(ステック状のもの)」 「オーツープラスダイレクト(飲む酸素)」 
装備
服装
マラングゲート〜マンダラハット(2727m) 軽登山靴、フリースズボン、半袖シャツ、長袖カッターシャツ (雨だったので雨具上下) ストック、帽子、傘
マンダラハット〜ホロンボハット(3720m) 軽登山靴、フリースズボン、半袖シャツ、ラガーシャツ、ストック、帽子 (夜はフリース上着を着る)
ホロンボハット〜ギボハット(4703m) 軽登山靴、フリースズボン、半袖シャツ、ラガーシャツ、ストック、帽子 (夜はフリース上着を着る)
頂上アタック 軽登山靴、長袖下着上下、冬用ズボン、オーバーズボン、スパッツ、ラガーシャツ、ダウンパーカー(日が照ったら暑かった)耳まで覆う帽子、ストック、オーバーミトン
食べ物・水 ポーターに運んでもらえる荷物が10kgまでだったので、日本からペットボトルを持参した。現地でも1.5リッターを3ドルで買うことができたが、買わずに済んだ。
食べ物は日本から持って行った行動食(チョコレートやお菓子)はほとんど手をつけることなく済んだ。
ツアーリーダーが用意したおかゆ、梅干、漬物、そば、ふりかけ類、それに現地のポーターが運び上げ、コックが料理してくれたもので十分だった。(衛生状態も良く、おなかをこわすこともなかった)