天狗岳(東天狗)  2643m  戻る

登山月日 2010年2月12日〜13日

 今年の会山行冬山は北八ケ岳に決まり,仲間4人で出かけた。
 今回のリーダーはチョーオユーやアコンカグア,アイランドピークを登られたことのあるH氏だ。
 中央線茅野駅で合流し,登山口の渋の湯へ向かう。道路は圧雪と凍結で状況は悪い。

渋の湯

 渋の湯に到着し,アイゼンを着けて出発する。小さな橋を渡り,樹林帯の急斜面をジグザグに登る。登山道は凍結して,その上にさらさらの雪が積もっている。
 25分登ると高見石分岐に出る。急斜面の登りで汗がでて上着を一枚脱ぐ。その先も苦しい登りが続き,25分で八方台分岐の広場に出て傾斜が一段落する。ここで昼食を取った。

八方台分岐

 その先,樹林帯のなだらかな道になり,一旦少し下ると唐沢鉱泉分岐に出た。
唐沢鉱泉分岐

 幸いトレースがあるのでラッセルは不要だが,踏み跡を外すとたちまち数十センチも潜るし,トレースは狭いのでアイゼンを引っかけないよう注意して歩かなければならなかった。
 こぬかのような細かいさらさらの雪が降っていて,視界は悪い。傾斜が緩み,間もなく黒百合平に到着する。山頂方面は暗雲に覆われ望むことは出来なかった。
 黒百合平はその名のごとく初夏には黒百合が見られる所だが,最近は鹿の被害で激減していると聞いた。

黒百合平黒百合ヒュッテ(8,000円)
 
 週末ではなかったので,宿泊は我々を含めて10人位。静かでとても良かった。最近は団体客でごった返す小屋には絶対に泊まりたくない。アイゼンを着けたり支度に手間がかかるこの時期はなおさらだ。積雪は1メートル位だった。新潟の雪と違ってさらさらだ。
 夕食までゆったり過ごし,部屋は個室で快適だった。
 

 翌朝,5時半起床,6時朝食,小屋の前の温度計はー16度をさしている。でもそれほど寒さは感じなかった。かえって街の中のほうが寒かった。
 さて,12本爪アイゼンを着け,ピッケルを持って出発だ。なだらかに樹林帯を行くと5.6分で中山峠に着く。

中山峠
 数年前に横岳から麦草峠を通り縦走したことがあるが,それ以来だ。
 ここから右に折れ,なだらかに進むと東側と天狗岳方面の展望が開ける。斜度が少しある小広い尾根の登りになり,アイゼンを効かせながら登り切ると天狗の奥庭への分岐に着く。

雲海が広がる分岐

 傾斜は少し緩むが,岩稜帯になり岩は凍って厳しい状況で,滑落しないようルートを選びながら注意して進んだ。

エビのしっぽ
 急斜面の雪面は,H氏がピッケルでステップを作ってくれて助かった。
 山頂に近づくとなだらかになり柵の縁を行くと見晴らしの良い山頂に到着した。ガスっていた天候も次第に回復してきて,何と山頂でブロッケン現象も見ることができた。
 すぐ脇には真っ白な西天狗,南方向には硫黄岳〜赤岳〜阿弥陀岳に連なる山々,また,北アルプスの山々や北岳,甲斐駒,仙丈などもうっすら望めた。

山頂への登り天狗の鼻山頂にて山頂からの天狗の鼻西天狗
 
 山頂で30分ほどゆっくりと展望を満喫し,下山は更に慎重に足を運んだ。途中でコーヒータイムを取ったり、池方面に寄り道したりして,来た道を下った。

硫黄岳・赤岳方面霧氷が素晴らしい
 
 しかし、小屋に着く頃には再び天候が悪化し,吹雪になった。荷物をまとめて渋の湯へ下った。