この山は、福島・栃木県境に位置し、昨年登山道が切り開かれた新しい山である。とは言っても、以前に黒岩山や尾瀬までルートがあったが、近年、藪に返っていたのを復活したのだ。
馬坂峠までの林道ができたことにより、5年ほど前にまず帝釈山に最短の登山道ができ、そして昨年それと対峙するこの山の登山道が整備されたのだ。今回は会山行に計画した。総勢25名。朝6時、新潟駅南口に集合する。私達のバスの前にも登山らしきバスが止まっており、見たらツアーリーダーは知り合いの小林重一氏(注:エベレスト登頂者)であり、某旅行社の二王子岳ツアーだった。久し振りに会ったので暫し話しをする。
さて、6時15分全員揃ったので出発する。磐越道経由桧枝岐へ向かう。桧枝岐から車のすれ違いもままならない狭い林道を15km進む。(朝登った人がもう帰ってきて、すれ違いに苦労した)
11時20分、峠のちょっと手前に係員(17日から25日までオサバグサ祭りを行っている)がいて、車は満杯で峠まで行けないと言われる。しかたなく手前で降りて10分歩くと峠に到着した。
峠の左側が帝釈山登山口、右が台倉高山登山口だ。どちらも立派な標識が立っていた。
先に出発した団体を登山口で追い越し、山の斜面をトラバースするように進むと、ちょうど見ごろになった満開のオサバグサが辺り一面に咲いていて見事である。
30分くらい歩くと、小さな沢を横切るが、ここは水場で、冷たくて美味しい水が流れていた。緩く登りきった所で休憩する。この辺は展望はあまりない。
2千メートルを超えているので、もっと残雪が多いかと思ったがここまではあまり無く、ようやく少しずつ現れる。
いくつかある小さな湿原には木道が敷かれていた。緩くアップダウンを繰り返しながら進む。足元にはオサバグサに混じってミツバオウレン、コミヤマカタバミ、ユキザサなども咲いている。
2060メートル峰は東南を巻くように道が付けられており、まだ刈ったばかりの笹の根が出ていて歩きにくい。前方にはようやく山頂が姿を現す。
最後は急坂になりアズマシャクナゲやゴゼンタチバナに励まされながら、ようやく山頂に到着した。
山頂は木々が覆い茂っているが、背を伸ばせば360度の展望だ。
参加者の一人、山田賢吾さんは80歳を超えておられるが、大変な健脚の持ち主だ。それに山行のたびに丁寧に山岳展望図を作ってこられる。その展望図をもとに、あれは会津駒ケ岳、あれはひうちケ岳と至仏山と山座同定し、更に中ノ岳や荒沢岳など遠く越後の山々も望むことができて感激した。
アップダウンの稜線は下山も同じような時間がかかった。
コースタイム 馬坂峠ー2:00−山頂ー1:45−馬坂峠
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