ウチのユーザー車検@2004

夏がくれば思い出すのは、はるかな尾瀬ではなく、例によって、ウチのファミリーカーである、キャラバンのバンの車検なのだ。

去年は4月の末に腰椎椎間板ヘルニアと診断され、まだ時々腰が痛む中での作業だった。
今年は、体調はいい。でも、車検整備に2日間の休暇をもらい、ゆっくりやったのだ。
天気には恵まれ、作業は楽だった。

ウチのキャラバンは平成7年式だから、1995年式ということになる。今年で10年目に突入なのだ。ウチに来てからでも5年目に入る。
さすがに、年式相応のへたりが随所に出ているし、海沿いの町で5年も使っていたり、冬には道路に塩が撒かれた上を走らなければならないので、ボディの腐蝕が進んでいる。
冬に道路に塩が撒かれるのは、北海道の交通事故死者数が全国一なので開発局がお清めをしているというわけではない。凍結路面に塩を撒き、その融解熱で氷を溶かしているのだ。路が融けるのはいいのだが、しかし、それはまたボディを強烈に腐らせるという両刃の剣なのだ。こちらをぜひご一読いただきたい。

車検を控えた6月に、キャラバンのフロントブレーキが急に深くなってしまう、というトラブルが発生した。ブレーキが効かないわけではないのだが、ものすごく踏み代が大きくて、いつもの調子でペダルを踏んだのではまったく踏み応えがないのだ。
これは、何らかの原因でディスクブレーキのブレーキパッドに圧力をかけるピストンが引っ込みすぎた状態になり、ピストンのストロークが過大となったためだった。ディスクブレーキでは、ブレーキパッドはブレーキディスクに常時軽く接触した状態になっている。ブレーキを踏むとその状態からいきなりパッドに圧力がかかり始める。ブレーキを踏んでも、ピストン自体はほとんどストロークしていないのが正常なのだ。ディスクブレーキは放熱がいいので、それで焼けてしまう心配はない。だから、ディスクブレーキは軽く踏み込み始めたところから効き始めるのだ。
これがドラムブレーキだと、熱がこもりやすい構造上、どうしてもドラムとシュー(ディスクブレーキで言うパッドに相当する)には適切なクリアランスが必要だ。だから、ジープのような全輪ドラムブレーキでは、適切な踏み代が必要で、ペダルを軽く踏んだのではまったく効かず、踏み応えの出たところから効き始めるのだ。
それはともかく、その症状は、函館への往復などで、峠越えをした直後に発生していた。その後は少し経つと正常に戻るので、あるいは急な気圧の変化が影響していたかもしれない。
で、ディスクブレーキを点検してみた。
まず、パッドが減っていた。一番薄いところで2.5mmくらいしかない。そういえば、去年の車検前の点検で、ぎりぎりだなぁ、と思っていたのだ。それを車検が終わると忘れてしまっていたので、ぎりぎりを超えてしまったのだ。危ない危ない。
シール類は悪くなっていなかったが、分解してみると、ピストンに腐蝕があった。腐蝕の位置から見て、前オーナーの使用中に発生していたと思われる。今はその腐蝕が原因で液漏れする心配はないが、パッドを交換したら危ないだろう。
結局、パッドとピストンを交換することにした。新品のパッドは、厚さ10mmだった。
作業としては、フロントをジャッキアップし、ホイールを外して、ブレーキホースを外し、キャリパーを外す。キャリパーをホルダーから外し、キャリパーを分解してピストンとシール類を交換する。
キャリパーからピストンを外すには、圧縮空気を使うのが一番楽だ。私は、自転車用の空気ポンプでなんとか外すことができた。ピストンは片側に2個あるので、二つとも抜くには少し工夫が必要になる。どちらか抜けやすいほう(つまり、エアを入れて先に飛び出してきたほう)を、抜ける寸前のところで木片などを噛ませて固定してやればよい。それでもうひとつがポンと抜けるはずなので、その後木片を外し、残りのピストンを引っ張り出すのだ。サビやスラッジがたまっていると大仕事になるかもしれない。
ピストンが外れたら、キャリパーのシール類の入る溝を特に念入りにクリーニングする。キャリパー側のダストブーツの入る溝がかなりサビで詰まっていて、針で掻き出すのにけっこう時間がかかった。
きれいになったら、適切なラバーグリスなどを使ってシールを組み、ピストンを押し込む。ダストブーツがあるので、ブーツの縁がキャリパー側の溝からはみ出さないように、かつ、ピストンシールをねじったりしないように注意しながら、ピストンを入れる。見たところピストンを入れてからではブーツは付かないように思えるが、特殊工具でもあればどうか知らない。私は、ピストンに一旦ダストブーツをかぶせ、ブーツをピストンの下まで伸ばしておいてからブーツの縁をキャリパーの溝に入れ、ピストンを押し込む、という方法を取った。ピストンはいっぱいに押し込んでおく。
あとは、ホルダーからパッドを外し、新品に交換する。パッドの裏にはシムが入っているので、元通りに入れる。ホルダーのスライドピンのブーツも交換する。その際、スライドピンもクリーニングして、グリスアップしておく。
ホルダーとキャリパーを組んで、パッドをめいっぱい両端に寄せてから、キャリパーを車体に取り付ける。あとは、ホースをつないでエア抜きすれば完了だ。
キャラバンのブレーキリザーバーは、フロント、リア、クラッチが一体となった大きなタンクがインパネの右端に入っている。タンク自体は一体だが、中でそれぞれに仕切られているので、フロントのフルード(ブレーキ液)が抜けてしまっていても、リアやクラッチのエア抜きをする必要はない。
エア抜きは、かーちゃんの足を借りた。ピストンが引っ込み切った状態になってエアがトラップされやすいのか、けっこうしつこくエアが出て、すっかり抜けるまでにブレーキフルードを500cc以上使ってしまった。エア抜きは、マスターシリンダーから遠い左側から行う。ペダルをポンピングして、踏み込んだところで止め、エア抜きをゆるめてブレーキフルードを排出、これをフルードに気泡がなくなるまで繰り返す。リザーバーが空にならないように補充しながら行う。
不具合症状からちょっと心配があったので、リザーバーのキャップのベンチレーションをチェックした。特に詰まったりはしていないようだったので、パッドの減りすぎとシールの経年硬化が原因だったのかもしれない。
この作業が車検の直前だった。

車検準備作業自体はいつものとおりで、特に珍しいこともない。上記の作業をした後、エアコンプレッサーを購入したので、洗浄作業やタイヤの充填などはぐっと楽になった。
去年下回りに塗ったサビ止めペンキは、普通のラッカーよりはがんばって付いていたようだ。ホイールハウス内でもそれほど剥離していない。もっとも、ホイールハウス内は特に念入りに厚塗りしたので、一度しか塗っていなかった箇所は、それなりに剥がれていた。今年は、ホイールハウスなど、車輪の撥ね上げを受ける箇所はサビ止めペンキ、その他の箇所はラッカースプレーを塗った。
去年直したマフラーのカバーはまだきちんと機能している。しかし温度が高いためか、トタンにもかかわらずサビが出ていた。塩恐るべし、だ。
サスペンションのダンパーの外筒が、サビでスカート部分から崩れ始めている。ダンパーの機能自体に問題はないのだが、あまりスカートが短くなるとピストンロッドが露出してしまう。まだ大丈夫だが、要モニターだ。
エアクリーナーは、一昨年交換したので、3年目に入る。現物を見る限り、まだなんとかいけそうだと思う。
サイドブレーキの引き代が大きくなってきていたので、調べてみたら、バランスケーブルがかなり伸びてきているようだ。キャラバンのサイドブレーキは、左右のリアブレーキのカムを動かすアームを、一本のバランスケーブルでつないでいる。そのケーブルの真ん中を、サイドブレーキレバーにつながったケーブルが引くようになっているのだ。引き代の調整は、バランスケーブルの長さで行う。これも要モニターだ。
リアブレーキシューもかなり減ってきているので、要モニターだ。
走行距離は12万kmだし、10年というのはクルマのシステムにとってひとつの節目なのかもしれない、と思わされた。

電話で車検の予約を取って、あとは本検査だ。

翌朝、車検。
今年から、検査結果を記入する検査票に、走行距離を100km未満切捨てで記入するようになっている。ウチのキャラバンは、120,700kmだ。
車検場では、例によって、いつもの手順で検査が進められた・・・のだが、今年は、6/1からディーゼル車の黒煙測定が全車行われることになっており、その検査が追加になる。去年までは、検査官が目視で空ぶかし時の黒煙の状態を見ていたのだ。
いつものように全自動検査機の1コースに並んで、外観検査を受けた。前回、前席の後ろのパーテーションバーがないことを指摘され、いつも下のバー用の穴に渡している、細い「突っ張りポール」をパーテーションバーとして見なしてもらったりしたのだが、今回は上のバー用の穴にきっちり差し込む形で太い突っ張りポールを設置していた。ノーマルのバーと同じ高さなのだし、両端は差し込んであるので何ら問題はないはずだった。しかし、それが前席の背もたれより上にない、という指摘を受けてしまった。
確かに、3人乗りのカーゴ専用キャラバンでは、前席の天井まで伸びるバーがついている。しかし、3/6人乗りや3/6/9人乗りでは、そのようなバーではなくハシゴ形のバーで、背もたれより高くはないし、そもそも3人乗り仕様のバーを取り付けられるような台座もないのだ。
・・・と説明したところ、これは台座ではないか、と検査官が指差す天井。見ると、それはオプションの間仕切りカーテンをはさむためのフックだった。結局納得したようだったが、もう毎度毎度メンドクサイから純正品をどこかから手に入れようかな、と思ってしまった。
さて、函館の車検場は、小型車の検査ラインが、新型全自動検査機と昔なつかしの検査機と両方あり、黒煙測定はなつかしのライン、2コースのほうだった。外観検査のハンコをもらってから、2コースに移動。
ラインの入り口で排気口にプローブを差し込まれ、黒煙測定。リミット50%のところ、47%でぎりぎりのクリアだった。エアクリーナーが目詰まりしてきているのだろう。やはり見た目は使えそうでも、3年目は限界なのだ。これも要モニター、と。なんか今年は要モニターが多いな。忘れないようにしとかないと。
その後は、昔のように、ローラーに前後輪を自分で乗せかえるブレーキテスタ、さらにそこから移動しないとならないスピードメーターテスタはパッシングでなくプッシュボタン、ラインに沿ってまっすぐ入らないと自動では補正してくれないヘッドライトテスタをクリアし、ピット検査を受けて、終了。
例によって検査官にハンコをもらって、窓口に書類を出して、待つことしばし。例によって担当官の後の機械から新しい車検証が出てきて、窓に張る検査標章のステッカーといっしょに渡されて、
「ご苦労様でした」
と言われて、おしまい。
今年から、車検証の体裁と検査標章のステッカーが新しいタイプになっていた。車検証には走行距離(100km未満切り捨て)が明記され、地色がオレンジ系から紫系に、ステッカーは車検の有効年月日があらかじめ入っている。


例によって、今回の車検のための費用は・・・と思ったが、今年はオイルはバケツ缶から出して使ったり、直前に別途ブレーキの整備をしたりで、なんとなく微妙な感じがする。なお、部品等は今年から消費税込みの価格になっていたりするので要注意。

自賠責\14,400-
重量税\18,900-
受検手数料\1,400-
申請用紙代\40-
オイル(6.5リッター)
CD 10W30をバケツ缶から出した
\1,358-
(20リッターバケツ缶の価格から算出)
オイルフィルター\1,260-
フロントブレーキパッド1台分\20,840-
(明細書が見当たらないが、
ピストンは1個\2,500-くらいだったと思う)
フロントブレーキピストン4個
フロントブレーキリペアキット\2,625-
ブレーキフルード1リッター\1,300-
黒ラッカースプレー6本\1,188-
その他の消耗品、オイル、グリス、バッテリー液、ペンキ
などは保有在庫を使用

\63,311-

・・・だった。ブレーキの部品代が大きかったな。ブレーキ関係を別にすれば、去年と同じで\40,000-を少し切っている。


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来年もネタがあれば書きますのでお楽しみに!