用意するもの
今回WinXPにSP2を当てたブータブルCDを製作するに当たって、まずは簡単に手順の概略を知っておこう。
「用意するもの」に挙げた各項は先に準備しておいてください。
★Step1 WinXPのCDのファイルをHDD上に全てコピーする。
コピー先の例は J:\winxp
★Step2 SP2の展開を行う。
SP2をインストールではなく“/x ” オプションを付けて展開する。
後にこれをStep1 のファイルに統合する。
★Step3 WinXP の原本の CD Image 作成する。
ブートイメージを吸い出すために、少々面倒だけどCD Imageを作成する。
★Step4 CDmageを使ってブートImageを吸い出す。
ブータブルにするために原本のブートイメージを吸出し、これから焼くCD-Rの
ブートイメージに使う。
★Step5 SP2 済みのCD イメージを作成する。
SP2を統合したWinXP のファイルと、吸い出したブートイメージでこれから焼く
CDのためのISO イメージを作成する。(CD全体の ISOイメージ作成)
★Step6 ライティングソフトでCDを焼く。
前述のISOイメージをCD-Rに焼く。
ざっと流れはつかんでいただけたでしょうか?
では早速作業に取り掛かってまいりましょう。
WinXPのディスクの内容を全てHDD上にコピーする。 隠しファイルなども全てコピーしなければならない。
隠しファイルの表示はは explorer を起動し、ツール -> フォルダオプション -> 表示タブ の中で
「ファイルとフォルダの表示」を「すべてのファイルとフォルダを表示」に設定し、
「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外す。
コピー先は
J:\winxp
としておく。
今回はドライブ J:\ の直下に置いたとして話を進めている。
SP2ファイルは WindowsXP-KB835935-SP2-JPN.exe などという名前になっている。
これをコマンドプロンプト上で /x オプションをつけて展開する。
しかし、このままではファイルネームが長くて扱いづらいので、単に sp2.exe としてから行う。
WindowsXP-KB835935-SP2-JPN.exe のファイルをクリック後、F2キーを押してsp2.exe と
とリネームしてしまいましょう。 以下はリネームしたものとして記す。
SP2.exe はこれまた J:\ 直下にあるものとしている。
コマンドプロンプトを起動して
j:\>SP2.exe /x
とする。 /x オプションをつけることで、SP2のインストールではなく展開が始まる。 展開先は今回
J:\xpsp2 とする。
fig.1 展開先の指定
展開が終わったら、今度は「ファイルの統合」を行う。
つまりはSP2で更新されたファイルで古いXPのファイルを上書きしてやること。
先ほどSP2を展開したディレクトリの中を探すと update と言うフォルダがあり、
更にその中に update.exe と言うプログラムある。
J:\xpsp2
└ i386
├ asms
:
├ update
└ update.exe <--
これに統合するためのオプション -S をつけ、更に統合先のディレクトリを指定してやる。 具体的には
j:\>cd xpsp2\i386\update
j:\>update -s:j:\winxp
とする。 すると以下のようになるはずだ。
※update.exe のHelpをみてみると統合インストールは/integrat: となっていますが
-sオプションでもいけるようです。
fig.2 ファイル統合のようす
fig.3 統合インストール完了
SP2を展開したフォルダ xpsp2 フォルダはこれでもう不要なので削除して構わない。
(まぁうまく出来るまではとって置くほうがいいと思うけど)
なぜまた原本のCDをここで使うかというと、原本に入っているブートイメージを吸い出すためだ。
一旦全Imageを作成( 本Step3 )後に、ブートイメージのみを取り出す( Step4 )と言う手順になる。
CDRWINを起動すると、
fig.4 CDRWIN を起動したところ
このメニューの上段真ん中(左から3番目)をクリック、以下のように設定する。
fig.5 CDRWIN DISC Image の作成時 設定
その後「開始」ボタンをクリックする。
これで J:\ に XPorg.iso という原本のCDイメージとCUEシートと呼ばれる XPorg.cue が出来上がる。
CDmageを起動してブートイメージを吸い出す。
先ほどの作成した原本CDの iso ImageのフォルダにCUEシートが作成されている( XPorg.cue と言う名前 )
ので、これを「ファイル」→「開く」から指定する。
すると以下のような状態になっている。
fig.6 CDmage ファイル読み込み後
このisoイメージの中からブートだけを吸い出すには「ファイル」→「ブートの保存」を選択。
ここでは boot_org.img と言う名前で J:\ 直下に保存する。
fig.7 保存するブートイメージの選択
fig.8 ブートイメージの保存
ここで XPorg.iso と Xporg.cue は不要なので削除して差し支えない。
(まぁうまく行くまでとって置いたほうがいいと思うけど)
ここで原本からCDmageで吸い出したブートイメージとSP2を適用したファイルをまとめてCDに焼ける
ISOイメージを作成する。
CDRWINを起動して、CDRWINのメニュー上段左から4番目をクリック。
fig.9 ISO イメージの作成前
fig.10 ISO イメージの作成
@の中に j:\WinXP と打ち込み、Aボタンをクリック。
あとは各チェックは上記を参考に。
拡張オプション(A)の中は次のようにして、あとはデフォルトでよい。
デフォルト以外がどうなるかは検証してません。^^;
fig.11 拡張オプションの設定(ボリューム関連)
fig.12 拡張オプションの設定(ブータブル関連)
これで J:\ の直下に xpsp2.iso と言うISOトラックイメージが出来上がる。
ライティングソフトを起動して、先ほどの xpsp2.iso をトラックイメージに指定して焼いてやる。
ISOイメージを焼くので、ファイルとして焼いてしまわないように注意しよう。
WinCDR8.0 の場合は「トラックイメージからCDの作成」を使えばよい。
出来たisoイメージを他のライティングツールで書き込むことにする。
WinCDRやNero、B's Recoderなどがあれば書き込める。
※
実はステップ5でも「ISO9660イメージのを作成」を「ISO9660イメージファイルを作成して書き込む」に
してやれば1倍速であればそのままCDに書き込むことが出来る。
もちろん、正規に登録すれば1倍速の制限は解除されるけど。
し かし登録をしていない私は1倍速では時間がかなりかかるので私はこの方法を採っている。
CDRWINはとっても機能の高いソフトなので購入しようかとも思っているけど、しばらくは金欠が続く私は当
面この機能制限が解除されることはなさそうだ。(^^ゞ
これで晴れてWinXP に SP2 を適用したブータブルDisk が焼きあがったことと思います。
1.なぜ CDRWIN でブートイメージを吸い出さないか。
ご存知の通り、CDRWIN でもブート部分の吸出しが可能です。しかし、Win2000の時と同じ方法でセクタ20を
吸い出してこれをブートイメージとする方法はうまく行きませんでした。
セクタ17 にある、ELTRITO の様式に則っていけばXPでもセクタ20を吸い出せばいけると思ったのですが。。
ちなみにWin2000のときもそうでしたが、出来上がったWinXP SP2 ブータブルCDは厳密にはセクタずれを起こ
しています。
本来はセクタ20にあるはずのブートイメージはそれ以降にずれています。 が、Win2000でも問題ありませんで
したし、こんなもののようです。(詳細な原因追究をしてません。あしからず)
という訳で、実際には起こった問題の根本原因について究明されていない、言わば対症療法のような方法です
が、無事にブータブルCDを作ることは出来ましたので、原因究明については今後の課題と致します。
2.ライセンスについて。
WinXPのCD にSP2を当てたCDをつくり、それでインストールすることはライセンス違反になるのでしょうか?
こんな疑問を持ったので直接マイクロソフトのサポートに問い合わせてみました。 結果から言いますと
ライセンス違反とはならない旨、マイクロソフトからの回答を得ました。
と言うことでSP1 統合のイメージで一台のコンピュータにインストールしている分には
XPのOSのライセンスとしては問題はないようです。
うちのページの方法ではブートイメージもオリジナルから取り出していますので著作権侵害
にはあたらないものの、ブートイメージを吸い出すと言う行為がリバースエンジニアリング
に当たる恐れはあります。
まぁMSとしては一台に1ライセンスをきちんと守っていればうるさいことは言わないとは思う
のですが、実施の際は自己責任においてお願いします。(2004/09/04追記)
3.イメージファイルの容量について。
私の試したWindowsXPオリジナルCDはSP0(何もSPがあたっていない、初期のCD)でした。
その後SP1、SP2が最初からあたっている状態で販売されていますが、SP1の状態にこのページの
作業でSP2を適用すると容量が650MBを超えることがあるようです。
(やなちゃん様よりの情報)
その他 やなちゃん様 よりの情報
◆CDRWINですが、3.9Hを使用したらSP2のISOイメージが
作れませんでした。3.9GにしたらOKでした。
◆CDRWIN3.9Gでそのまま一倍速でCD-Rに書き込みましたが
20分程で焼けました。(最初NEROでISO焼きしたんですが
なぜか失敗したもので・・)
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