VIVIOのAT、オートマチックトランスミッションには、一部車種を除きスチールベルトを利用したCVT、無段階変速機が 採されています。トルクコンバーターを利用した通常のATと違い、一組みのプーリーとスチールベルトによって構成さ れ、理論上、状況に合わせて境目無く変速出来る為、燃費が良く、ATを従来より軽量でコンパクトに出来る画期的な 構造です。VIVIOでは富士重工で開発したECVTと呼ばれる機構が採用されています。しかし、構造が特殊である が故に、他のATとはフィーリングやメンテ、また、色々と起こり得る問題点が異なります。ここではその事について簡 単に述べたいと思います。 は、一見すると手出し無用のブラックボックスで、長期間ノーメンテっぽいイメージもあり、エンジンオイルはこまめに 取り替えても、CVTフルードについてはほったらかしのユーザーも、意外に多いのではないでしょうか?しかし、エン ジンオイルほど急激ではないにしろ、使用されている潤滑油は徐々に劣化し汚れていきます。そこでメーカーではCV Tフルードに関しては20000q毎の交換を推奨しています。ECVTフルード自体は、一応、規格上デキシロンUと呼ば れる汎用のATFですが、スバルディーラーには、純正フルードとしてECVTに最適化された専用のECVTフルードがあ り、通常はこれで交換する事になります。ちなみに一般のショップでECVT・i−CVTフルードの交換を請け負っている お店は殆ど無いと思います。表向きは汎用規格とはいえ純正品はECVTの性格に合わせて最適化されているため、 他の銘柄を入れるとシフトフィーリングが激変して違和感に繋がる場合もあるそうです。社外のフルードメーカー側で はCVTとの互換性を適合と表記しているケースも多いのですが、CVT機構のメーカー補償の問題もありますので、 余程のことがない限り、純正品を使われることをお薦めします。ディーラーでの交換工賃は2000円程度で、それ+フ ルードの必要量(大体2000円程度)となります。VIVIOのECVTの場合、CVTのオイル容量が2WD車で2.6〜2.9L、 4WD車では3.3〜3.6Lとなっています。 されました。CVT機構の進歩に合わせてフルードも進化しているようで、見た目にも半透明の薄茶色だったECVTフ ルードから、i−CVTフルードは一般のATFに近いピンク色に変わっています。ちなみにi−CVTフルードは、旧ECVT への互換性がありますが、ECVTフルードは新しいi−CVTには使用できないそうです。i−CVTフルードもDEXRON U規格ですので、一般のATF(殆どはDEXRONV)との互換性は微妙です。 て「循環式」「圧送式」等の方法で新油と交換することになります。しかし、私がディーラーでメカニックさんに訊いた話 では、ECVTのフルードは通常のATと比べると比較的抜けやすく、エンジンオイルと同じように、下抜き&一度の注 ぎ足しで、十分に交換できる事になっているそうです。しかし、何度かディーラーで交換した経験では、2WDの私の Bistroでは、オイル1缶or2缶分のみしか代金請求がありません。公称値は2.6〜2.9Lでも、どうやら実際の交換 時はCVT内部の状態により、一度の作業では1〜2L未満程度しか交換できない様です。作業前に走り込んでCVT が良く暖まった状態で作業して貰えば、上手く行くと2L+α抜けるのかも知れません。また中古購入のため新車時 から数年間年も無交換でいた場合、フルードの汚れのために一度では抜けにくくなってる可能性もあります。こんな 時は暫く交換ピッチを狭めて、コンディションを回復させるのも手かなと思います。地元のDラーで訊いたところ、ちゃ んと定期的にCVTフルード交換をしている場には、1度の抜き足しで済ませるが、フルードが汚れている場合には て、ATFを交換した事がきっかけで症状が発現する危険性があります。その為、過走行車や中古車のATF交換には リスクが伴い、一般のカー用品店等ではトラブル回避のために断られるケースもあります。CVT機構の補償の問題も 絡みますので、ディーラーで定期的に作業して貰う、普段からトラブルに繋がらない様に交換を怠らない等の注意が 必要です。ただ、これはトルコン型ATで一般に云われている注意点ですので、CVTでも同様の注意が必要なのか は良く知りません。上記のことを念頭に置き、スバルの補償範囲以外での交換は、細心の注意が必要です。 パワーロスしていたのかを思い知らされる瞬間です。CVTフルードは、2万q毎の交換が推奨されています。たぶん Dラーで定期点検を依頼している場合には車検毎くらいに汚れ具合を見て交換してくれると思いますが、ECVTフル ードは鉱物油の為か、高性能化学合成ATF等と比べると余り初期性能の持ちが良くありません(と、私は思っていま す(笑))。交換時の体感差を考えると、CVTフルードも、使い続ける事で劣化し、動力伝達能力は徐々に低下している 様です。NA−ECVT車で時折見られる、ゼロ発進時の電磁クラッチのスリップ(アクセルを煽っても繋がらずに発進し ない)等は、CVTフルードが新しいと殆ど発生しませんが、フルードがへたってくるとどんどん顕著になってきます。私 がNAに乗っていたときは、危険なこの症状を抑えるために6ヶ月に1度フルードを交換していました。MSC車では発 進トルクがある為かこの問題は発生しませんでしたが、それでも新油のパワーの恩恵は燃費の改善にも繋がります ので、1年に1度は交換するようにしています。一年点検時に依頼するのが簡単ですが、特にNA車はココでのパワ ーロスが動力性能に大きく響きますので、エアコンの入る夏前が交換時期としてお薦めです。 環&注ぎ足しを3〜4回繰り返すことで、ATFを新油に入れ替える方法と、一部のショップで取り扱いのある、圧送式 と呼ばれる、ATFクーラーラインを利用して新油で廃油をほぼ99%近く押し出すスタイルとがあります。後者のメリッ トは、ショップ等では循環式に比べより100%に近いATF交換が出来ると謳われている点と、何より循環式のように 新油が繰り返しの工程で無駄にならない点が挙げられるでしょう。仮に50%しか抜けないATであっても、4回循環さ せれば理論上、旧油は6%程度まで薄められ、十分な交換効果は得られると思いますが、その工程の間に捨てられ る新油は元のオイル100%量を越えますから、精神的にも、金額的負担もあまり気持ちの良い物ではありません。そ こで、私がその昔、先代のVIVIOで社外フルード(カストロールの100%化学合成ATF)へ交換した際には、圧送式交 換機のあるショップを探して交換を依頼しました。ちなみに2WDのNAでは、基本料金の4〜5リットルあれば十分に 全量交換が出来ました。 などの海外のオイルメーカーから、CVT専用のフルードがリリースされていて、オイルメーカー側はECVTやi−CVT への適合を明確に謳っています。もしこういったフルードの取り扱いがある自動車用品店などが見つかれば、通常の ATFの様に循環式や圧送式で社外フルードに入れ替えることが可能になると思います。ただ、特別、化学合成油を 謳っている商品は見当たりませんので、はっきり性能が向上するかは謎ですけれど(笑) ま、PL保険には入っている と思われますので、これで何かあった場合オイルメーカーの責任には出来るのかも知れません。 症状がしばしばみられました。エンジンはブォーンと回っているのに、動力が伝わらずに車が前に進まないのです。 直ぐにアクセルを踏み直せば回復しますが、これにより、交差点の右折などで結構怖い思いをすることもありました。 特に気温の高い夏場に症状が頻発する事が多く、また、CVTフルードが劣化するとその発症頻度が高まる為、どう やら、NAの非力なエンジンの場合、発進時にCVTを繋げるに必要なだけの十分な動力が時たま得られない事と、C VTの粘度低下が絡んで起きる問題では?と推測しています。この症状を避ける根本的な解決策ではありません が、こまめにフルード交換をする、CVTフルードは劣化(粘度低下?)しやすいので、症状頻発する夏前に交換して出 来るだけストールを防ぐ等が、症状軽減に一つの有効な対策になるのではと考えてます。ちなみに現用のS/Cでは 動力が大きな為か、この症状は全く発生しません。 本的に違うのですが、渋滞時など超低速走行中に、ガックンガックンと車体が揺れて気持ち悪いのです。そんな時は 軽くアクセルを開けてやると収まるのですが、どうやら電磁クラッチがON/OFFする境目の速度領域で、お馬鹿なCV Tが戸惑って挙動不審になるようです(これも推測)。この点についてディーラーのお姉さんに話したら、「私のChiffon でもなりますっ!」て言われてしまいました(笑)。どうやら個体差か、軽い構造欠陥?みたいなので、実用上問題な い事を踏まえて我慢するしか無いみたいです。これもNAでは酷かったのに、今のS/Cでは何故か発生しません。個 体差か動力の差か、製造時期の差か・・・不明です。 ーシャルにした際などに、エンジンルームから沸騰寸前のやかんの様なシュルシュル、シュウシュウという異音がき こえるのです。大きな音ではありませんが、購入時からの症状で一向に治る気配もありません。当初、VIVIO恒例の ウォーターポンプの異常か?と思ったのですが、ディーラーの話では、最後期のE型でそれは考えにくく、きっとスチ ールベルトからだろうとの事でした。個体差なのでどうにもならないらしいです。ま、ガックンガックンする代わりの様 ですね(爆)。それよりはマシだと思って、我慢我慢♪しかし、PやNポジションでのエンジン空吹かしの際にも、回転 が落ちる際にシュウシュウと鳴るんですよね。これはかなり謎です。もしかして、スーパーチャージャーだったりして (笑) が一瞬ゼロ迄落ち込む症状です。発生率も高く、徐々に悪化していき、酷いときはブレーキング>停止を3.4回繰り 返せば1回は発生するような状態でした。メーター上でも体感でも、エンジン回転数が瞬間ゼロ迄落ち込むのが判り ますが、不思議とエンジンストールまではいかず、また測定器で調べても全く異常が出ません。何度かクレームでデ ィーラー送りを繰り返したのですが、結局エンジンではなく、ECVTの電磁クラッチの劣化か個体差によるものだろうと の結論がなされました。どうもブレーキングとアクセルの状況によってECVTの車速センサーが誤作動し、停止寸前 に電磁クラッチの切り離しが正常に出来ず、停止した直後に遅れてクラッチが切れるため、そのタイムラグの間にエ ンジンがストールし掛かるとのことです。ちなみに、電磁クラッチのON・OFF境界線上にある渋滞低速での坂道停止 の時などに良く発生するのです。マニュアルでクラッチを切らないまま停止しようとすると、エンストするのと原理は同 じそうです。電磁クラッチの磁力で周囲が磁化されるためにタイミングのズレが起こるらしく、放置すると悪化はしても 良くはならないだろうとの事で、結局保証クレーム扱いでクラッチを交換をしました。交換作業はてっきり下から簡単 に出来るものだと思っていたのですが、実際にはエンジン脱着を含む大手術でした。ECVTは電磁クラッチ自体が消 耗品らしく、保証期間を越して自己修理になった場合は、クラッチASSYが7万程度+工賃で修理費用は10万コース みたいです(´Д`;)。電磁クラッチ温存のためには乗り方も大切だそうで、坂道などで半クラッチを多用するスタイル の乗り方では、クラッチの磁化が進み速く劣化が進むそうです。ちなみに、クラッチ交換をしたら停止ストールが治る かと思いきや・・・これがスッキリとは治らなかったんですねー(^^;。今でも、坂道渋滞や車庫入れの時など時々忘れ た頃に発生します。どうやら低速域で惰性走行をせず、アクセルからブレーキへの切り替えタイミングを限界まで遅ら せ気味にして、遅れ気味にブレーキングに入ると発生頻度が高まるみたいです。どうも試しに微速ヒール&トゥやると 確実に発生します(爆) これは普段やらないから良いけど(^^;。 なんかクラッチじゃなくてスロットルセンサー系の感度 かタイミング異常じゃないかとうっすら感じているのですが、コンピュータチェックで出ないみたいですので、真相は未 だ闇の中でなでした。 などのマイナーチェンジが繰り返されいる為、後期型では殆どトラブルは無いそうですが、A型など初期のモデルでは ベルト切断のトラブルが時折あるようです。スチールベルト交換はプーリーも含めて一式のキットになっているそうで、 もしベルトが切れた場合などでメンテが必要な場合、部品代約10万、工賃が5〜6万の15万コースだそうです。この キットって電磁クラッチも入ってるのかしら?切れたベルトが内部で飛び散ってしまい、CVT機構が丸ごと修復不能に なるケースも聞いたことがありますので、10万kmを越える車の場合は注意が必要かも知れません。
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