植松伸夫×山下章(スタジオベントスタッフ)対談※植松さんの言葉のみのまとめです

【FF1】
・FF1が出る前に10タイトルほどを手掛ける
・ゲーム完成間近に「プレリュード」を5分か10分で作曲
・もしかすると1の「プレリュード」が完成形かもしれない。和音やメロディは
余分かもしれないと最近思う
・「オープニング」(FFのテーマ)、当時はあくまで1のopテーマという意識しかなく、
3で復活させたら評判が良く、そのまま居座ってFFのテーマになった
・当時のRPGといえば「ドラクエ」。すぎやまこういち氏はクラシック土台の高度な作曲法
だが、自分は単純なわかりやすい音楽しか作れない。坂口氏「ドラクエと差別化できる
音楽にしてくれ」。特にバトルははっきりしたメロディが欲しいとリクエストがあった。
ドラクエ音楽は2つの音だけでメロディを作っている、下手にこんな世界に勝負を挑んだら
勝てないと思い、ロックをベースにポピュラー音楽の世界で勝負

【FF2】
・「メインテーマ」ではやフィールド曲では初めて意図的に人心を操るようなことをやってみた
・印象深いのは「メインテーマ」、坂口氏からも一発OKが出た
・「チョコボのテーマ」作曲はそんなに苦労しなかった
・実はバトル曲(特にノーマルバトル)は好きではない。自分の中では良い曲だとは
あまり思っていない。(ので、アレンジには入れないらしい)

【FF3】
・RPGの音楽の作り方の方向性が定まってきた
・「果てしなき大海原」などで自分の1つのパターンができ、「悠久の風」で不思議な
世界観を表現できた
・ラスダンがあれだけキツイのは、「モニターの鈴木君」の一言で…
鈴木君が「そんな所にセーブポイントはいりませんよ」と言ってしまったことから、
坂口氏が怒ってセーブポイント取ってしまったという
・1・2では音色が10種類くらいしかなかったが、3から専属プログラマーがついて
音の調整ができるようになった

【FF4】
・「愛のテーマ」「トロイア国」がお気に入り
和音が増えて曲の幅が広がった
・アイルランドの古い音楽にハマった。今ならもっといい「ケルティックムーン」が作れる
・「ケルティックムーン2」を作りたい。「ケルティックムーン」の評判が芳しくなかったため
当時はがっかりだった

【FF5】
・「ビッグブリッヂの死闘」は実はあまり好きではない
・「はるかなる故郷」「思い出のオルゴール」がお気に入り
・「ピアノのおけいこ」は「アップルタウン物語」('87)の女の子がピアノを弾く所から
きている発想

【FF6】
・opは「悪魔城ドラキュラみたいだから変えてくれ」と坂口氏に言われた。
「パイプオルガンだけでドラキュラはないだろう」とゴリ押しで通した
・のびのび仕事しているという印象がある。5では気に入った曲が書けなくて、
やりきれなかった部分があったので、その分やりたいように作った
・最初にできたのは「ティナのテーマ」、出来た時点で6の音楽はうまくいくなと確信
・オペラの作曲は燃えた
・音色の無機質さをメロディーで補い有機的な音楽にする、1からの課題だったが、
それが少しはできたのではないか
・エンディングではキャラクターテーマをスムーズにつなげるのに苦労した。
ロックとセリスのテーマの重なりは、両方重なってもおかしくないメロディにしておいた。

【FF7】
・新ハードなので、何か真新しいものをしたいという思いがあった。opムービーの曲を
北瀬氏と坂口氏に聞かせたところ好評で、これはいけると思った
・操作をしないムービーシーンは、必然的に映画音楽を意識
・メロディが立ってない曲があるから、メロディの立つ曲が生きてきていると思う。
自分で勝手にコンサートの曲を選曲すると6以降が中心になるが、6〜9あたりが
一番メロディが良いと思っている

【FF8】
・お気に入りは「Liberi Fatali」
・「FITHOS LUSEC WECOS VINOSEC」をバラバラにし「SUCCESSION OF
WITCHES」を除けばL、O、V、Eが残る。あの世界から魔女の継承を取り除けば愛が残る。
8のテーマが「愛」だったので、こんなお遊びもいいかと
・自分と他人と好みが合わないことが多いが、「Eyes On Me」はこの曲は珍しく
自分も気持ちいいし、好きだといってくれる人も多い
・コンサートでは8の曲が多いが、何曲かは今でもよくあんなの作れたなと思う
・7くらいからスタッフ全員が上昇気流に乗れたという印象

【FF9】
・ハワイにて作曲
・9では古楽っぽい音楽を取り入れようと思っていたので、路線的には迷わず。
「いつか帰るところ」はバッチリだった
・白鳥英美子さんの起用は、9のテーマ「命」を表すのにぴったりの声だったから
・実は「アチチdeチョコボ」という、郷ひろみの曲のキーをマイナーからメジャーに変え
てチョコボのメロディをのせた曲を作っていたが、日本側から勘弁してくれ、と言われ
結局ゲームでは流せず

【FF10】
1人で作曲するのは疲れていて時間的に無理があった。1人でやっていたらある程度
パターン化するの免れないと思った。他の血を入れることで「こんなFFもあるのか」と
ユーザーに思わせることができるのではないか、FFを客観的に見るべきところにいる
のかな、と思った。10ではサウンズの人間が大挙して協力してくれ、総合力で勝負した
というところがある
・お気に入りは「ザナルカンドにて」。「素敵だね」も満足、使われ方も良かった
・生音が使えるから歌をやるという発想はイヤで、まず歌が流れる必然性があるのか
ディレクターに確認する
・10のようにみんなが全力投球する作品であればなんでもやりたい
・3年周期で「コンサートをしたい」と言っていた。10という区切りのいい数字がつき、
ファミ通の取材で2001年にコンサートをするという宣言をしてしまったので、1年遅れで実行。
やりたい曲はたくさんあるので、地方でもコンサートをやってみたい



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