Movie Review 2002
◇Movie Index

ギャング・オブ・ニューヨーク('02アメリカ)-Dec 28.2002
[STORY]
1846年NY。ネイティブズとデッド・ラビッツという組織がファイブ・ポインツでの利権争いをしていた。両者は対決し、デッド・ラビッツのリーダー、ヴァロン神父(リーアム・ニーソン)はネイティブズのリーダー、ビル(ダニエル=デイ・ルイス)に殺された。そして神父の息子は少年院へと送られた。
15年後、神父の息子アムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)は再びファイブ・ポインツへと戻り、街を牛耳っているビルの組織で働きながら復讐の時を待つが・・・。
監督マーティン・スコセッシ(『救命士』)
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『タイタニック』から5年、再びディカプリオが許されない運命の恋に落ちる・・・なんて宣伝文句には引っかかるわけもなく(ていうかそういう宣伝するから逆にヒットしないんだよ)デイ=ルイス目当てで見ましたが、彼の素晴らしさはいろんなところで語られているのでこれ以上言うこともないんだけれど、ストーリーは、なんていうか、どこをメインに据えるか迷ったんじゃないかなぁ。欲張ってどっちも描こうとするからかえって中途半端な出来になっていた。

アメリカの歴史中心で見れば、クライマックスも、大きな時代の流れには抗うことができずにただ飲み込まれていくしかないのね・・・という虚しさを感じることができるが、主役たちに感情移入してきた人たちには拍子抜けだったんじゃないかな。そりゃないだろ、ふざけんな!って思ったかもしれない。私はもう途中で登場人物の誰にもシンクロできなくなっていたから歴史として見てから、そんな展開が面白く思えたけども。
人物描写はとにかくダメだったね。一番ダメだったのがアムだったのが致命的。ビルの下で虎視眈々と復讐を狙っているのかと思いきや、ただのボンクラでちっとも魅力を感じない。復讐決行の時はなんの決意も感じられず唐突でついていけなかったし、とにかく主役としての求心力がなさすぎた。
主役はアムのはずなのに、ビルに肩入れしまくりの監督のジレンマが出ちゃったとか?ニューヨークへの熱い思いもあるし、3時間弱では描ききれなかったか。アム主役バージョン、ビル主役バージョン、そしてニューヨークという街が主役バージョンの3つ作れば良かったかも(笑)
個人的に一番良かったと思うシーンは冒頭のビルと神父の対決だった。ってほんのちょっとじゃないか(笑)あの緊張感が全編にあれば傑作になったかもしれない。

まぁ結論から言うと「中国人最強!」ってことで(笑)権力はビルが握っていたかもしれないが、カネは奴らのほうが持ってただろうな。移民や黒人たちが殺されていく中でも中国人たちの姿がまるで出てこなかったのは、いち早く逃げたか隠れたかしたのだろう。ものすごく強かで頭のいい人たちだわな。
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