craft WAKU   


nさんの集塵システム

2007年10月中旬に隣町のnさんが、WAKU工房を訪ねて来られました。
サイクロン、集塵システムの見学で、当日は楽しく木工談義させていただきました。

nさんからのメールでは、「6年ほど前に家を建てたのですが、凝り性なほうで、
木組みの伝統工法の家を建てるため10年かけて考え、
二級建築士の資格をとり自分で設計してこだわりの家を建てました。
家の横に半セルフビルドで車庫を建てたのですが、
子供のころからぼちぼちやっていた物造りに目覚め、
車庫を木工房にして、それ以降仕事の休みの日に木工をやっております。」
と仰る、趣味の木工家です。ホントすごいです。

メールに添付された工房も素晴らしく、
ここに集塵システムを追加されるとのことです。


nさんから、完成のメールが届きました。
WAKUの集塵システムをグレードアップしたシステムで、
随所に素晴らしいアイデアが盛り込まれていましたので、
以下に紹介させていただきます。


9月から製作していました工房の集じん装置がようやく完成しました。
完成写真を撮りましたので参考に送らせていただきます。

・サイクロンまわりのダクト

  ダクトはすべて125φのスパイラルダクトにし、エルボ、Y管も安価であったので既製品にしました。
  サイクロンは直径350oで高さは約1100oです。もうすこしコーンを長くしたほうがよかったかと
 思います。サイクロンは詰まりもなく分離も良好です。

・集じんBOX正面

 正圧式のサイクロンのしたため、扉を密閉できるようパッキンおよびタキゲンの
フリーザー用の金具を使用しました。使い勝手はグッドです

・集じんBOX上

 BOX内のゴミの量を確認できるようのぞき窓を付けました。
 BOXとサイクロンの固定はサイクロン側のフランジを半田付けし、ボルトで固定しました。
かなり頑丈で密閉性も良好です。

・集じんBOX中

  90Lの角型ポリ容器を中に入れるようにしました。
  ポリ容器上部に隙間をなくすようにしましたが、細かなほこりがBOX内に漏れてしまいます。
  漏れないようにするよい方法はないでしょうか?
ごみを捨てる時に掃除をすればよいだけなので、このままでもよいかとも思っています。

・ブロワー

  昭和電機製の動力0.4kWのプレートファンを材料棚の上に設置しました。狭いのでメンテナンス
しにくいのですが、故障しないかぎりは点検することはないので邪魔にならないこの位置としました。

・スライドゲート

  WAKUさんの工房のものを参考にさせてもらいました。
  ゲートが抜けないようにストッパーを付けました。

・プレーナの集じんダクト

  0.5oの亜鉛引き鉄板で作成しました。
手間がかかりましたがまあまあの出来で気に入っています。

・昇降盤まわり

  丸ノコとホゾ取りの2箇所に集です。
  スライドゲートの近くにブロワーのスイッチを付け、使いやすくしました。

・丸ノコ

  昇降盤の丸ノコには集じん出来るようになっていましたが隙間が大きく外に飛び散ってしまうので
 隙間を塞ぎました。集じん効率は格段によくなりました。ただし盤を傾斜させることはできなくなりました
がもともと傾斜させる使い方はしていなかったので問題ありません。

・ホゾ取りの集じん

  大きな木片を吸い込むとファンの羽根が痛むので網を付けました。

・フロアスイーパ

  ホースがないと何か解らないような形ですが、床のゴミの吸い取り口です。
  ここも大きなゴミを吸い込まないように真鍮の丸棒でスクリーンを付けました。
  床掃除がとても楽になりました。

・分電盤

  ブロワーのスイッチはスライドゲートの近くに2箇所付け、3路スイッチとしました。
  動力(3相200V)なので回路にマグネットスイッチが必要となり、電気工事にも手間がかかりました。
  サーマルリレーが付いているので安心です。

集じん装置を使ってみて、工房の掃除が本当に楽になり、作業環境も非常によくなりました。
費用もそれなりにかかりましたが、満足できる性能であると思います。
 
工具にスイッチを入れる時ブロワーのスイッチを入れ忘れることがよくありますが、
そのうち慣れると思います。
今回、バンドソーについては移動して使っているため集じんダクトを
付けることができなかったので、後々考えたいと思います。
 
アドバイス頂いたことや、HPで作り方をはじめ色々な情報を提供頂いたおかげで
なんとか形になりました。 本当にありがとうございました。

(2007.12.2転載)