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Vermont American社製(バーモンド アメリカン社) 
アリ溝ガイドキットで、「あられ組み」

あられ組みで箱を作るには、LEIGHのタブテール治具 D4Rなどで
行うのが一般的ですが、ルーターも購入すると高価なので手が出ませんでした。

そこで、ホームセンターで購入したVermont American社製
(バーモンド アメリカン社) アリ溝ガイドキットを使ってみました。

あくまで、WAKU流に加工していますので、もっと良い方法があると思います。
また、実際に加工される場合、自己責任ということでお願い致します。

使用した工具

両面テープ、アクリル板(2mm)、端材、ウエイト(線路を切ったようなもの)、
トリマー(ストレートビットφ6.4mm)、ノギス、紙テープ、白柿、罫引きを使います。

テンプレートの加工

Vermont American社製(バーモンド アメリカン社) アリ溝ガイドキットには、
2枚のテンプレートが入っています。

そのうち、ピッチが11.1〜11.2と等間隔で、切り欠きの深さが深い
「テンプレート1 4面包みアリ継」が使いやすそうだったので使用しました。

テンプレートが手前に出てくるように、Φ6mmの穴
(Φ6.2〜6.4mm位が良いかもしれません)を2個開けます。
ピッチは差し込むボルトのピッチとして、大きな穴の中心から約12.5mmの位置にしています。
できる限り、正確な位置に開けるのが良いと思います。

深さ調整レバー(右、左)は、使用しません。

材料の準備

説明用に材料を準備しました。ウォールナットとバスウッドです。

自動鉋で厚さを揃え(10mm)、手鉋でナイフマークなど無くしておきます。

木口も仕上げておいた方が楽かと思います。

板厚+1mmの位置に墨をつけます。
今回は、あられ組部分を飛び出させますので、+2mm位の位置です。
ここでは、仕上げ寸法に切断していません。
この板も半分になるのですが、1回目のあられ加工で
失敗しても、まだチャンスがあるようにしています。

治具の準備

テンプレートをΦ6、2mmの穴でセットし、あて板をはさみます。
この板は、切り込み寸法+3mm以上の厚さが必要です。(今回は15mm厚)
加工が全て終わるまで外しません。

縦に加工する板を仮止めし、あて板を後ろから押して、ピッタリ沿わせます。

加工する板を正確にセットします。
フロント左ガイド板は「1番」を当てて使います。
テンプレートは樹脂製なので、曲がったり、あて板から浮いてしまうので、
上にウエイトを乗せてテンプレートを固定しています。
ウエイトを落とさないように充分注意してください。

トリマーの準備

ガイドは、11.1mmの方を使います。
ビットは、Φ6.4mmストレートビットです。

加工する板の墨に合わせて、ビットを出す寸法を決めます。

トリマーで加工(1枚目)

いよいよ、1回目の加工です。
当たり前ですが、22.3mmピッチで、6.4mmの溝がつきます。

6.4mmの溝を11.1〜11.2mmに広げるため、
加工した板を右側にスライドさせます。
スライド量を決めるため、厚さ4.8mmのスペーサーを作りました。
1mmのアクリル板を4枚と画用紙などを挟んで、両面テープで
貼り付けています。

材料の左側にスペーサーを挟んで、固定します。
上にウエイトを置いています。
1つの溝を2回加工するので、段差ができやすくなります。
板を上のテンプレートにきっちり押し当てて、固定します。

2回目の加工をしました。
22.3mmピッチで11.1〜11.2mmの溝ができればOKです。

トリマーで加工(2枚目)

2枚目の板を加工します。
1枚目の板と11.2mm右にスライドして加工すれば良いのですが、
11.2mmのスペーサーを作らず、フロント左ガイド板を「2番」に回転し、
更に2mmのアクリル板をはさんで、スライドさせています。
写真は、1回目の加工が終わったところです。

2回目の加工は、2mm+4.8mmスペーサーを2枚はさんでセットします。

ここで、仮組みしてみます。きつい場合は、スペーサーに紙テープなどを
貼って、調整後、再加工すれば良いです。
ゆるい場合は、加工やり直しですが、木工ボンドである程度ごまかせ(^_^;)
調整できます。
スペーサーは、4.7mm位にして、後で調整する方が良いかもしれません。
また、溝の幅を広げる再加工は、組み合う2枚の内、1枚の再加工でOKです。

ここまでの作業を繰り返して、溝を作ります。
私の場合、反対側の溝加工も「フロント左ガイド板」を使い、加工しました。
(右側で加工したほうが、どちらも板の表面側からトリマーが入るので良いかと思います)

これで、あられ加工は完了です。
あとは、バリ、ささくれ等を小刀で取り、組立てます。
若干の段差などは、最後に修正しています。

※板の欠けが出る場合などは、白柿などで予め木の繊維を切るように
しておくと良いです。その場合、一度加工した材料をガイドにして墨を入れると楽です。


ここからは、そのままの勢いで、箱を作った様子です。
説明用で加工したので、不恰好です。
作品とは言えません。(笑)

(2007.12.01)