製作過程2 (拭き漆) clothty タモ
初めての「拭き漆」です。
まずは、室(むろ)を製作しました。
手持ちの杉材に合わせて作ったため、
幅68cm、長100cm、高45cmと大きめです。
分解できるように、木ネジを使って組立ててあります。
杉は鉋など掛けずに荒材のまま使うのが良いとのことです。
漆とヘラは、東急ハンズ名古屋店で購入したものです。
漆は「播与の漆」と書いてあり、100g 1680円。
漆の中で一番安価でした。
ヘラ(デルリヘラ:近所のDIY店でも売ってました。150〜200円位)も購入。
使い捨て手袋と温湿度計を購入し、漆塗りの準備が着々と進みます。
漆塗りの始まりです。
近所に教えてもらえそうな人もいないので我流です(笑)
青い樹脂製のヘラで漆を伸ばして塗っていきました。
チューブに入った生漆は、薄い透明感のある茶色ですが、
塗っているうちに濃い茶色へと変化します。
塗っている途中で写真を撮りたかったけど、
手袋に漆が付いていたので、撮れませんでした。
室(ムロ)に入れて3日後、恐る恐る取り出す。
室の中は、湿度85%、17℃。
漆はカチカチに乾いていました。
遠目には、いい感じです。
色の深み、さすが漆だ〜〜よしよし・・・・・・んっ
近目では、ムラがいっぱい、 (+_+) ガ〜〜ン!
木地固めを忘れていました(爆)
生漆を薄めずに塗り、適当に拭いていました。
(アトリエ岡崎さんよりアドバイス)
「1回目のポイントは木目に沿って塗り
木目に沿って拭き上げる。
(1回目の生漆とテレピン比率は
100:30ぐらい」
室に入れるとき手袋に付いていた漆も付着してコテコテ(笑)。
漆かぶれが怖くて、慎重さと気合が不足したようです。
その漆かぶれですが、どうやら無かったみたいです。
再度全体的にペーパーを掛けて、やり直しです。
こんなことで、いいのかな?・・・(笑)
2回目は、生漆をテレピン油で薄めて、全体的に塗ってみました。
(いまさら木地固めするのか?)
どうやら、薄めすぎたようで、室に入れて12時間経っても乾かない。
本職さんから見たら、目も当てられない状況は間違いない・・・(恥)
拭き漆、難しいなぁ・・・・苦戦です。
・・・・・てなことで、さっぱりワヤです。(トホホ・・・)
1週間位、室に入れておきました。
2回目を塗って、取り出す所です。
温度17℃。湿度85%
3回目の漆を塗りました。
やっと漆と落ちついて向い合うことができました。
今までは、かぶれが怖いので、焦ってベタベタに塗ってしまったりして、
作業中は足が地についていないような感じでした。
一気に全部塗らなくても良いと考えました。
落ち着いて塗って丁寧に拭き取る。
少し分かったような気がします。
3回目は、薄く塗って思いっきり拭き取りました。
3回目が乾いた状態です。
今回は漆をできるだけ拭き取りましたので、
色が薄いかなと思ったのですが、
日が経つにつれて濃くなって、
艶も少しですが出てきました。
4回目で完成としました。
塗りムラなど満足できない点が色々ありますが、
修復は不可能と判断しました(笑)
それにしても、初めての拭き漆は、得るものが多かったです。
今回の反省点
1、素地・・ここで決まります。手を抜いては、ムラになります。
気になる所は、鉋かペーパーで確実に仕上げましょう。
2、1回目は、テレピン油で薄めて塗りましょう。
3、拭きは、徹底的に拭きましょう。
4、かぶれには、充分注意しましょう。
ゴム手袋と軍手をはめると良さそうです。
(1回使った手袋は廃却してます)
(2006.12.13)