「暑い」
まず神楽が沖田の家の戸を開けて発した言葉はこれ。
「今クーラー入れまさァ」
「おうヨ」
今日は町の花火大会だった。
この花火大会は中々大きなもので、Z組でも頻繁に話題にあがるほどのものだった。
神楽も楽しみにしていた一人である。
もとからお祭り事が好きな神楽は人一倍楽しみにしていたのだ。
・・・・だが。
妙やそよ、そしてなぜか新八や土方そんでもって沖田など3Zの面々で一緒に見ようと待ち合わせをしたものの、
当日、大通りは人でごった返しており、あっさりとはぐれてしまった。
・・・しかも、一緒にいるのが沖田のみという状況。
げんなりしている神楽。
と、そんなとき沖田の「俺の部屋ならバッチリ見えまさァ」と言う言葉。
神楽は一応、沖田の彼女である。
この夏休みも何度か沖田の部屋に足を運んでいたため、その町並みの眺めのよさは十分承知していた。
少々不審な点もあったが、今回は素直にお邪魔することにしたのだ。
「ジュースとか冷蔵庫にいれるアルヨ?」
「おぉ」
勝手知ったる台所で神楽は途中コンビニで買い込んで来た飲料水等を冷蔵庫に突っ込んだ。
沖田は寝室に入ったみたいだ。
「うぅ・・・クーラー入っても暑いアル」
広広としたリビングの大きな大きなソファにどすっと勢い良く座りリモコンでテレビの電源を入れた。
ちょうどニュースキャスターが今日の天気について話していたところで、
『今日は今夏で一番暑く、関東のほとんどは32度を超えるところが多く…』
などと言っていた。
「どうりでベタベタするわけネ・・・」
神楽は自分のワンピースの首元をパタパタと仰いだ。
「神楽、風呂入るかィ?」
「沖田」
ふと振り返ると沖田は涼しげな格好に着替え、悠々と立っていた。
「花火始まるまでまだ時間有りまさァ・・・今だったら服、洗濯できますぜィ?」
一人暮らしだという沖田家の洗濯の設備は完璧で短時間で洗濯が出来る洗濯機+乾燥機が設置してあった。
もちろんお風呂も他とは比べ物にならないくらいキレイ。
「ん〜、じゃあ入らせてもらうアル…」
「そうしなせィ」
沖田がにっこり笑うと神楽は不信感を抱いたが、悪いことを考えると実際にそうなるような気がして何も考えないことにした。
「〜ふぅ」
ざぱっと風呂から上がり脱衣所にあがると、きちんと1枚のバスタオルが用意されていた。
そのバスタオルを取り上げ、身体の隅々の水分をふき取った。
・・・と、あるはずの着替えが無いことに気が付いた。
「あれ?」
どうしたものかと不審に思ったが、無い。
沖田に預けたのは着ていたワンピース。
だが、脱衣籠にはそのワンピースはおろか下着すらも見当たらなかった。
「〜っ、あのサドヤロウ!」
ばさっとタオルを身体に巻き、沖田に抗議に行こうとしたがタオル一枚のままじゃ何をされるか判ったもんじゃない。
「・・・・どうしよう」
試行錯誤してみてもいい案が思いつくはずもなく、その場にへたりと座り込んでしまった。
ふと、
顔を見上げるともう一つの脱衣籠のほうに見慣れない衣服が入っているのが判った。
「・・・?」
近づいて中を見てみるとそれは女性用の浴衣と帯びだった。
「まさか・・・これを着ろとカ?」
ただ浴衣だけを渡されても下着が無いと言うのはどうも引っかかった。
しかし、バスタオル一枚でいくよりはましかと神楽は沖田が用意したと思われる浴衣に袖を通した。
「あぁ、早かったですねィ」
「何が「早かったですねィ」ネ!!!さっさと服返せヨ!」
のほほんとアイスコーヒーを飲みながら読書をしている沖田に神楽は牙を向けた。
「ワリィ。もう少し時間かかりそうなんでさァ」
「下着はどこネ!!?」
「下着のほうも神楽サンがが汗かいて気持ち悪いと思って一緒に洗濯しました」
全てが「神楽のため」と言う沖田を前に、神楽はもうどう反応していいかもわからなくなっていた。
「でも下着くらいは欲しいネ・・・」
「ばーか、浴衣ってーのはもともと下着はつけねぇもんなんだよ」
「マジでか」
「マジでさァ」
「で、でもっ・・・」
ちらりと向けられた沖田の視線に神楽は後退りをした。
「な、なにアル・・・」
「思ったよりも浴衣似合うなぁ・・・なんてね」
「なっ・・・っ!」
普段なら聞かれないような沖田の言葉に、神楽の顔に熱が集中した。
焦った神楽は頭を冷やそうと冷蔵庫から先程買った飲み物を取り出し一気に身体に流し込んだ。
「神楽、そろそろ花火始まりますぜィ?」
「あ、うん!寝室のベランダがいいネ!あそこが一番景色良いアル!!」
「へーへー」
すっと沖田はソファから立ち上がると寝室の戸を開けた。
神楽は沖田の後をついていき、沖田の寝室へ入った。
途端
「ぅわぁっ!」
「隙有りっ」
何が起きたかと思えば神楽は沖田に押し倒されていた。
「な、な!!?」
「ダメだぜィ?彼氏のの寝室に無警戒で入っちゃ」
「おま、もしかして最初っからこのつもりだったアルか!?」
「ピンポーン」
ご名答と機嫌よく微笑む沖田の表情に、神楽は泣きそうだった。
「ん・・・っ」
ひゅ〜、ドン!
花火の打ち上げ音が当たりに響き渡り、暗闇に包まれた部屋に花火の光が差し込んだ。
「ほら、神楽。もう少し口開けろ」
「ぅあ・・・っ」
沖田は神楽の身体に馬乗りになりながら両手を押さえつけ神楽の口内を荒らしていた。
「神楽ァ・・・・花火きれいだぜィ?」
「・・・っは、みえ・・ないネ」
唇を開放された神楽は肩を上下させながら大きな深呼吸を繰り返していた。
「浴衣・・・邪魔・・・」
「・・・・は、ぁ」
沖田はしゅるりと神楽の腰に巻かれていた帯を取ると神楽は驚いたように目を見開いた。
「なっ!」
「抵抗するから縛っとかねぇとな」
そう言って沖田は神楽の両手手首を帯で縛り上げた。
「ほどくネ!」
「神楽、暴れると前全部開いちまいますぜィ?」
沖田がにやにやと笑っているのを見ると頭に血が上った。
しかし、冷静に考えると自分は下着を身につけていないわけで・・・
この状況で暴れれば沖田が言ったように前が全てはだけてしまうのだ。
「いやアル〜っ!」
「じゃあほら、おとなしくしてなせィ・・・」
沖田の顔が神楽の首元に近づき、沖田の唇が赤い華を残した。
その間にも沖田の手は神楽のきれいな上半身へ這っていた。
胸元の赤い突起に指先が触れたとき、神楽は小さな声をあげた。
「あぁ・・・お前ここ弄られるの好きだもんなぁ」
「そんなこと・・・っ!」
沖田はそこをつまむと練ってみたり、さすってみたり、親指でつぶしてみたりとまるでおもちゃで遊ぶように弄り始めた。
「ふぇ・・・」
ピクピクと神楽が反応すると沖田は笑みを作り、今度はそこに唇を寄せた。
最初はぺろっとなめると徐々に甘噛みしたりと刺激を与えるものになっていった。
唇を離すとそこだけ唾液で艶々と光り、なんとも怪しげな雰囲気だった。
神楽はというとそこだけがクーラーの外気によってひやっとした感触で、背筋にぞくぞくとしたものが走った。
「息・・・乱れてますぜィ?」
「ぅるさ・・っ!」
この間にも花火は打ち上げられつづけ、二人を色とりどりな光で映し出していた。
「カワイイねェ・・・」
沖田はぺろりと神楽の唇の端を舐めあげると、手をかろうじて浴衣で隠れている陰部に伸ばした。
少々濡れ始めたそこに触れると、神楽はびくりと肩を振るわせた。
「大丈夫」
「お前の大丈夫は信用できないアル・・」
「そんなこというと・・・加減きかないかもな」
「!!?」
沖田はすっと手前から奥へとゆっくりと指でなぞった。
「っ!!」
ぞくりとした感覚に身震いをした。
沖田はそんな神楽を見て何度も何度も擦りあげた。
「お・・・っ」
「総悟、だろ?」
沖田は一度にっこりと神楽に笑顔を向けた。
神楽のソコは徐々に湿りを増していった。。
沖田はそこに口を這わすと手の代わりに今度は舌で擦り始めた。
「ぅぁ・・・っ!そぅ・・」
ねっとりとした舌の感覚が何度やられても慣れなくて、神楽は頭がパニックになってきた。
「ほら、こんなに濡れてきてまさァ」
沖田はわざとなのか、神楽のソコに口を当てたまま喋ると、神楽はぞくりとした感覚を覚えた。
「ばか・・っ、しゃべん・・・な ぁ」
神楽はもぞもぞと身体を左右に揺らし、沖田から逃れようとした。
両手首を帯で縛られているため、シーツをつかみたくてもつかめない状態。
縛られた両手は虚しく空中を舞うだけだ。
「こんなもんかねィ?」
十分に湿った神楽のソコをみて、沖田はぱっと口を離す。
そして再度手で弄くってやり、神楽を快感へと導いた。
「ふぁ・・ぁっ」
既に沖田の手は神楽の愛液で濡れていた。
沖田は自分の手についたソレをぺろりとわざと神楽に見せつけるように舐めてみせると、
神楽はぼっと火を噴くように顔を赤くした。
「・・・ゃめろヨ・・・」
「女の味がしまさァ」
沖田は面白がっているとしか思えなかった。
すっと指を再度秘部へ滑らせると、神楽はびくりと強張った。
既に浴衣ははだけてしまっていて、前は完璧に開いていた。
「ぐちょぐちょ」
「・・・言うナ!」
かっと神楽は顔を沖田からそらすと、沖田はにこりと笑ってソコの周辺をすっと指でなぞった。
「・・ぅっ」
「これなら、すんなり入りそうだねィ。」
すっと沖田は指を1本挿入すると、神楽の内の壁は面白いように沖田の指に絡みついてきた。
それと同時に、神楽はさっと現実に引き戻されたように耳の奥に花火の打ち上げる音が響いた。
1つ1つの花火の打ち上げ音が、自分の荒い息が、沖田の求めるような呼吸音が、自分の身体から発せられる淫らな音が、その全てが頭にがんがんと響いた。
「そ、ご・・・」
「ん?・・・何も考えられないようにしてあげるまさァ」
沖田は2本目の指をぐっと入れる。
角度を少し変えるだけで神楽の口からは甘い吐息が漏れ、神楽は身体をくねらせた。
(コイツは・・・何だかんだ言って感度抜群なんだよなぁ)
沖田はそんな神楽の額にキスを一つ落として、3本目の指を入れようと中に入れてある指を引きずり出した。
「ふに・・・」
指を抜くだけでさえ感じているのが判って、沖田はわざと3本の指をのろのろと慎重に入れた。
徐々にこみ上げてくる快感に神楽はどうすることも出来ず、首をいやいやと振った。
くちゅくちゅと陰部から聞こえる淫らな音は花火音と共に寝室へ響き渡った。
「そ・・・ご、あぁ・・・っん」
「・・・入れますぜィ?」
沖田がそっと神楽の耳元で呟くと神楽は真っ赤になってただ首を縦に振るだけだった。
「ぅあ・・・ん」
沖田は狂いきった自分自身を神楽に押し当てると、ドンッというけたたましい花火の音と共に勢い良く突き上げた。
「ぅふぁぁんっ・・・」
沖田のものが神楽の内側のちょうどいいところに擦り当たり、神楽は思わず声をあげた。
「キツ・・・っ、おい、力抜け・・・っ」
神楽は何かをつかんで沖田が与える快感に耐えたいのだが、手首を縛られているためどうすることも出来なかった。
少しずつ沖田が神楽のなかに埋まるときには淫らな音が響いた。
神楽は懸命に手を動かすと、ようやく帯が解けシーツにしがみつくことが出来た。
沖田は全て収めきり、ゆっくりと上下に揺らした。
「ふ・・ぅ」
「神楽ァ・・・今日、いつもより乱れてんじゃねーの?」
クスリと笑って自分を見下すように見つめる沖田が視界に入った。
「け、んか・・ぅ・・ってるアル、か?」
「んーや、嬉しい・・、だけ」
今度は打って変わって激しく揺さぶってやると、神楽のソコはキツク沖田をつかんで離さない。
神楽自身は甘い声を漏らしてシーツを固く握ったままだ。
「そぅ・・ご」
少々涙目で下から見上げられ、神楽の限界が近いことを知る。
「・・・ッ、煽ってんじゃねーよ・・・っ」
沖田は神楽の鎖骨に唇を落とし、花火のような真っ赤な華を散らした。
「・・・っ!どう考えても丸見えだろうがァァァ!!!」
やっと洗濯し終えた服を着た神楽は暢気にアイスコーヒーを飲んでテレビを見ている沖田に向かって抗議の言葉を吐いた。
「目の前にそんな白い肌あったら、付けたくなるだろィ?」
マーキングマーキング、と先程コンビニで購入した炭酸飲料水を差し出され神楽はとりあえずそのペットボトルを受け取った。
「またアネゴとかそよちゃんになんか言われるネ。興味剥き出し女は怖いアルヨ?」
「いいじゃネーか、もう済んだことだろ」
もう沖田には何を言っても通じないということを察した神楽はおとなしく沖田の隣に座り、ごくごくと水分を身体に取り入れた。
と、いきなり沖田は身体を乗り出し、神楽に覆い被さるように近づいた。
「?どうしたアル・・・」
沖田はすっと自分がつけたキスマークに手を指し、ゆっくりとなぞった。
「今日の花火みてェ・・・」
「あ"?」
神楽が、そういえば自分がここにきたのは花火のためだと悟ったのは花火大会が終わって数時間たったときのことだった。
はなびたいかい
アトガキという名のイイワケ
前ジャンルの文章変換してみました文。
浴衣とかマニアックですがきっと総悟が用意した浴衣はミツバさんのお古。
彼女にあげてねと言われたが素直に渡せなかったので・・・みたいなネ★
20061217
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