平成19年2月11日の日曜日。(建国記念の日)
ねえ、まま、最近お散歩の歌を唄わなくなったんだね。
そうねえー そういえばそうかな?
ままは、昔はよく鼻歌を唄っていたのにな。
ご飯を食べた後お茶碗を洗いながらとか、お風呂に入った時とか、
掃除機をかけながらだとかね。
そうだよ。僕とのお散歩の時だって必ず唄っていたのに
なんでなのかなあ?
いったい、いつ頃から唄わなくなったんだろうね。
歌を忘れたままを山に棄てるのはかわいそう
歌を忘れたままを子藪に埋けるのはかわいそう
歌を忘れたままを鞭でぶつのはかわいそう
歌を忘れたままは僕のお散歩でリードを引っ張りながら、
空を見上げ、林を見渡し、野原を駆け巡れば
きっと忘れた歌を思い出す
あれっ!都合のいいこと言っちゃったかな?
まま、そうじゃなくて
やはりね、鼻歌を唄えるくらいの心のゆとりっていうものが
必要だってことなのじゃないかなあ?
そしてね、月に一度くらいパパとカラオケを楽しむってのも、
とてもいいと思うよ。
僕は、その間ちゃんーんとしっかりやしのみ家の番犬を
務めるからさ。
ねっ!
童謡「かなりあ」 (詩・西条八十)
歌を忘れたカナリアは後ろの山に棄てましょか
いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは背戸の小薮に埋けましょか
いえいえ それはなりませぬ
歌を忘れたカナリアは柳の鞭でぶちましょか
いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは象牙の舟に銀のかい
月夜の海に浮かべれば
忘れた歌を思い出す
「声帯は使わないとどんどん悪くなってゆくんだよね。
このところ、そういえば鼻歌も出ないものね。」
パパもままにそんなことを言うし、それにお風呂でよく
歌を口ずさむパパ自身も、最近声が出ないって、言うし、
僕はどんな成り行きになるだろうと、パパ達の顔を
眺めた。
「よしっ!決めた!今夜はカラオケに行こうか!
たまには喉を鍛えなくっちゃねっ!」
それは、今月の4日の出来事だったけどね。
その日は僕は勿論お留守番さ。
せいぜい、2時間位かな?って、思ったのが大間違い!
最初は2時間でお願いしたそうだけど、興に乗ってきたパパ達は、
1時間も延長して、なんと合計3時間も唄い続けたことになる。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない?厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ?
ひょいっ!大丈夫だった、良かったあ~♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん?そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ!ハッピちゃん、可愛い~♪ ハッピーポッターだあー!♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん?僕って今注目されてるの?
鼻歌も出ないということは余裕がなくなったっていことなのかも
しれないね。
人間、あまり忙しいとこうなるのかな。
先日、ままの会社でのできごとだよ。
取引先から、電話を受けたままは、その方が電話を切る時に、
「じゃあ、Mさんによろしくお伝えください。」って言われたそうだ。
そのMさんと言うのは、実はままのことだよ。
うん?どういうこと?
じゃあ、今まで誰とお話していたと思ったのかしら?
ままは慌てて、「いや、私Mなんですけどって、電話を切る前に
アピールした。
「うん?Mさんだったのかあー?声が違ったみたいだけど・・・」
ままは重ねて「Mですよ。最近思うように声が出なくて・・・
年を取ったのかしら?」
その方は半年振りに電話をしたお客様だったから、ままの声の
変わりように驚いた。多分ね。
だって、その年を云々の言葉に対して、なんの否定もなかった
らしいからね。
ままは、ショックで打ちひしがれた。
だって、こないだカラオケに行った時にも、全然高い音が出なくて、
ショックを受けたばかりなんだ。
じゃあ、カラオケはうまくいったかって?
いやいや、パパの方はお風呂でいつも歌っているから、
すぐに回復したけれど、ままの方はダメだったらしい。
それでも、音程を低くして必死に唄い続けたらしいけどね。
そして、もう後一曲で終わりという時になって、ようやく
なんとかきれいに唄えたというか、音程は低いままだけれど、
メロディーになってきたというか、そんな感じだったそうな。
良かったよ。
ままの打ちひしがれていた心はすこーしだけ回復したからね。
「やっぱり、時々カラオケもしなくっちゃ、ダメなのね。」
「そうだな。今度から月一回くらいで行くかあー」
そう、結論づいたパパとままだけれど、さ~て、どうなることやらね。
まま、先ずは僕のお散歩の時に、例の「お散歩の歌」を
唄うようにすればいいんじゃな~い?