H31年消費増税の経過措置について 事務所通信 vol.141 平成31年2月20日 顧問先各位 平素は格別のご高配を賜りありがとうございます。 本年10月から消費税が増税されます。今回の改正は前回の増税時とは異なり軽減税率が新設され複雑な改正となっております。 今回は消費税が増税された場合の経過措置等について略述したいと思います。 1.請負工事 工事の請負等に関しては、平成25年10月1日から平成31年3月31日までの間(以下(1)の間と言う)に締結した工事の請負に基づき施行日以後に資産の譲渡等を行う場合は旧税率が適用されます。 なお、請負工事の中間金は、前受金と同様に受領時点では資産の譲渡等の対価として認識しません。中間金を収益に振り替える時に資産の譲渡等の対価として認識しますので、この時点で適用されている消費税率によることとなります。 2.資産の貸付 (1)の間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き資産の貸付けを行っている場合で、一定の要件を満たすものについては、施行日以後に行う資産の貸付けに係る消費税については旧税率によるとされています。具体的には貸付け資産が建物である場合は、 @契約で資産の貸付けの期間及び対価の額が定められている、かつ A事業者が情況の変更その他の理由により対価の額の変更を求める事できる旨の定めがない場合は旧税率の適用となります。 3.書籍等の予約販売 平成31年4月1日前に締結した不特定かつ多数の者に定期的に継続して供給することを約する契約に基づき譲渡する書籍その他の物品で当該契約に定められた当該譲渡に係る対価の全部又は一部を施行日前に領収している場合において、当該対価の領収に係る書籍その他の物品の譲渡を施行日以後に行うときは、当該書籍その他の物品に係る課税資産の譲渡等のうち当該領収した対価に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税については、改正前の税率によることとされています。 4.旅客運賃等 平成26年4月1日から2019年9月30日までの間に旅客運賃、映画・演劇、競馬、美術館等の入場料金を領収しているもので2019年10月1日以後に乗車等されるものは旧税率が適用されます。 5.電気・ガス 2019年10月1日前から継続して行われる供給している電気、ガス、水道、電話料金等で2019年10月1日から2019年10月31日までの間に検針等で料金が確定するものは旧税率が適用されます。 6.指定役務の提供 (1)の間に締結した役務の提供に係る契約で当該契約の性質上役務の提供の時期をあらかじめ定めることができないもので、当該役務の提供に先立って対価の全部又は一部が分割で支払われる契約(割賦販売法に規定する前払式特定取引に係る契約のうち、冠婚葬祭のための施設の提供その他の便益の提供に係る役務の提供に係るものをいいます。)に基づき、2019年10月1日以後に当該役務の提供を行う場合において、当該契約の内容が一定の要件に該当する役務の提供は旧税率が適用されます。 ご注意: 棚卸資産の譲渡の日は、「資産の引き渡しのあった日」となっています。この為、契約が締結された日がいつであるかは関係ないので、資産の納品が行われる日の消費税率が適用されることとなります。 上記の請負工事等や書籍等の予約販売の取扱いと相違しておりますのでご注意下さい。 ※記帳する際には、経過措置の適用を受けた場合は旧8%として、新8%、新10%と区分して処理する必要があります。 |