中小企業経営強化税制について2

事務所通信 vol.135

         平成30年4月20日

顧問先各位

毎々、格別のご高配を賜りありがとうございます。顧問先の皆様におかれましては益々ご清祥のことと存じます。さて今回は平成29年4月1日より適用となっております中小企業向け設備投資促進税制について、再度説明したいと思います。

1.特例制度

中小企業の投資促進税制としては、平成29年4月1日から、旧中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却の対象であった器具備品が対象から除かれ、特定経営力向上設備等を取得した場合に限り即時償却の適用や器具備品・建物付属設備が対象となっています。(なお、器具備品については経営改善設備を取得した場合は対象となります。)

適用を受けるためには、原則該当資産を取得するまでに、中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定又は投資計画の確認を受ける必要があります。

認定経営力向上計画に基づく取得の場合、税務の特別償却・税額控除を受けられるだけでなく、償却資産税の軽減措置の適用、金融機関による支援、補助金等の優先採択、事業承継の後押しを受けられる場合があります。

2.適用期間

平成29年4月1日から平成31年3月31日までの取得し指定事業の用に供した場合

3.対象となる経営力向上設備等

@生産性向上設備(A類型)

中小企業者が経営力向上計画に基づき取得する新規の機械装置等である事。

対象となる機械装置等は、生産性を高める.に記載のもの。

  工業会の証明書及び経営力向上計画の申請・認定が必要。

A収益力強化設備(B類型)

投資計画における年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることにつき経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された機械装置等

経済産業局の投資計画の申請・公認会計士等の確認が必要。

4.対象設備の金額基準等

@機械装置160万円以上、工具器具備品30万円以上、建物附属設備60万円以上、ソフトウエア70万円以上

A(A類型)旧モデル比で生産効率等が年平均1%以上向上するもの、(B類型)投資利益率が年平均5%以上であること

B販売開始から機械装置10年、工具5年、器具備品6年、建物附属設備14年、ソフトウエア5年以内のもの

C中古資産でない

5.適用手続き

@対象設備を決定したら、設備メーカーを通じて工業会等による証明書を事前に取得する。

A生産性向上設備の場合(改正前のA類型類似)

機械装置等の取得前に各事業分野の主務大臣に経営力向上計画(証明書の番号等の記載必要)を申請し、主務大臣の認定を受理する事。

経営力向上の伸び率は1%以上

B収益力強化設備の場合(改正前のB類型類似)

機械装置等の取得前に経済産業大臣に投資計画(公認会計士等の確認必要)を申請し、経済産業大臣の確認を受理する事。

投資利益率が5%以上

CA類型の場合は、工業会証明書・向上計画申請書・認定書、B類型の場合は投資計画書・確認書等を一定の書類と共に申告の際添付する。(なお償却資産税の特例はB類型のものは受けられない、又該当資産が機械装置以外の資産の場合、地域により業種指定あり)

6.注意点

中小企業経営強化税制の適用には、設備の取得前に大臣の認定又は確認が必要となります。また申請書の受理から認定・確認までに一定の時間がかかります。(償却資産税で初年度適用を受ける場合は、年内の認定が必要)

※ 経営力向上計画の作成ツールが近畿経済産業局のホームページに資料が掲載されています。(近畿経済産業局宛用)

工業会の証明書だけでは、上記特例の適用は受けられませんので、資産取得を予定されている場合は、早めに経営力向上計画等の申請(原則取得前まで)をする必要があります。また、計画書提出後、資産に追加がある場合は、計画の変更届を出し、追加資産の適用を受ける事となります。