医療費控除の改正について 事務所通信 vol.132 平成29年10月20日 顧問先各位 毎々、格別のご高配を賜りありがとうございます。顧問先の皆様におかれましては益々ご清祥のことと存じます。さて今回は平成29年分より改正となっております所得税控除の医療費控除について、少し説明します。 (T)スイッチOTC薬控除の創設 現行の医療費控除とは選択制で、年間12,000円を超える一定の医療品を購入した場合の医療日控除の特例が新設されています。 1.適用対象 平成29年1月1日から平成33年12月31日までの期間に、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う居住者 @特定健康診査 A予防接種 B定期健康診断 C健康診査 Dがん検診 2.対象となる支出 自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る一定のスイッチOTC医療品の購入の対価(その薬の箱等に該当するか記載されている場合があります。その他、厚生労働省のHPに該当薬の記載があります。) 3.控除額 (その年中に支払った額−保険金等の額)−12,000円(88,000円が限度) 4.手続き 従来の医療費控除の適用とは別に控除明細を作成記載す必要があります。また上記1.の取組を行ったことを明らかにする書類の添付又は提示が必要です。(この適用を受ける場合従来の医療費控除の適用とはなりません。) (U)医療費控除の改正 1.改正点 平成29年分から、医療費の領収書の提出又は提示に代わり「医療費控除の明細書」の添付が必要となりました。(領収書の提出は必要ありません。) 2.対象となる支出 自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費 3.控除額 (その年中に支払った額−保険金等の額)−10万円又は総所得金額等の5%いずれか少ない額(200万円が限度) 4.手続き 平成29年分からは医療費の領収書の提出は不要となりました。 また健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」等の医療費通知書を添付する場合、医療費控除の明細書の記入を省略し、合計額で医療費通知に関する事項に記載します。 また「医療費のお知らせ」に記載のない薬局・病院等への支払は、医療費控除の明細書に「上記以外の明細覧に医療を受けた者・病院・薬局ごとに合計額を記載します。 5.注意点 なお平成29年分から平成31年分にかぎり、従前どおり医療費の領収書の添付又は提示によって医療費控除の適用を受けることもできます。 本年の医療費控除等の資料としては、医療費の領収書のほか「医療費通知」の提出が必要となります。また医療費を集計する場合は、上記の区分ごとに行う必要があります。 「医療費通知書」を添付する場合、該当する医療費の明細の記入は省略できます。医療費控除の対象となる額は、自己負担相当額となりますので、公費負担医療や高額療養費等の給付を受け、医療費通知書から計算した自己負担相当額と実際の負担額が相違しているものについては、自己負担相当額の訂正が必要です。 |