H29年度税制改正大綱について

事務所通信 vol.128

              平成29年1月20日

顧問先各位 

 平素は格別のご高配を賜りありがとうございます。本年もよろしくお願いします。

昨年よりマイナンバーが実施されています。繰り返しになりますが従業員等のマイナンバーの取得引き続きよろしくお願いします。

景気が良くないと言う事で消費税の増税がH31.10月まで延期されました。昨年の年末はトランプ景気で円安・株高となりましたが、今後日本の景気は改善されていくのでしょうか。

さて今回は昨年12月に発表されました与党税制改正大綱について、中小企業者として注目する点を少し記述したいと思います。(注意:以下は現時点で法律として決定したものではありません。)

1.配偶者控除・配偶者特別控除の見直し(個人)

 配偶者控除が、合計所得金額が1,000万円を超える居住者については適用出来なくなります。また居住者の合計所得金額が900万円を超える者については控除額が減額されます。

 配偶者特別控除の対象となる配偶者に合計所得金額が123万円以下までの者に引き上げられます。(居住者の合計所得金額が1,000万円超の者は適用不可)

平成30年分以後に適用されます。

2.先端設備の即時償却(法人・個人)

 青色申告書を提出する中小企業者等で中小企業等経営強化法の経営力向上計画に認定を受けた者が、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物付属設備及びソフトウエアで、特定経営力向上設備等に該当するもののうち、一定に規模以上のものを取得して指定事業に供した場合には、即時償却かその取得価額の7%(特定中小企業者にあっては10%)の税額控除(法人税額の20%限度)の選択適用が出来ることとされます

3.雇用者給与支給額が増加した場合の税額控除の見直し(法人・個人)

1.中小企業者等

 雇用者給与等支払額が増加した場合で、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額(増加平均給与等支給額)のその比較平均給与等支給額に対する割合が2%以上である場合における控除税額を、雇用者給与等支給増加額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12%との合計額(最大22%)とされます。

2.中小企業者等以外

 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額(増加平均給与等支給額)のその比較平均給与等支給額に対する割合が2%以上である場合における控除税額を、雇用者給与等支給増加額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の2%との合計額(最大12%)とされます。

4.試験研究費の税額控除制度の見直し(個人・法人)

2年間の時限措置として以下の措置が適用されます。

1.試験研究費の総額に係る税額控除制度の税額控除率の上限を14%とする。(現行10%)

2.中小企業技術基盤強化税制について、試験研究費の増加割合が5%を超える場合

.税額控除率(12%)に、増加割合から5%を控除した割合に0.3を乗じて計算した率を加算する。(上限17%)

.控除税額の上限(当期の法人税額の25%)に当期の法人税額の10%を上乗せする。(3の税額控除制度と選択適用)

3.試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合には、控除税額の上限(25%)に、当期の法人税額に試験研究費割合から10%を控除した割合を2倍した割合(10%を上限とする。)を乗じて計算した金額が上乗せされます。

5.中小企業向け租税特別措置適用に所得制限追加(法人)

 中小企業向け租税特別措置について、平均所得金額(前3事業年度の所得金額の平均)が年15億円を超える事業年度の適用を停止されます。

平成31年4月1日以後開始事業年度から適用