マイナンバーの対応方法について

事務所通信 vol.119

                平成27年9月20日

顧問先各位

 平素は格別のご高配を賜りありがとうございます。

前号でも述べましたとおり、本年10月より、マイナンバー(個人番号)の通知が市区町村から全国民へ開始されます。

個人番号(マイナンバー)は、特定個人情報に該当し、その取扱いには高度な注意が必要とされます。政府から発表されたガイドラインでは、管理区の設定等、零細企業ではクリアする事が相当な負担となる部分も発表されています。

そこで、今回はマイナンバー収集・使用・管理事務に対する、中小・零細企業でも実行可能と考えられる一つの具体的対応例について説明を行いたいと思います。

1.収集目的の通知

・マイナンバーを収集する場合、源泉徴収票の作成、法定調書の作成、健康保険、厚生年金、雇用保険の各種届出等、マイナンバー使用の目的を明確にし、該当者に提出してもらいます。

・会社の掲示板等に、マイナンバー収集の旨の通知文を掲示します。

2.担当者の決定

・マイナンバーを取扱う担当者を決定します。

上記のようにマイナンバーは特定個人情報に該当し、機密事項であるため、取扱者を限定し責任の所在、管理を明確にしておく必要があります。

3.収集時期

・マイナンバーを収集する時期については、本年の場合、役所から「通知カード」が送付されてくる時期に合わせ、平成27年10月以降が良いと思います。(H28年の扶養控除申告書)

その後は、従業員の採用時、或いは取引の開始時等となります。  

4.個人番号の収集方法  

@  業員・役員

・区役所から送付されてきた通知カードと運転免許証等で番号確認と本人確認を行います(従業員で既に確認が済んでいる場合除く)、またこの時「通知カード」はコピーし、コピーを会社で厳重に保管管理します。  

A  報酬(弁護士等)、家賃の支払い等の支払先他

・個人番号提出の依頼書等を該当者の住所地へ送付し、「通知カード」コピーを返送してもらい本人確認をします。

5.該当書類の作成手順

源泉徴収票、社会保険関係書類等の作成

・収集した個人番号を該当する書類に記載します。

@  書類の作成に際しては、まず個人番号の部分を除いて作成し、個人番号の記載のない文書を会社の控えとしてコピーして保管。

A  次に、この文書に個人番号を該当者の「通知カード」コピーを参照して個人番号を追加記入して、書類を完成させ、役所等へ提出。

  扶養控除申告書の記入においては、個人番号を記載せずに作成するか、全て記入して提出してもらった後、データ入力後個人番号をマスキングして、個人番号の記載のない書類として保管する事で、会社の控えは個人番号の記載のない書類となるので、控え書類は従来通りの方法での保管が可能となります。

6.通知カード」コピーの保管

「通知カード」コピーは、機密書類に該当する為、機密書類ファイルにまとめて保管します。このファイルは、鍵がかかるロッカー等で保管し管理担当者しか取り扱えないようにする必要があります。

7.通知カード」コピーの廃棄 

・従業員の退職後一定期間が経過した場合で、個人番号が必要なくなった時は、「通知カード」コピーを速やかに廃棄又は削除します。(焼却、溶解、などの復元不可能な手段により廃棄します。)