平成15年度 改正税法の

概要について

事務所通信   vol.44

平成15年 3月20日

顧問先各位

 

 平素は、毎々格別のご高配を賜りまして有り難うございます。平成15年がスタートし14年分の所得税確定申告も終わりました。顧問先の皆様に於かれましては益々ご清祥のごとと存じ上げます。

 景気低迷を打開するため、税制改革も行われております。現時点では法案として国会を通過していないものも含めて、平成15年度の税制改正のトピックスについて概略を述べさせて頂きたいと思います。

 

 @消 費 税(H16.4.1〜)

1.事業者免税制度の適用上限を1000万円に引き下げます。

2.簡易課税制度の適用上限を5000万円に引き下げます。

3.消費税額を含めた総額を明示する事が義務づけられました。

 

A所 得 税(H15.1.1〜)

1.配偶者特別控除のうち、控除対象配偶者については廃止されました。

2.配当所得について一律20%の源泉分離課税となりました。

このため、従来の少額配当の非課税制度や35%の源泉分離課税制度は廃止となります。(H15.4.1〜)

また、上記20%の税率がH15.4.1からH20.3.31までの5年間は10%に引き下げられます。

3.上場株式等の譲渡益に対する課税制度は、H15.1.1から5年間の譲渡益に対して10%の税率が適用とされます。

また、保有期間1年超の100万円の特別控除はH14年末で廃止となりました。

 

 B法 人 税(H15.4.1〜)

1.研究開発減税

 売上金額に対する試験研究費の割合が一定以上の事業者に対し、試験研究費の額に対し10〜12%の率で税額控除が、増加試験研究費の税額控除と選択してできるようになりました。ただし、当期の法人税額の20%相当額を限度とします。 また、中小企業技術基盤強化税制で上記に代えて12%相当額の税額控除が認められます。

2.30万円未満の少額減価資産の即時償却(中小企業者のみ)

3.定額控除限度額の不参入割合が20%から10%へ引き下げられた事にともない中小事業者の交際費損金に参入できる額が拡大しました。

4.留保金課税が自己資本比率50%以下の中小同族会社については3年間適用停止となりました。

 

 C相 続 税(H15.1.1〜)

1.相続時精算課税制度の創設

 65歳以上の親が、20歳以上の子に所轄税務署長に対して届け出を行った場合は、選択をした年以後については基礎控除110万円を控除せず、選択適用後の贈与財産の累計額から2500万円を控除した後の金額に20%の税率を乗じて算出した額が贈与税の額となります。(精算課税選択後は通常の贈与税課税方式に戻れません)

 なお、本制度を選択した場合は、相続時点で上記贈与財産の累計額を相続財産に含めて相続税の申告を行います。

2.住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例の創設

 上記の相続時精算課税制度を適用する場合で、自己の居住の用に供する一定の家屋を取得する資金(一定の増改築のための資金を含む)の贈与を受ける場合は、65歳未満の親からの贈与についても適用します。また非課税枠も3500万円となります。

3.課税財産3億円超の相続税率、200万円超の贈与税率が引き下げとなります。

 

 Dその他

   不動産取得税の標準税率を3%とする特例措置が講じられます。