H26年消費税改正について

 事務所通信vol.105

平成25年5月20日

顧問先各位   

アベノミクスが発表され、経済政策が大きく変更されました。デフレ脱却を果たし、景気回復を実現出来るか、注視していく必要があると思います。

平素は格別のご高配を賜りありがとうございます。 景気が回復した場合、来年の4月から消費税が増税されます。今回は消費税が増税された場合の経過措置等について略述したいと思います。

1.請負工事

 工事の請負等に関しては、平成25年9月30日までに締結した工事の請負に基づき施行日以後に資産の譲渡等を行う場合は旧税率が適用されます。

 なお、請負工事の中間金は、前受金と同様に受領時点では資産の譲渡等の対価として認識しません。中間金を収益に振り替える時に資産の譲渡等の対価として認識しますので、この時点で適用されている消費税率によることとなります。

2.資産の貸付

  平成25年10月1日前に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き資産の貸付けを行っている場合で、一定の要件を満たすものについては、施行日以後に行う資産の貸付けに係る消費税については旧税率によるとされています。具体的には貸付け資産が建物である場合は、

@契約で資産の貸付けの期間及び対価の額が定められている、かつ

A事業者が情況の変更その他の理由により対価の額の変更を求める事できる旨の定めがない場合は旧税率の適用となります。

3.所有権移転外リース

平成25年9月30日までに締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の内容が下記の@及びA又は@及びBに掲げる内容に該当するときは、施行日以後に行う貸付に係る消費税率は、旧税率によります。

@当該契約に係る資産の貸付けの期間及び当該期間中の対価の額が定められていること

A事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

B契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申し入れをすることができる旨の定めがないこと

4.書籍等の予約販売

 平成25年10月1日前に締結した不特定かつ多数の者に定期的に継続して供給することを約する契約に基づき譲渡する書籍その他の物品で当該契約に定められた当該譲渡に係る対価の全部又は一部を施行日前に領収している場合において、当該対価の領収に係る書籍その他の物品の譲渡を施行日以後に行うときは、当該書籍その他の物品に係る課税資産の譲渡等のうち当該領収した対価に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税については、改正前の税率によることとされています。

5.旅客運賃等

 平成26年4月1日前に旅客運賃、映画・演劇、競馬、美術館等の入場料金を領収しているもので平成26年4月1日以後に乗車等されるものは旧税率が適用されます。

6.電気・ガス

  平成26年4月1日前から継続して行われる供給している電気、ガス、水道、電話料金等で平成26年4月1日から平成26年4月30日までの間に検針等で料金が確定するものは旧税率が適用されます。

ご注意:

棚卸資産の譲渡の日は、「資産の引き渡しのあった日」となっています。この為、契約が締結された日がいつであるかは関係ないので、資産の納品が行われる日の消費税率が適用されることとなります。

 上記の請負工事等や書籍等の予約販売の取扱いと相違しておりますのでご注意下さい。

※記帳する際には、経過措置の適用を受けた場合は8%の仕訳とは区分して起票する必要があります。