続65歳雇用延長について
事務所通信vol.69
平成19年6月20日
顧問先各位
毎々、格別のご高配を賜りありがとうございます。顧問先の皆様におかれましては益々ご健勝のことと存じます。
現在全ての事業所において定年を段階的に65歳まで引上げなければならないようになっております。
このため高年齢者の雇用の安定等に関する法律(以下高齢法)によれば平成19年4月1日からは定年年齢を63歳まで引き上げなければなりません。
しかし実際には中小企業としての対応は以前(61号)にも紹介しましたように、60歳の定年年齢を変更せず、法律で定める年齢までの継続雇用制度を導入し、定年後の継続雇用時に就業内容、職務・職種等を見直して賃金を改定しているケースが多いのではと思います。
上記の様なケースでは助成金の支給対象とはなりませんが、就業規則の定年年齢を65歳へ引き上げた場合や定年の定めを廃止を実施した場合は、1回限ですが助成金がもらえるケースがあります。今回はこれについて少しご紹介します。
1.中小企業定年引上げ等奨励金
(1)
支給対象事業主
@又はAのいずれかに該当する事業主
@次のいずれにも該当する事業主であること
・
雇用保険の適用事業主であり、常用被保険者数が300人以下
・
就業規則等により65歳未満の定年を定めている事業主が、平成19年4月1日以降、支給申請日の前日までに定年年齢を65歳以上に引き上げるか定年の定めの廃止を実施したこと
・
実施日から1年前の日からずっと高齢法8条又は9条違反がないこと
・
定年年齢の65歳以上に引き上げ又は定年の定めの廃止を実施したことにより、退職することとなる年齢が、平成9年4月1日以降において定められた65歳未満の定年年齢を超えること
・
支給申請日の前日において、1年以上継続して雇用されている60歳以上65歳未満の常用被保険者が一名以上いること
A次のいずれにも該当する新規法人の事業主であること
・
雇用保険の適用事業主であり、常用被保険者数が300人以下
・
法人の設立日の翌日から1年以内で支給申請日の前日までで、平成19年4月1日以降に、定年年齢を65歳以上に引き上げるか定年の定めの廃止を実施したこと
・
法人の設立日から実施日までの期間に高齢法8条又は9条違反がないこと
・
支給申請日の前日において、60歳以上65歳未満の常用被保険者が3名以上であり、かつ全常用被保険者の4分の1以上であること
・
支給申請日の前日において、55歳以上65歳未満の常用被保険者の割合が2分の1以上であること
(2)支給額
65歳以上の定年の引き上げ又は廃止をした場合、1回に限り
常用被保険者数 支給額
・ 1〜 9名 40万円
・10〜99名 60万円
・1百〜3百名 80万円
(3)申請期限
中小企業定年引上げ等奨励金支給申請書に改定就業規則等の必要書類を添え、都道府県雇用開発協会へ実施日の翌日から1年を経過する日までに申請する必要があります。(過去に継続雇用定着促進助成金(第1種)の支給を受けている場合は、この奨励金は受給できません。)
(4)不支給要件
・
支給申請日において労働保険料を滞納していること
・
偽りその他不正の行為により、各種給付金を受け、又は受けようとしたこと
この他引き上げる定年を70歳以上とする場合は上記奨励金にさらに1回限りの上乗せ支給もあります。
また、実施日から1年を経過する日までに、55歳以上65歳未満の常用被保険者に対し、高齢・障害者雇用支援機構に定年の引上げ等に伴う意識改革に係る研修や再就職及び社会参加のノウハウの提供等に係るセミナーの研修等の計画を提出し、機構の認定を受けた上で研修等を実施した場合、研修等の費用の一部に対し雇用環境整備助成金の申請を行うことができます。