この便箋を開いてくださった方へ:

──ふと思案したことがきっかけとなって
信越国境の、黒姫山麓に来て仕舞いました
頃は、今では前世紀となった八十年代後半
それをある人は戦場を見た故だろうと云い
またある人は若い田舎暮らしを羨みました
それじゃ私の思案とは何だったか、それは
正に昨今のこの世情の予見だったと云える
かも知れないし、郷里近くへの帰還の試み
だったかも知れないけれど。そして十数年
此処に居て時折りに投げかける自問自答は
黒姫さんの内懐に潜むこれは下野か隠棲か
唯の惰情か、どれも当て嵌まるようであり
どれでも無いようにも思える、そして多分
どれでも無いでしょう・・・雲や蝶たちや
森や繁みやざわめきが、月や惑星や星座が
そう語りかけてくる此の頃と云えるように
感じられています。

よしはら


伝言:

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