サードインパクト発生中、 シンジの中に膨大な量の情報が雪崩れ込んでくる。 シンジの周りに居た人の想い、しかし流れ込んできたものはそのどれも醜くドロドロとした物ばかりであった。 妻の復活の為には、例えなんであっても犠牲にし、そして実際にした父、 父の復讐にとらわれ、使徒への復讐に燃え、全てを駒・道具として扱い、その為の偽りの愛情を与えたミサト、 コンプレックスからか、碇と関係を持ち、そしてその関係に溺れ、悪魔の計画に加わったリツコ、 事故で狂い、そして自殺した母に誉めてもらいたい再び自分を見てもらいたい、その叶えられる事の無い望みの為に、障害となるものを全て排し、攻撃するアスカ、 真実の為には何も省みず、結局は自分勝手の塊の加持・・・・・・ 補完計画の真実、使徒と人類の起源・・・・・・・・・・・・ 他にも様々な物が雪崩れ込んで来た。 しかし、シンジはこれ以上見たくないとその全てを拒絶した。 どれだけ時間がたったのか、シンジは、赤い海の海岸に立っていた。 体に力が漲っている。 第拾八使徒リリンとして覚醒したからのようだ。 「・・・この世界は、全ての時間と繋がっている。ならばどの時代にもいける筈だ。」 「始まりの時に戻ろう、」 「そして、僕を、くだらない理由でこんな目に会わせた奴等に目に物を見せてやる」 「そうだ、それが良い、」 ふと気付くと近くに、アスカが地面に横たわっているのが目に入った。 「・・・アスカか、」 アスカは目を開きシンジに一瞥をくれた。 しかし、その視線はどこまでも見下しているようでもある。 シンジは右手にATフィールドを発生させ、槍の形状にした。 「死ね」 シンジは槍を振り上げた。 アスカの目が一瞬驚きで大きく開かれる。 ATフィールドの槍はそのまま振り下ろされアスカの胸を貫いた。 血が噴出し、白い砂浜を赤く染めていく。 「くくく、あはは、はっはっはは!!」 シンジは狂喜の笑いを上げた。 「あれだけ僕を散々に貶し蔑んで来たアスカだって、結局はこんなに簡単に死んじゃうんだよ」 「もう、こんな死の世界に用は無い」 シンジはエネルギーを放出し、時間を越えた。