贖罪

◆最終話裏

・・・明日は私の命日ね・・・
やっぱり複雑な気分ね・・・
・・・・
・・・・
明日の準備をするか、


翌日、早朝に第3新東京市郊外にある墓地の私の墓の前に行く、
「・・う〜ん、」
まあ、仕方ないか、
墓の裏側に集音マイクをつけておく、
ここならあの人は色々と喋るだろうからね、
その為にこの墓は作られたわけだし、
墓地の外で、あの人が来るのを待つ、
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あの人が花束を持ってやってきたわね、
やはり暗い表情をしているわね。
墓前にに花を供え、手をあわせる。
『・・・ユイ・・・・・・済まなかった・・・・』
うん、十分に集音できるわね。
・・・・
『・・・結局、俺のやったことは無駄・・・いや、シンジやレイを犠牲にしたのだ・・・大きなマイナスでしかなかった・・・』
ふむ・・・
・・・・
『・・・リツコ君達の事も含めて・・・』
確かに、リツコちゃんの事は問題ね。
あの人自身が何らかの形で決着をつけなければならない問題だし、
『・・・・いずれにせよああ言った結果になるのであれば、それなりに準備を整え、もっと早くにゼーレと対立することもできた・・・』
・・・・
・・・・
『・・・結果はわからない・・・勝利する事は極めて難しいが、最悪の事態だけは防げたかもしれん・・・』
何時からそれに供えるかね・・・、手遅れになる前なら、
・・・・
『だが、今・・・何故俺がシンジになっているのかは分からんが・・・こうなってしまってはどうする事もできん・・・』
まあ、それはね・・・
でも、シンジの力ではどうにも成らない、貴方の力が必要であり、又貴方以外にはそれは出来ないと言う事も事実でしょうね。
『・・・これから、レイに少しでも人間らしい事をさせてやろうとは思う・・・だが結局の所、・・・今の俺には、レイを救う事は出来ないし、サードインパクトを防ぐ事も不可能だろう・・・』
やはり既に分かっていた様ね。
・・・・
『・・・・レイを呪縛から解き放つのも無理・・・ネルフの佐官とは言え、そんなもの何の役にも立たない・・・・』
『・・・シンクロ率が低い以上エヴァで十分に戦う事は出来ない・・・ゼーレ以前に使徒にも勝てないかもしれん・・・』
まあ、私の事知らないし、
そう考えるのは当然とも言えるわね。
・・・・
『・・・今の俺は余りに非力だ・・・』
あら・・・泣いてる・・
・・・・
『・・・情けないな・・・』
もうレイへは十分過ぎるほどね、
後は、シンジへの分が・・とは思うけど、このままでは難しいわね・・・
だったら、ここで、もう一押しすることで、ステップを次に進めるか、
小さな花束を持ってあの人に近付いていく、
・・・・・・
・・・・・・
あの人の直ぐ傍で立ち止まる。
少し不思議な顔をしてあの人はこちらを振り向いた。
「・・・レイ、」
驚きからか声が出たようね。
「・・どうかしたの?」
「い、いや、何故レイがここにいる?」
「・・・いては駄目なの?」
「い、いや・・とんでもない・・」
「・・そう、」
墓前に小さな花束を供え、手を合わせた。
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ん?なにか、とんでもなく驚いているわね。
この驚きようからして・・・シンジの事か、レイの事か・・・
或いはその両方か、ね
すっと立ちあがる。
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「・・どうかしたの?」
「む、い、いや、ちょっと考え事をな・・」
「・・そう、」
・・・・・・
・・・・・・
暫く、二人はその場で黙って立っていたけど、先に帰る事にした。
・・・・・・
・・・・・・
『・・・ユイ・・・・』
色んな思いが篭った言葉が聞こえた。


今は家であの人と紅茶を飲んでいる。
静かに紅茶を飲み、あの人が持ってきたケーキを啄ばむ・・・
・・・・・
・・・・・
今なら、間違い無いでしょうね、下手な要因が発生する前に実行に移すべきね。
幸い、次の使徒はレリエル・・非常に都合が良いわね。
さっきから穏やかな目でこっちを見ているわね。
「・・・どうかしたの?」
「いや、気にするな」
「・・・そう、」
あの人は紅茶に口をつけた。


夜、明日のことを考えている。
明日レリエルが来る。
どうするか・・・レイエルを倒す方法で、あの人が思いつくようなものは、初号機とリリスの力ね。
まあ、リリスの力なんて本末転倒的な物は選べないから、初号機の力・・・それも、初号機自身の生存本能による暴走ね・・・今のあの人なら、選択するでしょうね、
私のほうもそれにあわせて、準備をするか、
端末を起動させてマギにアクセスし、細工を始める。


そして、今、レリエルを3機のエヴァで包囲している。
あれが影なのよね、改めてこうして見てみると、とても影には思えないわね。
『1機が先行し、残りがそれをサポート、可能であれば市街地の外への誘導を行って』
「・了解、」
ゆっくりと距離を縮めていく
射程距離に排他のでスナイパーライフルを構える。
ぶっ放す。
着弾する寸前影が掻き消え、ビルに着弾する。
さて、来るわね、
影・・いえ、本体が足元に広がる。
「きゃあ!」
『レイ!!』
未だ、零号機は見えない。
『零号機の救出急いで!』
初号機と弐号機がこっちに向かってくる。
弐号機は未だ時間が掛かりそうね。
あの人がやって来た。
すでに、足元は飲み込まれているし、レリエルの半径もかなりの物だから取れる方法は一つね。
一気に加速をつけて、飛んで、体当たりを、
『きゃ!!』
・・・いたたた、
あの人は・・
レリエルに完全に捉えられちゃったわね・・・
直ぐに完全に沈み込む。
その後、暫く無駄な攻撃を続けていたけど、ミサトちゃんから退却命令が出たので、一言言ってから従う。


夜、ターミナルドグマの最深部に向かう。
リリスが磔にされている。
空中に浮かび、リリスに接触する。
リリスを介して、レリエルの空間を探る。
・・・・・
・・・・・
・・・・・
「・・・見つけた。」
初号機を発見した。
あの人は・・・眠っているわね。
起きるのを待つ、
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
漸く、目を覚ましたわね

目を開く、 ・・・随分とLCLが冷たく成ってきた。・・・ ・・・そろそろ、電源が切れるか・・・ ・・・意識が遠く成っていく・・・ ・・・これで、終わりか・・・・
・・・結局最後まで、何故シンジになってやり直す嵌めになったのか分からなかったが・・・ ・・・もし、もう一度誰かに成って・・やり直すと・・言う事が・・あるのなら・・・ ・・・今度は・・私・・自身になり・・たいな・・・・
今度は頑張ってね、
・・・そう・・す・・れ・・ば・・・・・・・・
リリスの力を解放して時間軸に干渉させる。 「貴方、シンジとレイの事を宜しく頼みますよ」 ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ 時間を反転させて、巻き戻す。 周囲の空間が凄まじい勢いで移り変わる。 ・・・・ ・・・・ ・・・・ 「くっ・・・」 これは、予想以上・・・負荷が大きすぎる・・・ リリスの力が届かなくなってきている。 拙い・・・ ・・・・ 「かふっ・・・・悪戯に歴史に干渉しちゃった罰なのかな・・・」 行ける所まで、行くしか・・・ないわね。 「・・貴方・・ごめんなさい・・・シンちゃん、レイちゃん・・ごめんね・・・」 体から力が奪われていく 「・・・幸せに、なってね・・・」 ・・・・ 意識が闇へと消えていった・・・・