・・・明日は私の命日ね・・・
やっぱり複雑な気分ね・・・
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明日の準備をするか、
翌日、早朝に第3新東京市郊外にある墓地の私の墓の前に行く、
「・・う〜ん、」
まあ、仕方ないか、
墓の裏側に集音マイクをつけておく、
ここならあの人は色々と喋るだろうからね、
その為にこの墓は作られたわけだし、
墓地の外で、あの人が来るのを待つ、
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あの人が花束を持ってやってきたわね、
やはり暗い表情をしているわね。
墓前にに花を供え、手をあわせる。
『・・・ユイ・・・・・・済まなかった・・・・』
うん、十分に集音できるわね。
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『・・・結局、俺のやったことは無駄・・・いや、シンジやレイを犠牲にしたのだ・・・大きなマイナスでしかなかった・・・』
ふむ・・・
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『・・・リツコ君達の事も含めて・・・』
確かに、リツコちゃんの事は問題ね。
あの人自身が何らかの形で決着をつけなければならない問題だし、
『・・・・いずれにせよああ言った結果になるのであれば、それなりに準備を整え、もっと早くにゼーレと対立することもできた・・・』
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『・・・結果はわからない・・・勝利する事は極めて難しいが、最悪の事態だけは防げたかもしれん・・・』
何時からそれに供えるかね・・・、手遅れになる前なら、
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『だが、今・・・何故俺がシンジになっているのかは分からんが・・・こうなってしまってはどうする事もできん・・・』
まあ、それはね・・・
でも、シンジの力ではどうにも成らない、貴方の力が必要であり、又貴方以外にはそれは出来ないと言う事も事実でしょうね。
『・・・これから、レイに少しでも人間らしい事をさせてやろうとは思う・・・だが結局の所、・・・今の俺には、レイを救う事は出来ないし、サードインパクトを防ぐ事も不可能だろう・・・』
やはり既に分かっていた様ね。
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『・・・・レイを呪縛から解き放つのも無理・・・ネルフの佐官とは言え、そんなもの何の役にも立たない・・・・』
『・・・シンクロ率が低い以上エヴァで十分に戦う事は出来ない・・・ゼーレ以前に使徒にも勝てないかもしれん・・・』
まあ、私の事知らないし、
そう考えるのは当然とも言えるわね。
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『・・・今の俺は余りに非力だ・・・』
あら・・・泣いてる・・
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『・・・情けないな・・・』
もうレイへは十分過ぎるほどね、
後は、シンジへの分が・・とは思うけど、このままでは難しいわね・・・
だったら、ここで、もう一押しすることで、ステップを次に進めるか、
小さな花束を持ってあの人に近付いていく、
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・・・・・・
あの人の直ぐ傍で立ち止まる。
少し不思議な顔をしてあの人はこちらを振り向いた。
「・・・レイ、」
驚きからか声が出たようね。
「・・どうかしたの?」
「い、いや、何故レイがここにいる?」
「・・・いては駄目なの?」
「い、いや・・とんでもない・・」
「・・そう、」
墓前に小さな花束を供え、手を合わせた。
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ん?なにか、とんでもなく驚いているわね。
この驚きようからして・・・シンジの事か、レイの事か・・・
或いはその両方か、ね
すっと立ちあがる。
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「・・どうかしたの?」
「む、い、いや、ちょっと考え事をな・・」
「・・そう、」
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暫く、二人はその場で黙って立っていたけど、先に帰る事にした。
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・・・・・・
『・・・ユイ・・・・』
色んな思いが篭った言葉が聞こえた。
今は家であの人と紅茶を飲んでいる。
静かに紅茶を飲み、あの人が持ってきたケーキを啄ばむ・・・
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今なら、間違い無いでしょうね、下手な要因が発生する前に実行に移すべきね。
幸い、次の使徒はレリエル・・非常に都合が良いわね。
さっきから穏やかな目でこっちを見ているわね。
「・・・どうかしたの?」
「いや、気にするな」
「・・・そう、」
あの人は紅茶に口をつけた。
夜、明日のことを考えている。
明日レリエルが来る。
どうするか・・・レイエルを倒す方法で、あの人が思いつくようなものは、初号機とリリスの力ね。
まあ、リリスの力なんて本末転倒的な物は選べないから、初号機の力・・・それも、初号機自身の生存本能による暴走ね・・・今のあの人なら、選択するでしょうね、
私のほうもそれにあわせて、準備をするか、
端末を起動させてマギにアクセスし、細工を始める。
そして、今、レリエルを3機のエヴァで包囲している。
あれが影なのよね、改めてこうして見てみると、とても影には思えないわね。
『1機が先行し、残りがそれをサポート、可能であれば市街地の外への誘導を行って』
「・了解、」
ゆっくりと距離を縮めていく
射程距離に排他のでスナイパーライフルを構える。
ぶっ放す。
着弾する寸前影が掻き消え、ビルに着弾する。
さて、来るわね、
影・・いえ、本体が足元に広がる。
「きゃあ!」
『レイ!!』
未だ、零号機は見えない。
『零号機の救出急いで!』
初号機と弐号機がこっちに向かってくる。
弐号機は未だ時間が掛かりそうね。
あの人がやって来た。
すでに、足元は飲み込まれているし、レリエルの半径もかなりの物だから取れる方法は一つね。
一気に加速をつけて、飛んで、体当たりを、
『きゃ!!』
・・・いたたた、
あの人は・・
レリエルに完全に捉えられちゃったわね・・・
直ぐに完全に沈み込む。
その後、暫く無駄な攻撃を続けていたけど、ミサトちゃんから退却命令が出たので、一言言ってから従う。
夜、ターミナルドグマの最深部に向かう。
リリスが磔にされている。
空中に浮かび、リリスに接触する。
リリスを介して、レリエルの空間を探る。
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「・・・見つけた。」
初号機を発見した。
あの人は・・・眠っているわね。
起きるのを待つ、
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漸く、目を覚ましたわね
目を開く、
・・・随分とLCLが冷たく成ってきた。・・・
・・・そろそろ、電源が切れるか・・・
・・・意識が遠く成っていく・・・
・・・これで、終わりか・・・・
・・・結局最後まで、何故シンジになってやり直す嵌めになったのか分からなかったが・・・
・・・もし、もう一度誰かに成って・・やり直すと・・言う事が・・あるのなら・・・
・・・今度は・・私・・自身になり・・たいな・・・・
今度は頑張ってね、
・・・そう・・す・・れ・・ば・・・・・・・・
リリスの力を解放して時間軸に干渉させる。
「貴方、シンジとレイの事を宜しく頼みますよ」
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時間を反転させて、巻き戻す。
周囲の空間が凄まじい勢いで移り変わる。
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「くっ・・・」
これは、予想以上・・・負荷が大きすぎる・・・
リリスの力が届かなくなってきている。
拙い・・・
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「かふっ・・・・悪戯に歴史に干渉しちゃった罰なのかな・・・」
行ける所まで、行くしか・・・ないわね。
「・・貴方・・ごめんなさい・・・シンちゃん、レイちゃん・・ごめんね・・・」
体から力が奪われていく
「・・・幸せに、なってね・・・」
・・・・
意識が闇へと消えていった・・・・