贖罪

◆第3話表

むぅ、なぜ留守ばかりなのだ。
拙いぞ、このままでは私のレイ取り込み作戦が・・・
ん・・・・・しまったぁあ!!
引っ越したのか!!
あの、引越し蕎麦は私を撹乱する為のものだったのか!!
くっ、赤木博士か奴かは分からんが、なかなかやるな、だが、私はこの程度の事ではへこたれんぞ!
先ず、第3新東京市立第壱中学校のコンピューターをハッキングして、住所録を調べる。
「む」
こ、これは、私の家があるところではないか!
奴め、自分の手元においておくつもりか、こっちから行ってやる。


今、レイの家の前にいる。
ふん、なかなかの家だな。
奴め、レイに気に入られようと小賢しい真似を、
ん?
「ふげ!」
開いたドアで、頭を打った。
「い、痛い」
「・・そう、良かったわね・・」
良くないぞ、だが、ここはぐっと堪えて、
「レイ、これから、食事に行かないか?」
「・・・司令見たいな事を言うのね」
た、確かに・・・だが、シンジならどう言うか分からん、突き通すしかない。
「問題あるのか?」
「いえ・・只・・・・いえ、止めておくわ」
き、気になるぞ・・・
「で、答えは?」
「・・・ラーメンなら付き合うわ」
よし、第1段成功だ!


今、屋台のラーメン屋にいる。
良くこんな時間からやっていたものだ・・・・
・・・問題ない。
「何にします?」
「ニンニクラーメンチャーシュー抜き」
「ツバメの巣と鱶鰭の最高級ラーメンだ」
「はい」
・・・
・・・
目の前にラーメンがある。
うむ、屋台の物にしては美味い。
このオヤジかなりのやり手だな。
「レイ、どうだ?」
「・・・問題無いわ・・」
何がだ?・・・不味くはないと言うことか?
まあ良い・・・問題ない。


・・・ネルフ本部技術棟・・・
分かってはいるが余り行きたくない。
下手に会うと・・赤木博士の秘密のお部屋にいつ送られるか・・
あそこに行って五体満足でかえって来れる可能性は1%未満と言うからな、
早速、目の前にいるな。
「・・シンジ君、私の事マッドだと思ってたでしょ」
事実だ。
「そんな事は無いぞ」
「本当に?」
「そんな事よりも、先の注射器の中身を教えろ」
火花が散ったか・・・なかなかやるな
警報が鳴り響いた。
使徒か・・・ん?ラミエルは零号機の再起動実験の時ではなかったのか?


初号機に乗りこんだ。
『出撃よ、良いわね』
「敵生態のデータと具体的な作戦案はあるんだろうな」
『うっ・・』
『使徒に通常兵器は無効よ、よって、エヴァによって調査し、それから作戦を立てるしかないわ』
む・・拙い、この使徒の前に去らされるのは、
「実際確かめてからにしろ」
『さっきやったわ』
「もう一度やれ」
『もはや時間が無い、さっさと出撃しろ』
くっ、奴め、人事だと思って!!
『出撃よ』
「作戦の拒否権を行使する!」
どうだ。
『・・・その根拠は?』
何?
『明確な理由も無しに・・・単なる我侭か』
くっ、考えろ、考えるんだ。
『特令A−02を、ネルフ総司令官の権限によって発令し、初号機パイロットに、葛城作戦部長の指揮で戦闘を行う事を命ずる』
こ、小癪なぁ〜〜!!
『出撃!!』
「ぐおっ」
舌噛んだ。
「ま、拙い」
地上に出た。
目の前が真っ白になった。
「ぐおおおお!!!!」
胸が・・・・・・


目が覚めた。
「ちっ」
舌打ち、又赤木博士か・・・
「その注射器の中身は何だ?」
「え、いやその、あの」
・・・・
・・・・
・・・・
くそ、又逃げられた。
近い内に追い詰めてやる。
まあ、自白剤かなんかだとは思うが・・・
・・・まさか、赤木博士の個人的な実験じゃあないだろうな・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
嫌な想像をしてしまった。


作戦会議室に集まっている。
「と、言う事で、初号機がディフェンス、零号機がオフェンスよ」
むぅ・・又・・あの砲撃を受けるのか
「これは、零号機の方がシンクロ率が高いからよ、」
たしかに、私のシンクロ率は低過ぎるからな・・・
だが、う〜む・・・
くそ・・・良い理由が無い・・・


双子山の仮設ケージにいる。
暇だ・・・何もする事が無い・・・
作戦開始まで、あと、2時間・・・何をしろと言うのだ。
ん?足音・・・レイか
「・・貴方は何故これに乗るの?」
・・・何故か・・・そう言えば何故なのだ?
・・・・生き残る為か・・
「生き残る為だ」
「・・私も生き残る為に戦いたいわ・・」
レイはそう言い残し去っていった・・・
どう言う事だ?
・・・・
・・・・
そうか・・・レイは最終的には補完計画で依代と成り消える運命にあった。まあ、実際はシンジに成ったが・・・
・・・・
私の業か・・・絶対に逆らわぬように躾たのだからな・・・
最後の時、私を裏切ったのは・・・こんな前からその予兆はあったのか・・・
レイは、死にたくは無かった・・・無へと帰る事を望んでいたのは、見せ掛け・・・シンジとの生を望んでいたのか・・・
・・・・
だが、今更・・・
いや、私が何らかの方法で、補完計画を潰してレイを救えば良いのか、今、補完計画を発動されても私に全く利益は無い、利害は一致した。
後は、方法とタイミングか、
いかにして計画を座礁させるか・・・
途中で悟られても行けない。難解を極めるな。
考えろ、お前は、ゼーレの爺どもと最後まで遣り合ったのではないか、多少の不利があろうとも、何も知らない人間に負ける筈が無い
・・・・
・・・・
そうこうしている間に、時間になってしまったか・・・
・・・レイ・・お前は私が守る。


第1射が外れた。
くっ拙い!
第2射が来る!
盾を持って間に飛び込む。
レイは助かった。初号機の方が装甲は厚い、大丈夫な筈だ。
「ぐおおおおお!!!」
「あっ熱いいい〜〜〜!!!」
「た、盾が持たん!!」
「ぎえええええええ〜〜!!!」
・・・やめときゃ良かったかも・・・

ん、
「あっちぃいいい〜〜〜〜!!!!」
「な、何だ!!」
「ぐおおおお!!!」
物凄い音がしてLCLが流れ出て行った。
・・・レイが覗き込んでいる。
「・・・大丈夫?」
「ふっ問題無い」
決まった。
もう、これ以上無いくらいに決まった。
「・・そう、良かったわね。」
レイはハッチを閉めてしまった。
「お、おい!!開けろ開けてくれ!!」
結局回収班が到着するまで中にいる羽目になった・・・・
まさに・・・蒸し風呂だった・・・・


入院する事に成ったのだが・・・レイは見舞いに来てくれるのか?